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オートセクシャル/オートロマンティックってなんですか? (自分と恋愛できる性のあるある)

まえおき

セクシャリティとかセクシュアリティとか〇〇セクシャルとかジェンダーとか、「そういう多様性みたいな言葉が大嫌いなんです!」という意見を性的マイノリティ当事者からも、よく目にするようになった最近ですが、今日も今日とてセクシャリティを語ります。

今回のテーマは、オートセクシャルとオートロマンティックです。

オートセクシャル と
オートロマンティックって?

オートセクシャル(オートセクシュアル)とは、自分自身が性的対象である人のことです。また、自分自身が恋愛対象の場合は、オートロマンティックと呼ばれます。
ネット上では、ジョブレインボーのセクシャリティ診断や用語解説には反映されてないものの現時点で日本語で解説されている真面目な記事がいくつかあるので、簡潔な説明にしました。

より詳しくは、

↑↑ 2つともすごい情報が選び出されてる記事なんですが、特に2つ目のサイトは日本語ではほとんどここでしか解説されてない用語が豊富で必見かもしれません。これは翻訳家がすごいですね。例えば、サピオセクシュアルの解説記事での「例えばゲイの人はトランスジェンダーを差別してきた歴史があるし、レズビアンの人の中にはバイセクシュアルへの偏見が根強いという事実もある。トランスジェンダーの人がノンバイナリーを否定したりもしたことだってある。また、アセクシュアルだからといってセックスワーカーへの差別は許されない。」は、名言すぎるかと。

脱線しましたが、オートセクシュアル/オートロマンティックの情報はなかなかまとめられています。

とはいえ、セクシャリティは当事者たちの暗黙知が多いのも事実です。学問も大切だけど、リアルな意見も知りたいのが人間ですよね? そこで、ここでは、オートセクシャルとオートロマンティックの「あるある」を当事者たちから独自に集めてきたので、紹介したいと思います。



オートセクシュアルあるある

⚠️あくまで 当事者たちの一意見を集めたものなので、オートセクシャルなら必ず当てはまるというものではありません!🚨 役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれないという気持ちで、ご理解してください。

・銭湯に行きづらい。

オートセクシャルって、自分の身体とか裸が好きなので、恥ずかしくなったり、興奮しちゃったりするんですよね。銭湯って、明るいし、鏡がめちゃくちゃ大きいし、身体洗うとか服脱ぐとかを自分の身体を見ずにするとか無理だし、いろいろとハードルがあります。女性もつらいけど、男性はさらに誤魔化せないので、大変かもしれません。

・自分を変態だと思い込む。

オートセクシャルという言葉の知名度も低いのもそうですが、自分の身体に興奮するって発想や概念は当事者にもないことが多いので、何に興奮してるのか分からない期間が人生で長いです。結果に、「変態」とか「性欲がつよい」という言葉に収まることもあります。
また、パートナーと性交渉をするときに、鏡が好きや、明るい部屋が好き、撮影や画像が好き、セルフ○○系が好きなど、そうしたフェチが一般的だと思っていると、相手に引かれてしまうこともしばしばです。(※ オートセクシャル以外に、別のセクシャリティを持っていて、パートナーとの恋愛ができる場合はよくあります。)
とはいえ、「変態では全くないと言い切れるのか?」と言われると、それは個々人の判断や感覚も大きいですね。

・幼少期に鏡とキスしてる。

個人差はありますが、人によっては経験があると思います。思い返せば、第二次性徴期に最初に好きになったのは自分自身という人も多いのかもしれません。

・一卵性の双子だったらよかったのにという憧れと、一卵性の双子だったら大変なことになっていたのではないかという恐怖。

鏡とキスをしたことがあるということは、「もし
自分が双子だったら……?」と妄想することもあります。実際に一卵性双生児でオートセクシャルの方もいるはずなので、いつか本当のところを聞いてみたいものですね。

