見出し画像

VOL.8 転覆ではなく、天福めざして

漢字は、奥深い

 転職、分解すると「転」「職」、職を転じるということだが、転は転がるともいえる。良い方向に転がればいいが、そうでない場合もある。
 「てんしょく」という同じ音では、「天職」というのもある。同じ職に関するものだ。その人の性質や能力にふさわしい職業という意味合いだ。
 また、ふく業についても、「副業」「複業」そして「覆業」「福業」とある。後ろ二つは、自分が勝手に作った造語であるけど、同じ音でもいろんなバリエーションとともに、たった2文字の漢字でそれぞれの意味を表現している。実に奥深い。
 漢字が意味すること、奥深さにあらためて気づかされるだけでなく、最後は自分が何を目指し、どういう心構えで「てんしょく」と「ふくぎょう」を捉え、行動するかが大事だとつくづく思う。

自助・共助

 自助、共助、公助が一時期流行ったが、この年になると仕事を通じてつくづく感じることがある。
 自助、共助、公助と漢字としては別物でも、実の日常では密接不可分であり、特に自助と共助の関係は、切っても切り離せないし、一緒に考えるべきだと思う。自分は、共助という大きな円の中に、一人一人の自助があり、自助の大きさも異なれば、共助との関わり合いが人それぞれ違って存在する。仕事も何も一人じゃできない、誰かの助けがあって自分は存在しているのだと。
 転職に至る過程でも、他者との関わりの中で自身の考えを整理していく、家族への負担を強いてまで仕事を追求することへの疑問、自助と共助のあり方を考えさせられた。
 複業についても、周りとの関わりあいの中で舞い込んだチャンス。そして複業を一人で切り盛りする中で、あらためて組織言い換えれば他者との協力関係を持ちながら助け合うことがいかに大切かを痛感。

 そうした意味では、決断までには5年もの月日を要した。でも、その間に自分を見つめなおすだけでなく、他者との関わり、助け合い含め当たり前と言えば当たり前だけど、大事なことに気づけた意味では、良い時間だったと思う。

 転職と目的を見失っての覆業による「転覆」になることなく、転職と複業を通じて、天職を見つけ福業をなしえて、「天から受ける幸福 ”天福” 」をつかめるよう、一日一日大切に歩んでいきたい。

***8回にわたった連載は終了です。是非感想を頂けたら幸いです。***

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?