見出し画像

反社が世界を支配しているのなら・・・

このたび、地元の北鹿新聞に駄文を投稿し、「アパルトヘイト国家イスラエルに連帯するG7(英米仏独伊加日)反社(反社会的勢力)であり、反社が支配しているのだから世界が狂気に包まれているのも当然だ」と主張し、私たち一人一人がそれぞれの意思決定にあたって自他を共に尊重した【道徳的選択】をすることの重要性を訴えました。

世界は今、宇露戦争やガザ・ジェノサイドをはじめとした暴力の狂気に包まれていますが、新聞やテレビの情報だけでは、その真実の姿をつかむことができません。

ガザ・ジェノサイドについて、川上泰徳氏が次のように述べています。

日本と世界のメディアの新聞、テレビの日々の報道を見ると、メディアが描く「戦争」の構図は、ハマスという「反イスラエル」のイスラム過激派組織がイスラエル国内で「テロ」を実施し、それに対して、イスラエルが「対テロ戦争」を行っているというものだ。メディアが問うのはイスラエルのガザ攻撃が「過剰かどうか」である。しかし子供の死者数を見ただけでも「過剰かどうか」に議論の余地はない。問題は「戦争犯罪」というしかない「過剰な攻撃」が、なぜ起こっているのかであり、なぜ、それが停まらないで続いているのか、である。
 その理由の一つは、ハマスの越境攻撃と、イスラエル軍の報復攻撃の背景にイスラエルによるパレスチナ占領があるという事実が、報道から、殆ど抜け落ちている事である。

川上泰徳(2024)『ハマスの実像』

そして、「情報の背後には必ず意図と目的があり、あらゆる情報はプロパガンダ性を帯びている。その情報が事実に基づいているか、どんな意図が背後にあるか、プロパガンダの種類が問題」であり、「嘘に基づくものは、ブラック・プロパガンダと呼ばれる」(プロパガンダとは、特定の意図をもった宣伝)と大崎巌氏(2024)が解説しています。

西側の報道ばかりに接していると気づきにくいこれらの事について一石を投じ、私たちの政府が果たして信用に値するかどうかをご一考いただきたく拙稿をまとめました。是非ともご高覧ください。
(参考資料についても、様々な方が発信されている貴重な情報を、いろいろと集めてみました。)


投稿本文(画像)


北鹿新聞 2024年8月30日(6)

投稿本文(テキスト)

 「希望と連帯」を開会式のテーマに掲げたパリオリンピックが終わりました。「いかなる紛争も、大会期間中は休戦せよ」との決議を国連総会が採択したにもかかわらず、残念ながら戦火が止むことはありませんでした。

 今回のオリンピックでは、宇露戦争を続けるロシアとベラルーシを敵対的に排除しながら、ガザで虐殺し続けるイスラエルを参加国として受け入れて連帯したため、その二重基準が議論を呼びました。

 また、オリンピック同様広島の平和記念式典も、ロシアとベラルーシは招待せずイスラエルを招待しました。その広島市には、およそ3200件の意見が寄せられ大半は批判的なものであったと読売新聞が報じています

 一方、長崎平和祈念式典は、ロシアとベラルーシだけでなくイスラエルも招待しませんでした。すると今度は、いわゆる西側先進国の駐日大使らが式典をボイコットしたのです。

 日本をのぞくG7六カ国とEUの駐日大使らは、「イスラエルを招待国から除外した場合、高官の式典参加を見合わせる可能性がある。」とする書簡を7月19日付で長崎市に送っていました。また、朝日新聞によると、水面下で日本国政府が長崎市に対して「外交問題になり得る」と懸念を伝えていたそうです。それでも長崎市長は「イスラエルを招待しない」としました。その結果、G7の駐日大使らは式典を欠席して代理人を派遣したのです。

 実は、7月19日に国際司法裁判所(ICJ)が「イスラエルの占領に対する勧告的意見」を発表していました。これは、一昨年、国連総会が「国際法の原則に照らした意見」を求めたことによるもので、大雑把に言うと次のような内容でした。

● アパルトヘイト(人種隔離)国家であるイスラエルは、すぐに違法な占領を終わらせて入植者を退去させる義務がある。

● 国連を含む国際組織とすべての国家は、イスラエルに対してその状況を合法と認めたり支援したりしない義務がある。

 こうした司法の判断を、EUと西側各国は明確に無視してイスラエルに連帯し、式典をボイコットしたわけです。このような行いをする人たちを、世間では一般に無法者や反社会的勢力(反社)と呼ぶのではないでしょうか。反社が国際社会を支配しているのだとすれば、世界中に蔓延している幼稚で野蛮な暴力の狂気にも合点がいきます。

 なお、毎日新聞によれば「(長崎市は)ややこしいことをしなければよかったのに」と官邸幹部が言ったようです。支配者に媚びを売る従者の心情そのものです。

 総理は、長崎平和祈念式典で「非核三原則を堅持しつつ(云々)」と述べました。けれども、冷戦期には最大1300発もの核兵器が沖縄の弾薬庫に貯蔵されていて、そこから三沢や横田などの米軍基地に運び、爆撃機によってソ連や中国に核攻撃を仕掛ける訓練を毎日のように続けていた事が明らかになっています。(松岡哲平『沖縄と核』矢部宏治『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』)為政者は、国民を欺いて狂気の世界に引きずり込むつもりなのでしょうか。

