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福沢諭吉『学問のすゝめ』「学問は国防だ!」

福沢諭吉『学問のすゝめ』は、広く国民が学問を修めることの大切さを説いた民衆啓発の本だ。

と言っても、福沢諭吉はただ国民が賢くなればいいと思っていたわけじゃない。

福沢諭吉の目的は、日本の学力を高めて「国を強く」することにあった。

国の教育水準が高くなれば、高度な人材が数多く輩出され、経済や科学技術を伸ばす力の原動力となる。

経済力と技術力はまさに国力の基盤であり、他国からの侵略を跳ね返す防波堤になるという考え方だ。

現実の世界を見渡しても、欧米列強に支配された国はみな教育水準の低い国ばかりで、「学問こそ国防の一丁目一番地」という視点は的を射ている。

ただ戦闘員を養成して兵器を準備するだけが国防ではないのだ。

それだけで国を強くすることを考えればただの軍事政権になってしまうだろう。

日本が曲りなりにも文武のバランスのとれた近代国家だったのは、国を挙げて教育に力を入れたからに他ならない。

(※昭和に入ってそのバランスが崩れたが、それは制度上の欠陥が原因であり、軍事政権を目指してそうなったわけじゃない。政治家も国民もその方向を望んでいたわけじゃない)

それを考えると、福沢諭吉『学問のすゝめ』が日本の富国強兵政策に果たした貢献は大きかった。

国防とは何もミサイルとか戦闘機とかハード面の対策ばかりに力を入れることじゃないとの視点は、平和国家を目指す今の日本にこそとり入れ、国民的議論をしていくべきと考える。







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