精進料理レシピ

北鎌倉にあるたからの庭で、毎月第二水曜に開催されている懐石料理人・入江亮子先生の料… もっとみる

精進料理レシピ

北鎌倉にあるたからの庭で、毎月第二水曜に開催されている懐石料理人・入江亮子先生の料理教室『旬を楽しむ精進料理』。 禅寺の敷地内にある立地から、精進料理に特化した5品を教えている。 このレシピ集は、過去のメニューデータからの抜粋。

最近の記事

「文月の精進料理」 2023年7月

槿やカンゾウ、藪茗荷が、こんにちは!と元気に迎えてくれる文月のたからの庭。年々異常気象は過酷さを増し、本当に蒸し暑い毎日で、たからの庭までの坂道で滝のような汗をかいていらっしゃる生徒さんも大変です。 食欲不振になりがちの毎日ですが、お寿司や野菜たっぷりの料理で、栄養補給していただけるような献立にしました。 ご飯は、新潟の郷土料理「笹寿司」にしました。笹には抗菌効果もあるので、この時期ありがたく、包まず笹に載せて重ねていくだけというのもひと手間助かります。 汁も新潟の郷土

    • 「水無月の精進料理」 2023年6月

      梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いていますね。 食欲も落ちるこの時期、青梅や新生姜、赤茄子、大葉など、図らずも酸や清涼感でさっぱりといただける食材が登場してきます。しみじみ旬というのはよくできているなぁと思う次第。 ということで、ご飯はさっぱりと新生姜と梅干を炊き込んだものにしました。新生姜は最初から入れずに炊きあがる直前に入れてください。 御汁は酸が利いた赤味噌を使い、旬の順才とオクラでぬめぬめたっぷりの食物繊維を取っていただきました。 メインは滝川豆腐。いかにも涼し

      • 「皐月の精進料理」 2023年5月

        5月といえば、夏も近づく八十八夜…今年は5月2日でしたが、いよいよ田植えなどが始まります。そもそも皐月は、早苗月から皐月になったといわれていますよね。年々異常気象で心配ですが、無事に育ちますようにと祈っております。 たからの庭では、緑が一杯!シャガも今ごろ満開なのですが、今年はだいぶ開花が早くてもう名残でした。 食材では、山菜も終盤。夏前のさわやかな新緑を意識した献立にしてみました。まずこの時期は外でのお食事が気持ちよくて…。森林浴で料理もおいしく感じます。 ご飯は、ポ

        • 「卯月の精進料理」 2023年4月

          満開のシャガや諸葛菜に迎えられながら、春爛漫のたからの庭で今月も楽しくおいしく開催できました。蚊もまだいない貴重な時期ですので、毎年この時期は外でお食事をいただくのが定例となっています。うららかな景色のおかげで、おいしさも倍増という感じです。 今月は、島根出張の翌日が精進料理教室でしたので、買ってきたばかりの隠岐若布を炙って混ぜ込んだ海の香りいっぱいのごはんや、ミキサーがあればあっという間に作れる筍のすり流し、新じゃがにたからの庭で自生している山椒の木の芽をいっぱい刻んで入

        「文月の精進料理」 2023年7月

          「弥生の精進料理」 2023年3月

          急に春がやってきた感がある今日この頃。たからの庭の紅梅白梅も満開で、湾曲した石の階段を登りきると、それはもう良い香りがいっぱいで、思わず深呼吸してしまいました。 今月は、春の日本料理によく登場する手綱寿司を中心に献立を組みました。精進では卵焼きやお魚は出せませんので、卵焼きのところは湯葉で、サーモンや海老を使うところは金時人参で…など工夫して作りました。ちょっとそれだけでは足らないかなと思いましたので、朧昆布や菜花の手毬寿司も添えました。 お寿司造りが大変だったので、汁は

