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デンマーク滞在記録7【デモクラティックライフスタイル】

どうも!
デンマークを出発してもう10日が過ぎています。
実は1週間とちょっと火と氷の国、アイスランドに行っておりました。
今はウィーンにおります。

滞在先の近くの景色。

移動の連続で全くnote更新できていませんでしたが、ちょっと余裕もあるのでデンマーク、アイスランドでの学びをここから一気に残していきたいと思います。

今日のテーマはデモクラシー(民主主義)について。
民主主義という表現では包摂できてない印象があるので、敢えてデモクラシーという表現で振り返っていきたいと思います。

デンマークを調べてみると、農業、教育や社会福祉、最近では幸福の国など様々な人に優しい国のイメージが浮かび上がってきます。
そして、一人一人が自分らしく生きれているような、対話的な文化があるようなそういう印象を持つのが多くの人の第一印象なのではないでしょうか。

そんなデンマークを訪れ、その秘密に迫っていく中で必ず耳にするキーワードがデモクラシーです。
実際に現地で話を聞いてみると、デモクラシーに関する多様な考え方を耳に
することになると思います。僕自身も2018年に初めて訪れた際に最も印象的だったキーワードの一つです。

デモクラシーは様々な意味合いを包摂しています。
もちろんその中には日本の「民主主義」の意味と同じような政治システムなども含まれています。最初に訪れた当時「デンモクラシーはライフスタイルだ。」というお話を聞きました。やはり今回の滞在中もその感覚はデンマークの共通理解になっているように感じています。

2018年当時のフォルケホイスコーレ見学の際に撮った写真。100人余りの全校集会の様子

今回の2ヶ月の滞在では、まさにデモクラティックライフスタイルを感じる場面がとても多かったのです。

例えば、食事中に現在のアメリカの政治的動向について話になる場面がありました。日本の動向ついてどのように感じるか?ということを聞かれる場面場あったり、どんな商品を購入するのか?ということもデモクラシーの一つ。基本的に自分がどのようにしたいか?どのように考えるのか?についての共有が非常に生活の上では大事でした。

楽しい夕食のひと時。アメリカの政治動向の話になりました。

滞在期間中に保育園に見学に行くこともありました。
保育園の中でまず大事していることは自分のことを伝えたり、考えていることを伝えるという機会があることでした。
どんなに小さな子どもでも自分の考えていることや感じていることを共有することを多様な社会的な側面からサポートしています。

障がいを持った方でも同じようにサポートは存在しており言葉が話せない人でも、指さしなどの方法を用いています。
その人ができる能力の中でその人のデモクラティックなライフスタイルをサポートすることを大事にしているのだなと思います。

同時に沈黙は「OK」サインであることも暗黙の了解になっている(ように感じる)ので、その場で自分の意見を言わなかったのに後出しで「実はこう思っていた」ということはあまり良くない状況であることを彼らは知っています(ように感じます)。

その場合には、空間としての心理的な安全性があったのか?やその人が言葉を発せなかったことには環境的なことが起因しているのではないか?ということをまず第一に考えてくれます。

保育園からの教育的な施策やデモクラシーへの感度が織りなす素晴らしいことだなと思います。

そんなデモクラティックライフスタイルに浸かりながら、その前提には自分からできる2つの大事な行動指針に支えられているように感じています。

1つ目に大事なこと行動は、自分の考えていることや感じていることを言葉にすること。(表現すること)
このスタートがないと始まりません。
いくら発言しにくい環境だろうと、自分が言葉を発すること、表現することからスタートしているのだという感覚とその行動がとても大事なように感じます。

一人一人が何かを伝えることや話しても無駄だと思ってしまう諦めや無力感はデモクラシーの前提が崩れてしまいます。最もデモクラティックな世界ににとって驚異なのは僕ら自身の諦めであるということを心に留めておきたいです。
これは世界的に共通する大きな課題が拡がる現代において、クライメイトチェンジに並ぶ人類の危機であることが言われています。

2つ目には体験を共有するということ。
デモクラシーを営む上で、体験することや共有した上で対話をすることがとても大事なように感じます。それは、大きなテーマで言えば同じような教育を受けているのか?ということも共通体験だし小さなテーマで言えば、料理をすることや食事を片付けることも含んでいます。
ある時には対話を通じた問題解決を選ばないことで、デモクラシーは完結していることもあると思うこともありました。
対話が大事ではないと言っているわけではありません。対話も非常に大事なのですが対話には常に体験を伴っている共有が大事だと思います。
共通体験をしていなくともストーリーはその体験を追体験させてくれます。
その意味でデモクラシーには体験の共有(ストーリーテリング)が大切になるのだと感じました。

もちろんこれだけで劇的にデモクラティックなライフスタイルになるとは思いません。社会全体がデモクラシー的な教育を推し進めてきた国としての大きな成果が今のデンマークだと思います。

一方でこれはデンマークだからできていることであると解釈し過ぎずに、デモクラシー精神の真ん中にある姿勢やアクションは共通してこれからの時代には大事になることのように思います。
個人的にはこういう土台の上で身体的な非言語領域などを開いていくこともまた同じように大事だと思っているので全ての解ではないと思っています。むしろ、デモクラシーも実践知の集積で鍛えられるものだとも思うのでデモクラシーとは何か?と考えることよりも一人一人の実践やその意思表示でより多くこの社会を形作っていく未来を目指していきたいなと思ったのでした。

昔の地域の集会が行われていた場所の写真。地域の家主が集まり自分の家の石に座りコミュニティの様々なことについて話していくのだが、真ん中に植えてある木が反対側を隠している。
常に自分が見えないい他者がいることを教えてくれる素敵な教えの一つ。

こういう思いやりを体験できる機会が、何気ない日常にあることもデモクラティックライフスタイルの真骨頂だなと思いました。

それでは!



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