・「自慰が好き」という調査もあるようだが、
それは人による。

というか、オートセクシャルではない人で自慰が好きな人はたくさんいると思うのですが、どうなんでしょうか? もとの調査データも、原文と日本語への翻訳時のニュアンスも調べてはいないので、なんとも言えないですね。
それに、オートロマンティックで、Aセクシャル系のセクシャリティを持たれてる方もいらっしゃいますよ。さらに言えば、Aセクシャル系のセクシャリティも「他者に性的指向を向けない・向けたくない」ということなので、自慰の有無は関係ないです。
「〇〇セクシャル」という名称のセクシャリティのほとんどは実際に性的な行為があったかどうか?は問われていないので、そういう意味でも誤解はあたえやすい調査かもしれませんね。

・オシャレの概念が独自の感覚になりやすい。 ズボラになりやすいこともある。

服装選びやオシャレ全般をするときに、鏡で見て「自分を抱きたいと思うか?」「自分がエロいかどうか?」という基準が入りやすいかもしれません。
また、「寝癖は寝癖でかわいい」とか、「部屋着は部屋着でエロい」とかそんなことを考えているうちに自分に甘くなる場合もあります。
こんなことを書いているとナルシストと誤解されやすいですが、ナルシシズムは心理学用語でもありますし、「自己中心的な人」という意味でも使われるので、ナルシストという概念が非常に意味が広く曖昧であることを念頭に置くといいと思います。


オートロマンティックあるある

⚠️あくまで 当事者たちの一意見を集めたものなので、オートロマンティックなら必ず当てはまるというものではありません!🚨 役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれないという気持ちで、ご理解してください。

・自分の人格や心のかたちが認識できる。

あるあるというよりもオートロマンティックの前提条件になっているような部分の話です。自分自身と精神と自分で恋愛しようと思うと、自分の人格や心かたちというのが認識できる必要があるのかもしれません。このように書くと、珍しいもののように感じるかもしれませんが、自分の人格を認識できる人というのは、けっこうよくある話だと考えています。

例えば、トランスジェンダーの方の中でも性別適合を望まれる方は、出生時の身体性別と心の性別との間に強烈な嫌悪感を感じています。一方で、性別適合までは必要ないと思っている広義のトランスジェンダーの方もいるし、心の性別という概念自体がわからない人もいますよね。 ポイントはここです。もし、この差がその個人が「自分の人格を認識できるか?」と仮定した場合、なかなか納得感がありませんか?

ほかの例でいえば、DID(解離性同一性障害 ※古い言葉でいう多重人格)の方や、イマジナリーフレンドを持つ方は、その原因として幼少期に辛い環境があり、脳が自分を守るための現実逃避として、別の新しい人格やイマジナリーフレンドを生み出すと言われています。しかし、幼少期に辛い環境があった全ての人がDIDやイマジナリーフレンドを持つ人になるわけではないのです。自分の人格という概念がよく分からないアダルトチルドレンの方も多くいるはずです。
つまり、この差もまた「自分の人格を認識できるか?」であり、生まれ持って「自分の人格を認識できる人」というのが世間には多くいるのではないでしょうか?

オートロマンティックの方は、まず自分の人格や心のかたちというものに明確なイメージがあり、認識することができて、その上で自分自身の精神と恋愛ができるというのが言語化として分かりやすいのかもしれません。

・自分に甘くなりやすい。

オートセクシャルの「自分のオシャレにズボラになりやすい」のオートロマンティック版のあるあると言えそうですね。「なにかを頑張っている自分が好き!」というのは、一般的な感覚だと思うのですが、オートセクシャルやオートロマンティックの場合は、無条件で好きというのもよくあることなので、ついつい甘くなってしまうかもしれません。

・自分以上に好きな人が見つからない。
恋愛相手を自分と比べてしまう。

オートロマンティック以外に、別のセクシャリティを持っていて、パートナーとの恋愛ができる場合もよくあることです。 しかし、恋愛の最大のライバルが自分自身ということも考えられます。オートロマンティックの一部の方は、自分の精神面だけでなく、他者の心の機微も汲みとることに長けた人がいるようなので、つい理想が高くなってしまうこともあるあるなのかもしれません。

まとめ

今回は、ネットにあまり情報のないオートセクシャルとオートロマンティックについて、当事者から情報を集めて書いてみました。

感覚的には、サピオセクシュアルのように知名度が増えれば、一気に人口の増えそうなセクシャリティだと思っています。 配信者やコスプレイヤーの界隈など、一定数いそうだな〜と予想しているので、知名度が上がるといいなと思っています。

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