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オレとお前とザ・ファースト・スラムダンク
―――いい音のする映画だな、と思った。
三月のなかば、仲良くしてくださっているフォロワーさんと「えらく評判がいいスラムダンクの映画を見に行こう」という話になり、私はミニシアターの一席でスクリーンを見上げていた。
「ザ・ファースト・スラムダンク」は、あたたかそうな海辺のバスケットコートで、ボールが跳ねる音から始まる。
この時点ではなにもわからない。ただ、十代のなかばと思わしき精悍な少年が「
湯煎温子という才能/――「凸凹シュガーデイズ・もう1回!」に寄せて
生きていると疲れる。
マスク越しの不自由な呼吸に慣れないことや、「閉店しました」というそっけない紙が貼られた飲食店のシャッターを見るたび、とみにそう思う。
水の中で息を止めていると、一分、二分と時間が経過するごとに少しずつ苦しくなることに、今の状況はとても似ている。
ずっしり重い単三電池がだんだん軽くなっていくのと同じで、疲労というのは肉体そのものを削り取る。だからこういうふうな、ささやかな摩
世界いち優しい喪失/―――「死んだ息子の遺品に息子の嫁が入っていた話」に寄せて
フォロワーがコミックスを出した。
ふさふさの尾に、三角形の耳がかわいい二匹の家族と暮らしている、仲のいいフォロワーがコミックスを出した。
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めでたい。一介の小市民にすぎない私には想像もつかない世界だが、絶え間ない努力の果てに自分の作品が書店に並ぶというのはこのうえなくめでたいことだと思う。
未知の感染症の流行に、目の前を流れていく悪いニュー