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あえて授業の30分を授業以外のことに充てる⁉

私は中学校の教員時代、
”授業の導入”と称して、
時には30分くらい変な話をしていました。
変な話と言っても、私の持ち前の”話力”で、最後は無理矢理授業につなげていきます。
このスキルは、(自分で言うのもなんですが、)結構自信を持ってます‼(どこに自信持っとんや!笑)
ということで、今回は授業の”脱線力”(そしてそこからの”復帰力”)についてお話します。


「そういえば、昨日の〇〇(テレビ番組)見た?」なんていう授業のスタートは日常茶飯事です。
「今日は暦の上では夏至ですが、夏至っていうのは…」といった具合で、インテリっぽい入り方をすることもあります。

でも、
生徒を引き付けられるのは、
もっともっと授業と全然関係無さそうなことですね。笑

「おいおい、また変な話始まったぞ。」
「これ、数学関係ないやろ!」

と生徒に思わせるのがポイントです。
(それを繰り返すことで、「ここからどうやって数学に結び付けるんだろう…」と生徒たちは興味津々に聞いてくれます。

例えば…  

「みんな、バックトゥザフューチャーって見たことある?」

「ポケモンも、今となっては1000種類位以上おるらしいね!」

「となりのトトロって見たことあるやろ?あの話の中には、実は「幼児の集中力」について丁寧に描写してるところがあるんやけど分かる?」

ってな感じです。

どうですか?
皆さん、ここからどうやって数学に結び付けられるのか気になるでしょ?

これが、意外とどうにかなるもんなんですよね~!笑
(詳しくは、それぞれ別の記事でアップしようと思いますので、その際はぜひ読んでください!そのために、フォローお願いしますねm(__)m)


私は、時に授業の30分程度をこういった脱線話に費やすこともあります。(勘違いしないでくださいね!毎回というわけではないですし、ちゃんと教育課程は遵守しますし、授業の内容をしっかりと理解させていました!生徒や保護者からも「分かりやすい!」と評判の授業してましたから!)

30分も使ってしまうと、残る時間は20分ですよね。
20分で教えるべき内容を教えられるかというと…、


これが意外となんとかなります!笑
生徒は理解してくれます!
いや、ほんとに!

授業の肝となる部分をしっかりと身に付けてくれるんですね。
なんなら、演習(練習問題)もできます。

なぜそうなるのかということを自分なりに考えてみると、
「限られた時間に、生徒がかなり集中するから」だと思うんです。


「人間の集中力が持続するのは、1時間が限度!」とか
「中学生の集中力は50分くらいしか持たない」
なんていう話は聞いたことがありますよね?
きっとどっかの大学の教授やその道のプロが様々な実験をして導き出したことだろうと思うので、それぞれの説は間違いないと思います。

ただ、

ただですよ!

お言葉ですが教授!


ホントにこの子たち、そんなに集中できますか?

彼らは
フォートナイトだったら13時間集中できるらしいですが、
ですが、

彼らが今取り組んでいるのは、
泣く子も黙る…

いや、泣く子も眠る


数学ですよ?


私の肌感としては、
(集中力が持つのは)よくて30分!
数学が苦手な子や注意散漫な子なんて、10~20分くらいだと思います。

大人の我々だって、

急にドイツ語の授業受けたら眠くなるだろうし(別にドイツ語の授業がすべからく面白くないと言っているわけではない。)、

歴史博物館の「奈良時代の人々の食文化は…」っていう”スイッチを押したら始まるビデオ”は、開始数十秒で見るのを辞めて、次の展示物のところに行っちゃいますよね?(無情にも誰もいない場所で響き続ける奈良時代の食文化に関する説明…。ごめんなさい!)


だから私は、4月の授業開きのときに、生徒にこんな約束をします。

先生は、一見関係無さそうな話をします!でも、面白おかしく話すから安心して!
そして、その話は「え?いつまで続くの?」というくらい長い場合もありえるよ!
ここで一つ提案なんだけど、脱線話の後はみんな集中して授業に取り組んでくれないかな?
「10分くらい面白おかしい話聞けたんだから、残りの40分くらいは集中してやってもいいか!」とかっていう気持ちでいいから協力してほしい。
1分も無駄な話をしてほしくない!という場合や、
面白おかしい話の後も集中するつもりはない
というんだったら言ってほしい。
私は今すぐにでもこの授業スタイルを辞めて、いわゆる「普通の授業」をすることだってできるんだから。


生徒は、黙ってこの話を聞いてくれます。
もちろん、ほとんどの場合、私の出した提案を飲んでくれます。
そして、実際に素晴らしい集中力を見せてくれます。

教室の中には、
受験時向けて必死な生徒もいるし、
学校に来てやっただけでもありがたく思えよ!と言わんばかりの生徒もいます。

ですから、大切なのは塩梅です。

いつも変なことばかり言っててもいけませんし、
窮屈な授業も嫌です。

点数を取らせるためだけの授業に生徒はついてこないし、
かといって成績が上がらない授業では、生徒も親も納得しません。


14年間の教員生活で、
”脱線力”を身に付けた男の話でした。
(良い子(良い教師?)はマネしないように!笑)

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