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職場体験について

幼少期、学生時代になりたかった夢。
どれくらいの人が覚えていて、
どれくらいの人がそれを実現しているんだろう。

職場体験。どこにいったっけ?
どうやって選んだっけ?
先生や親が勧めてきたところ?
友達が行くところ?

今日はそんな懐かしい、職場体験のことを思い出しながら、
看護師として職場体験に携わった話をまとめていこうと思います。


職場体験の目的

そもそも職場体験の目的が何かを抑えておく。

「職場体験」とは、中学生が様々な仕事を体験する行事のことである。学校の近くの施設や事業所が協力し、受け入れを行なった施設に生徒が赴く。実際に働くことで労働の実態を知ったり、働く人と接したりすることを目的とした学習活動である。職場体験は、学校から社会への移行を手助けすることや、高学歴化が進み、職業意識などが希薄なまま進学する生徒の増加に対して意識を改革しようといったことを目的としている。また、地域の大人と中学生が触れ合うことにより、周囲の大人に対して教育への関心を喚起する、といった効果も期待できる。中学での職場体験を高校でのインターンシップ等につなげ、一貫したキャリア教育の一環とすることが重要であると言われている。

スタディピア 中学校用語集

文部科学省より
職場体験の基本的な考え方


すごく興味深い。そしてめちゃくちゃ大事な授業内容じゃんこれ!
こんな目的が詰まってたんだ!

学校を卒業した後の自分について考えさせられる、職場体験。
この授業で出会った人、経験したこと、新しい情報に触れることが、
学生生活時代のエネルギーになったり、自己内省のきっかけにも繋がると感じる。

職場体験が求められる背景として、子どもたちの生活や意識の変容、学校から社会への移行をめぐる様々な課題、そして、何よりも望ましい勤労観、職業観を育む体験活動等の不足が指摘されています。

文部科学省


職場体験の必要性

職場体験には、生徒が直接働く人と接することにより、また、実際的な知識や技術・技能に触れることを通して、学ぶことの意義や働くことの意義を理解し、生きることの尊さを実感させることが求められています。また、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など培うことのできる教育活動として、重要な意味を持っています。


学校の授業内容を学生時代、正直なんで学ばなきゃいけないんだろう?
って想いが強くて、頭に入ってこなかったことが多かった。
5教科の成績はそんなに良く在りませんでした。笑

だけど職場体験で、看護師さんが点滴の滴下速度を計算している姿を見て、「算数」が強くないと看護師になれないかもしれない。
こんな認知が生まれた。
今思えばその、認知によりテスト結果に大きな変化をもたらした。

「苦手科目は算数です。」
そんな自分が塾にも通うことを決め、テストの点数28点を89点に。
それは持続し、数学は85点以上が当たり前に。
高校時代は数学を選択科目で選び、通信簿も5。
気づけば、
「得意科目は数学です。」
になっていた。

振り返っていて気づいたが、原点は職場体験だったのかもしれない。。


職場体験の意義

意義とは価値のこと。
文部科学省がまとめた項目に自分の意見をつけて、共感をまとめてみた。
文部科学省の詳しいまとめはリンクを参照してください。

1.勤労観、職業観の育成の場

 どんな人のどんな役に立っている人がいるのか。人はどんな役に立ちたいと思っているのか。どんな仕事があるのか。
 職業の名詞だけに捉われることなく、実際に働く人の姿を見たり、お話を聞ける、素晴らしいチャンス!!
 

2.新たな自分を発見する場

 職場体験を通して、一つの職業の中にたくさんあるうちのいくつかの業務を経験することで、自分にできそうなことと、できないことが見えてくる。
 頭で考えていても、わからない。行動が自分を知る大きな近道。

3.コミュニケーション能力、社会的スキルを身に付け、人間関係の大切さを体得する場

 コミュニケーションの基本は、まずは挨拶だと思っている。職場体験はその挨拶から始まる。電話でアポを取ったり、初日はみんなの前で挨拶をする。どんな言葉を使うか、どんな在り方で臨むかを考えさせられた。
 また働く人が、人と関わる際にどんなコミュニケーションをとっているのかも、職場の雰囲気や相手への態度から感じたことは多かった。どんな人間関係の中で働きたいかも考えさせられるきっかけとなる。

4.学校と社会をつなぐ場

 これはまさに先ほどの、数学の話。授業で学んでいることと将来が結びつく瞬間。
 また、職場体験を受け入れた側も学生と関わる中で、自分が働きながら大切にしている思いを言語化するきっかけになっていると感じる。

5.職業生活や社会生活に必要な知識、技術・技能を学ぶ場

 どんな知識や技術が必要なのか、具体的なことを知れるチャンス。また、どんな1日を過ごしているのかも知れて、職業のイメージがリアルになる。

6.教員の新たな資質・能力の形成の場

 職場体験は生徒だけでなく、教員にも良い効果があるみたい。

これまでには見られなかった生徒の姿やその変化を見たりすることによって、教員の生徒理解が一層深まるのである。

文部科学省

 受けいる側にも良い効果があるし、職場体験ってこんなにも関わる人みんなに良い影響があるなんて。素敵すぎる。

7.親子の会話を促進する場

 保職場体験を通して、学生は自分の身近にいる人はどんな仕事をしているのか?どんな気持ちで働いているのか、興味が湧くね。絶対。
 そんなとき、学生の一番近くにいる親という存在が答える「仕事」の話は、未来に期待する学生に大きな影響を与えると知った上で答える責任がある!!と強調したくなった。笑

