日本酒の世界(5)「微生物との関係」
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日本酒の世界(5)「微生物との関係」

食彩アドコム @ 食こそ温故知新

こんばんは、食彩アドコムです。

3月11日、フジテレビでキャリアを輝かせる女性たちに密着する「7RULES(セブンルール)」という番組があり、岡山県で200年以上の歴史を持つ老舗酒蔵の女性杜氏(辻麻衣子さん)が自身に課した7つのルールを紹介していました。

江戸時代から女人禁制と言われてきたというお酒造りの世界ですが、2007年には女性杜氏として活躍されていたんですね。素晴らしい!

その中で、わたしが関心を持ったのは、「好物の納豆が食べられない期間が4ヶ月以上ある」ということ。

「納豆菌がお酒造りには良くない」、言われてみれば当たり前のこと。

納豆菌は繁殖力が強いため、麹菌に悪影響を及ぼす。蔵の外で食べてきただけでも服や身体についてきて混ざってしまう恐れがあり、ネバネバの麹が出来てしまうため仕込み期間の約半年間は納豆に触れる事すら許されない、といいます。

そこで、日本酒と微生物の関係をおさらいしてみました。


お酒と微生物の関係

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お酒は発酵により造られることは知られていますが、この発酵を促す微生物は「酵母(俗称:酵母菌)」

この「酵母」って、植物や野菜や果物の表面、空気中、自然界のあらゆるものに生息しているんです。

この酵母が、糖分を「アルコール」と「炭酸ガス」に分解してくれるのです。それを「アルコール発酵」「醸造」といいます。

この醸造により、ビールやワインや日本酒など「醸造酒」が出来るんですね。

また、この醸造酒をさらに蒸留したもの(醸造酒から純度の高いアルコールを集めたもの)が、ウイスキーやブランデーや焼酎などの「蒸留酒」となります。


酵母は

お米

自然界のあらゆるものに生息しているという酵母は、当然多くの種類があります。

パンにはイースト菌や天然酵母、ビールにはビール酵母、ワインにはワイン酵母、など。

日本酒には、日本醸造協会の培養による「協会酵母」が主に使われていますが、先日紹介した瀬戸酒造店さんのように蔵つき酵母、あじさい花酵母、等や各県機関が開発した酵母等、数十種類も存在するといいます。


アルコール発酵には2種類ある

瀬戸酒造

アルコール発酵には「単発酵」と「複発酵」と2種類あります。

単発酵とは、ワインなどの場合で、糖を含むブドウを原料とするため、酵母を加えるだけでアルコール発酵します。

一方、複発酵とは、酒の主原料となる米などの主成分がデンプン質であるため、そのままではアルコール発酵しません。

デンプン質を糖分に分解するために糖化酵素の働きが必要なのです。


そこで、必要になるのが「麹菌」

日本酒は、米のデンプン質を「麹菌」により糖化させて糖分に分解、それを「酵母菌」でアルコール発酵する、と微生物の働きによる発酵の力でできるのです。


麹菌は

麹菌は、デンプン質やタンパク質を分解して糖化します。主として「黄麹菌」「黒麹菌」「白麹菌」があります。

日本酒にはデンプン質をブドウ糖に分解する糖化力の強い「黄麹菌」が使用されます。また、タンパク質をアミノ酸に分解する力が強い「黄麹菌」は日本酒や味噌や醤油に使用されます。「黄麹菌」は、クエン酸をほとんど出さないのが特徴。

因みに、黒麹菌の特徴は、デンプン質の分解が弱く雑菌の繁殖を防ぐクエン酸を多く生成するため、高温多湿な地方での泡盛造りなどに、白麹菌も黒麹同様にクエン酸を多く生成、焼酎造りに使用されます。

しかし、従来の日本酒造りには黄麹と言われていたものが、今ではその垣根を越えて、黒麹や白麹の特徴を活かして日本酒の新たな価値観を生み出しているといいます。


最後に

目に見えない微生物って、当然ながら自然界に数えきれないほどの種類が存在します。

日本酒造りには、その中から特徴ある微生物を見つけ出して多種と喧嘩しないように、上手に働いてもらわなければいけません。

納豆が好きで、ほんの少しでも身体の一部についてしまって蔵に入るとそれだけで味は変わってしまうというほど。

目に見えないからこそ気を遣いますね。

日本酒の繊細な味は、工程のみならずこういった努力があってこそ出来ているということを改めて思いました。

(参考文献:FBOアカデミー酒仙人直伝よくわかる日本酒より。画像提供:瀬戸酒造店、他)


過去の日本酒の世界はマガジンに収めていますので、よろしければご覧ください。



最後までお読みいただきありがとうございました。



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