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心も高く

1)心の石と心の灯籠


本校には「心」の文字が浮かび上がる天然石があります。
岐阜県飛騨高山で発見された正真正銘の自然の石で、加工されたものではありません。初めて見た時は、世の中には不思議なことがあるものだと思いました。

この神秘的な心石が本校に寄贈されてきたのは、今から30年くらい前のことです。
創立者「心を磨き、心を大切にしてほしい」という願いを込めて、生徒の皆さんが1日のはじまりに目にするようにと、生徒昇降口玄関ホールに設置しました。

ちょうど同じ頃、「心」の文字が彫られた、来待石の灯籠も寄贈されてきました。来待石は松江市宍道町来待地区で産出される凝灰質砂岩(ぎょうかいしつさがん)のことです。

「心」の文字が彫られた来待石の灯籠

この来待石は1400万年前に形成された凝灰質砂岩であり、来待地区一帯は世界でもまれな埋蔵地帯となってます。
特に江戸時代、松江藩主は御止石(おとめいし)として藩外に持ち出しを禁じたほど重要視致しました。

川賀石材店ホームページより

この貴重な来待石の灯籠は、新校舎建設のお祝いとして、「心」の文字を灯籠に彫って寄贈してくださいました。

心の文字が浮かび上がる神秘的な天然石心が刻まれた貴重な来待石灯籠。
同じタイミングで学校に集まってくる「心」という文字。
それはとても不思議な出来事だったので、よく覚えています。


2)一切は心より転ず


古い仏典の中に、次のような言葉があります。

「一切従心転(一切は心より転ず)」

大乗経典「華厳経」

物事の全ては心の奥から生じ、あらゆる境地は心のあり方次第で、切り拓いていくことができる」という極意を説いた言葉です。
「心を磨く」「心を込める」「心を開く」「心は軽く」「心に寄り添う」「心を通わせる」「心は高く」など、目には見えませんが、誰もが心の大切さを知っていて、心のあり方を良くしようと努めていると思います。

近年、心理学の研究が進み、様々な心の動きは身体にも大きく影響を及ぼすことが分かっています。
「心が潤うと体内に活力が漲り、心が沈むと身体に変調をきたす」

昔から「心身一如(しんしんいちにょ)」とも言われてきたように、精神肉体は、切っても切れない不即不離の関係なのです。

多くの学校の校歌の中や学校目標に「心を磨き、身を鍛え」というフレーズが見られますが、心と体の両方をバランス良く向上させることは、人の成長において必要不可欠なことなのでしょう。


3)心の文字は心臓の形


また「心」という文字は心臓の形から由来していると言われています。

心の文字は心臓の形に由来

休むことなく動き続ける心臓は命と直結し、私たちの生命活動を支えています。
ちなみに心臓は、生涯で20億回脈打つといわれていて、心臓がポンプように動いて血液を身体中に巡らせているから脳や内臓が活動できています。
組織においても最も重要な部署を「心臓部」と表現するように、心臓は誰もが認める身体の最重要臓器です。

心の文字が心臓の形に由来しているのであれば、「生きる」ということは、「心臓が動いている時間」=「心を磨き大切にしいく時間」と考えることができると思います。


まとめ


本校の創立者が「心」の教育を大切にしてきたように、建学の精神には
「心の奥の想いの世界が最も重要であることに目覚め、永遠に輝きを放つまで心を磨き上げていくべきである」という願いが込められています。

若い人たちが希望の未来に向かって心を高めて成長していくことを願って、今日も玄関ホールにある「心の石」を見つめて、精一杯自分のできることに取り組んでいきたいと思います。


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