 主権者である国民は、選挙で選んだ為政者や公務員に国家の運営を委ね権力を与えます。けれども、権力を握れば支配欲も高まってしまうのが人間なのかもしれません。権力者に「命」までをも支配されて戦争の道具にされた先人たちが、その事を身に沁みて感じたからこそ金輪際日本国民が国家権力に支配され奴隷化される事がないようにと願って国民主権の平和憲法を制定し権力をしばり付けてくれたのでしょう

 東京都市大学名誉教授の青山貞一氏は、『日本人のマスメディア<鵜呑み度>は世界一』の中で、「政府がマスメディアを利用して国民を正当な理由もなく、特定の方向に誘導しようとすれば、記者クラブや公共広告などを使って、いくらでも情報操作による世論誘導が可能となる。」と述べています。

 言動の裏にある事情を読み解く作業は手間がかかりますが、多様で寛容な共生社会を志向しているか否かを基準にすれば、反社の思惑が透けて見えてくるはずです。

 私たち国民が支配抑圧されないためにも、自分自身で情報の裏を読み取り、希望と誇りを胸に自他を共に尊重した人生を歩みたいですね。

【道徳的選択】 #道徳的選択


参考資料など





パリ2024 - オリンピック休戦 (olympics.com)
















The Court gives its Advisory Opinion and responds to the questions posed by the General Assembly (icj-cij.org) 国際司法裁判所(ICJ)プレスリリース




 すなわち、ガザ地区に搬入できる物資の種類と量はすべてイスラエルの許可が必要であり、そのことを国連が認めているいるということであり、事実上ガザ地区の封鎖さえも容認しているということになる。二〇二三年一〇月以降のガザ攻撃には、食糧・医療品・燃料をはじめあらゆるものの搬入が著しく制限され飢餓・餓死まで発生したが、それに対して国連が声高に非難はしても、実効性のある介入ができないのはこのためだ。国連はイスラエルにガザ地区を封鎖をする権限を与えてきたのであり、封鎖の結果生じる諸問題について責任を負っているのである。

サラ ロイ. なぜガザなのか:パレスチナの分断、孤立化、反開発 (p.16). 青土社. Kindle 版.

サラ ロイ(2024) 『なぜガザなのか』






イスラエルに対して、日本を含む西側の為政者たちは「完全な連帯と支持を表明」しました。「ハマス及び他のテロリスト集団がイスラエルに対して行った残忍なテロ攻撃に対する最も強い非難を改めて表明する」と、G7プーリア首脳コミュニケで述べたのです。また、ウクライナに対しても「軍事、予算、人道及び復興の支援を継続していく」としました。西側のいくつかの国は、イスラエルやウクライナに対して、殺戮兵器を供給するだけでなく軍隊までをも派遣し続けているのです。

善と悪 ~クマとヒトとゴイムと~ 


https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100704489.pdf  G7プーリア首脳コミュニケ



























極秘
1969年11月21日発表のニクソン米大統領と日本の佐藤首相による共同声明に関する合意議事録
米国大統領:
 我々の共同声明にあるように、沖縄の施政権が実際に日本に返還されるまでに、沖縄からすべての核兵器を撤去するのが米国政府の意図である。それ以降は、共同声明で述べているように、日米安全保障条約、および関連する諸取り決めが沖縄に適用される。
 しかし、日本を含む極東諸国の防衛のため米国が負う国際的責任を効果的に遂行するため重大な緊急事態に際して米国政府は日本政府との事前協議の上、沖縄に核兵器を再び持ち込み、通過させる権利が必要となるだろう。米国政府は好意的な回答を期待する。米国政府はまた、現存の核兵器貯蔵地である沖縄の嘉手納、那覇、辺野古、ナイキ・ハーキュリーズ基地をいつでも使用できるよう維持し、重大な緊急事態の際に活用する事が必要となる。
極秘
日本国首相:
 日本政府は、大統領が上で述べた重大な緊急事態に際し、米国政府が必要とすることを理解し、そのような事前協議が行われた場合、遅滞なくこれらの必要を満たすだろう。大統領と首相は、この議事録を2通作成し、大統領と首相官邸にのみ保管し、米大統領と日本国首相との間でのみ、最大の注意を払って極秘に取り扱うべきものとすることで合意した。
1969年11月19日
ワシントンDCにて
(中略)
 佐藤は、この合意議事録という名の「密約」の存在をひた隠しにしながら、国民には、沖縄に再び核兵器が持ち込まれることは絶対にない、と偽りの説明を繰り返していたのである。

松岡哲平(2019)


私たちは、レアード元国防長官に電話インタビューを行った際、核査察を受け入れなかった理由についても聞いていた。
レアードが語ったのは、意外だが、極めて明快な理屈だった。
 ・なぜ沖縄返還にあたって、「核査察」を拒否したのですか?
「我々が誰かから、この兵器を破壊しろ、あの兵器を撤去しろ、などという指図を受けることはない。そんな権限を誰かに与えるなんて事は絶対にない。それは分かるか?」
 ・主導権は、常にアメリカが持つ?
「そう。それは我々の核兵器であって、日本のものではないのだ。私たちが、核兵器についての拒否権を日本に与えることはないんだよ」

松岡哲平(2014)



















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?