見出し画像

日本人はなぜウクライナを応援するのかver.2

汚すぎる。ミンスク合意は中立な停戦仲介ではなかった。NATO(米国)は、宇の戦力を増強する事を目的に停戦させたのだそうです。停戦期間中にNATOが宇に対して行っていた軍事支援は知っていましたが、まさか停戦交渉自体が茶番だったとは。
 このたびその情報を知ったので、このリードを付記し、末尾に資料を追加して、ver.2としてアップしなおします。
 一人でも多くの方に、この酷い世界の現実を知って頂ければと存じます。

 昨年(2022年)の中頃に書きかけてそのままにしていた短文を、あえてこの正月に投稿する事にしました。日本を最前線にして戦争を始めようとする大きな力がある中で、日本人がその力に抗い平和を維持するために、日本人自身が熱病から覚めて人間的な感性と理性を取り戻す必要があると思うのです。
 以下はその時のままの文章です。


本文

 日常の生活を送っている市民の眼前にミサイルが飛んできたり戦車に蹂躙されたりしている様をテレビで見せつけられたら、誰だって恐怖を感じてその国の人たちに同情するでしょう。けれどもすぐに世論が「ウクライナ頑張れ」「ロシアをやっつけろ」とウクライナ応援一色になったことに、私は驚き大きな恐怖を覚えました。

 開戦直後ウクライナでは、国民総動員令によって18歳から60歳までの男子は出国禁止とされ、希望する一般市民には武器が配られました。該当するウクライナ国民は、政府から「逃げずに戦え」と言われ、外国の見ず知らずの人たちからは「頑張れ」「負けるな」と言われたのです。まるで出口を塞がれた水攻めではありませんか。これまで日本では、「津波が来たら逃げろ」「命を守る行動を」と言われてきたはずです。それなのに日本人は、遠い異国の赤の他人に対して「命がけで戦え」と言うのでしょうか。

 まるで負ける可能性がゼロであるかのようにして「正義のために徹底抗戦を」等と叫ぶことができるのは、自ら安全地帯にいて現実から目を背けられる人か感情に翻弄されて理性的に考えられなくなった人だけではないかと私は思います。恐怖を感じれば、逃走する人やフリーズしてしまう人ばかりでなく闘争的になる人もいます。正義感や悪を憎む気持ちは怒りの感情と相まって大きなモチベーションを生み出しますから「正義のための徹底抗戦」は高揚する魅力的なフレーズです。けれども怒りの感情を制御して冷静に考えてみれば、正義や善悪の基準は立場によって異なるのですからその対立軸にこだわると彼我の正義がぶつかり合って永遠に紛争が続いてしまうという当然の理に気づくのではないでしょうか。侵略を抑止できなかった無力さを見れば、戦ったところで泥沼となる可能性も否定できなかったはずです。

 正義の勇者の行動も、仮に救出作戦を行うというのであれば命を救う行為になりますが、戦闘は命の奪い合いです。となればそれを応援する事は人間の殺し合いに加担する行為であってオリンピックの応援とは本質的に異なるものだと気づかぬはずがありません。

 「自由と民主主義を守るためには侵略者と戦うしかない」と主張する方々もいます。けれどもそのようなポジショントークは、「守るべき自由と民主主義を戦争自体が否定するジレンマ」を抱えている以上まぎれもなく詭弁です。ウクライナ人の中にも「自由と民主主義と祖国を守るために銃を持つ」という人たちは確かに大勢いるでしょうが「決して戦争には協力したくない」という人たちも必ずいるのですから、ウクライナ政府が出国を禁止したように、国民の自由を束縛した上で専制的に物事を決めない限り戦争は継続できないのです。「命よりも大切なものがある」等と言う価値観の押しつけは、全体主義以外のなにものでもありません。価値観や正義感の違う人たちを抑圧し「非国民」として差別する社会が自由で民主的なはずがないではありませんか。ウクライナ政府は、銃を構えているロシア兵の前に自らの国民を差し出していることになりませんか。国を守るために国民を犠牲にするそんな非民主的な国を日本人の多くが応援しているのです。

 ちなみに、この戦争に対して私自身がどう考えているかという点については、地元紙に意見を投稿しております。noteに転載しておりますのでご高覧頂ければ幸いです。

付記

 冒頭に述べたNATO(米国)の汚い企みは、これから紹介する青山貞一氏による翻訳「プーチンに対する『狡猾な計画』」で知る事が出来ました。
 「先に手を出した方が悪い」とか、「手を出すきっかけを作った方が悪い」とか、そんな事を言っているよりもまずは中立の立場で誰かが仲介し、殺し合い傷つけあっている暴力を止めることが最優先です。
 けれども、第三者である私たち一人一人は、何故そんな事態に陥ってしまったのか、片寄らずに広く情報を集め、冷静に分析し、今後の自らの行動に活かしていく必要があるのではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?