福島は今どうなっている? 放射線状況編
福島県では、原発事故の発生以来、環境放射線に関する各種測定を定期的に実施し、その推移を可視化してきました。
更新状況は、福島県復興サイトの「福島県放射能測定マップ」ページから分かります。
以下の画像は、同サイトからの引用です。
マップの単位はマイクロシーベルト(μSv)で、これはシーベルト(Sv)の100万分の1レベル、ミリシーベルト(mSv)の1000分の1レベルの単位です。
赤いエリアは1時間に3μSv以上の放射線量が観測される地域です。つまり1日で72μSv、年間で26280μSvの放射線量を受けることに。mSv換算だと、26.280mSvということになります。
国は年間20mSvを避難指示の基準として採用しています。この基準に照らせば、同エリアへの帰還はまだかなわないということです。
ちなみに、どのくらいのレベルの放射線量を毎時間浴び続ければ健康被害が及ぶのか、まだ科学的に解明されていないのが実情です。国際放射線防護委員会(ICRP)による各国政府への勧告では、「年間20~100ミリシーベルトの範囲で、それぞれの国や事故により被災した現地が置かれている状況を総合的に考慮して避難指示の基準を決定するように」としています。この基準は、チェルノブイリ原発事故の際にソ連政府が事故直後に設定した避難基準(100ミリシーベルト)をもとにしたもの。日本はICRPが設定する範囲でもっとも厳格な基準を採用しているのです。
そのため、世界基準に照らせば福島県のどこにも避難すべき地域など存在しない、という言い方もできます。現に避難命令を無視して居住し続け、牧場のなかで牛を飼育する農家も存在します。Facebookで牛の様子を見たのですが、毛並みも肉付きもよく、とても元気そうに走り回ったりしています。周囲の草が生え放題なので、飼料にも困らないのでしょう。もちろん出荷などはできないものの、避難区域で牛たちをここまで成長させた農家たちの試みは、今後の放射線研究に一石を投じるものになるかもしれません。
福島県では環境放射線量の調査以外にも、空間放射線量率の変化を監視するためのモニタリングポスト、主に子どもの生活空間の放射線量率を監視するために学校・公園・保育所などで観測するリアルタイム線量計、観光地や集会所など人が多く集まる場所で年1回測定する移動モニタリングなど、場所別・目的別にさまざまな放射線調査を実施しています。各地の放射線状況は、福島県の復興サイト「ふくしま復興ステーション」内の「県内の放射線状況」というページから確認できます。
※今日の報道によると、全町避難が続く福島県大熊町の一部地域の避難指示命令が、4月10日に解除されることになったそうです。第一原発が立地する同県双葉町、大熊町での避難指示解除ははじめてのことで、一歩前進! 今後さらに復興の加速が望まれます。
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