8.事業所、地域の理解と活性化を図る場

 職場体験はたくさんの人を良い循環で、巻き込み、繋げる素晴らしい授業だとほんと思う。


自分の職場体験

中学2年の夏、在宅で大好きな祖母を家族で介護し看取った。
毎日来てくれる訪問看護師さん。
病気だけを診るのではなく、祖母を1人の人として看てくれた看護師さんと関わる中で、自分もこんな仕事がしたいと、祖母の弔辞で宣言。

中学時代の職場体験は、迷わず祖母がお世話になった訪問看護ステーションへ。憧れの看護師さんたちについて回った。

忘れられない大切な思い出と自分の看護観の原点となっている。


職業名よりも大事な業務内容

仕事の定義は人の役に立つことです。
なので、将来どんな仕事をしたいですか?
という質問の答えは、動詞で考えて、選ぶ必要がある。
役に立つは動詞で名詞ではないからです。

つまり、看護師になりたい!だけだと
自分の中の本音の部分とズレが生じてしまうことがある。


医者、看護師、薬剤師、教師、経営者、俳優、エンジニアなどなど
動詞に着目せず、名詞に囚われると、自分がやりたいことより、一般的なイメージや、周りからどうみられるかという評価が影響したり。

時代の状況、組織のあり方などの変化で、業務内容や必要とされることが大きく変化したり。名詞にとらわれていると、それらに振り回されてしまう。

だけど、動詞でどんな人のどんな役に立ちたいかが明確であれば、
常に自分がその仕事をするために、どんな手法を使ってどんな状況にいたいかがクリアになる。

自分軸で生きれる。

現に自分は看護師という仕事を選んだというよりかは、
病気を見るだけでなくその人らしさを尊重した関わりをする看護師の姿を見て、その人らしさを尊重できる自分になりたいと感じ、それを体現できる看護師になりたいと看護師を目指しました。

看護師は手段でしかありません。

映像クリエーターやコーチとしても活動をしていて、いろんなことをやっているね!と言われますが、どれもその人らしさを尊重した関わりで共通しています。手段がいろいろあるって感じです。

だから、そうゆう視点で中学時代に看護師という仕事を知れたこと。
職場体験は本当に良かったと思っています。

職場体験に携わることに

コロナ禍となり、職場体験が実施できない状況が続いていることから、当病院にも複数の中学校から連絡が来たみたい。
職場体験の代わりになる、何かをやっていただきたい。と。

そんな流れから、看護部長から依頼をいただいた。
職場体験の代わりになる学生に向けた映像を作ってほしい。

新人指導や採用に携わる看護副部長とタックを組ませていただきスタート。業務時間内でおこなわせていただくことを条件に、手術室メンバーのバックアップがあったからこそできた、大きなプロジェクト。

シナリオ、撮影、取材、映像編集。インタビューや奨学金制度などの情報も入れて30分の番組になった。

映像は無事昨年の年末に完成し、配布作業がコロナ状況で滞っていたが、無事再開。昨日、ようやく自分の母校も配布が行えた。

進路指導担当の先生へ直接お渡し


まとめ

映像製作中、インタビューを撮影したり、情報を集めている中で、看護師を目指したきっかけは職場体験だったという声がたくさん聞かれた。

職場体験が行えていないことによる悪影響が出てくるかも知れない。
ただ今回、職場体験を通して感じたのは、学生に関わる大人たちの姿、発言が学生の未来に大きく影響を及ぼすということ。

大人がつまらなそうに、楽しくなさそうに働いていたら
学生には働くことはつまらないんだ、楽しくないんだ。嫌だなぁ。
という感情が生まれるだろうし。。
働くこと、仕事へのイメージに希望が生まれず、未来にワクワクしなくなることも考えられる。未来にワクワクしないことで、学習意欲の低下や挑戦の減少につながり負の循環。ゾッとする。


自分の両親は自営業であり、幼少期から親の働く姿を近くで見てきた。
夜中まで働いていたり、時に闘いの場面も見てきたが(笑)、自らの力で自らの好きなことを仕事にして、熱く仕事について語る姿は今の自分にも大きな影響をもたらしている。

自分自身も自分の仕事への思いや軸を大切に、熱く・ワクワクして働いていきたい。そして学生さんと関わるときは、仕事は人の役に立てるという、人間にとって幸せな行為なんだよって伝えていきたい。



これからの時代も大切!これからの時代だからこそ大切!
職場体験ありがとう!
たくさんの人がワクワク生きれますように!

https://www.youtube.com/channel/UCQUo9K2Vt6NF0TKEuauz34w






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