          「弥生の精進料理」 2023年3月

          「如月の精進料理」 2023年2月

          節分は、立春だけでなく、立冬、立秋、立夏と各季節の前日のことをいったのですが、新年(春)を迎える、季節の大晦日である2月の節分だけが残りました。 豆まきは、なかなか都会ではやりにくいでしょうが、年の数だけ食べたりはしますよね。今月は、大豆の甘さが際立つ「豆ごはん」、節分に年越し蕎麦のようにいただく「穂長汁」、寒さでおいしくなった人参で作る「人参豆腐」、今年のカリキュラムで力を入れている乾物を使った料理の一つ「芋がらのお揚げ煮」、サラダ代わりの「金柑と春菊、マッシュルーム和え

          「如月の精進料理」 2023年2月

          「睦月の精進料理」 2023年1月

          今年もスタートしました、旬を楽しむ精進料理。 1月は和風月名では“睦月”といいますが、遠く離れた家族が睦まじく集う月。また、これから1年友人、知人、会社の同僚とも、睦まじく過ごせるようにと祈る月。そんな思いを献立に託してみました。根菜類も一番おいしい季節ですのでたっぷり使っています。 1.百合根ごはん、2.牛蒡のすり流し、3.蕪の印籠煮、4.押大豆と春菊・赤蕪天ぷら、5.里芋の梅サラダ 1.百合根ごはん 材料:米600CC、昆布出汁690CC、酒大1,淡口大1,塩小1/

          「睦月の精進料理」 2023年1月

          「文月の精進料理」 2017年7月

          梅雨も明けきらぬうちから毎日うだる暑さで、7月ってこんなに暑かったかなーとアスファルトの照り返しに、室外機の熱風に、ばて気味で浄智寺の脇道を汗だくだくで上がって、やっとたからの庭に到着すれば、木陰は涼しく、よい風が吹く昭和な夏が待っていて、ほっといたします。どれだけ木々や土が、暑さから守ってくれていたのかとしみじみですね。 さて、夏のスタミナ食といえば鰻の蒲焼きですが、精進料理でも蒲焼き、ちゃんとございます。もちろん鰻ではなくて、豆腐をベースにしたものですが、本物と見まごう

          「文月の精進料理」 2017年7月

          「水無月の精進料理」 2016年6月

          関東も梅雨入りしまして、いよいよ1年で一番うっとうしい季節となりました。蒸し暑さに体も慣れておらず、湿度が高いので汗が蒸発しないので体温調整もままならずで体調を崩すことも多いですよね。そんなけだるい毎日は、見頃の紫陽花で元気をつけてください。たからの庭ではほかにも、雪の下やどくだみたちが可憐な花をつけていて、木々も緑一色!まさに萌えています。 さて、不調なときは内蔵に負担をかけない精進料理が一番です。旬をいただくということはそれだけ自然なことですし、野菜中心ですから食物繊維も

          「水無月の精進料理」 2016年6月

          「皐月の精進料理」 2017年5月

          風薫る5月、夏も近づく八十八夜の新茶は召し上がりましたか。ちょうど八十八夜の時期に田植えが始まりますが、旧暦の「皐月(さつき)」の「さ」は田んぼの神様のこと。田植えの初日を「さおり」、終了の祝い日を「さなぶり(さのぼり)」といいますが、これは神様が降りてきた日と上っていく日を表しています。こどもの日のお節句も日本ではもともと田の神様「さ」をお迎えするものだったのですが、中国の端午の節句と交わっていって現在のような形へと変化していったようです。これからも無事においしいお米が食べ

          「皐月の精進料理」 2017年5月

          「卯月の精進料理」 2017年4月

          毎年この時期の風物詩といえば、お花見ですよね。神奈川では早々に寒緋桜が咲き始め、そのあとソメイヨシノや八重桜などが私たちを楽しませてくれます。一方でオオイヌノフグリやカラスノエンドウ、カタバミ、ハナニラなど、たくましくも可憐に咲く雑草たちもそこここに現れます。たからの庭にはみちくさ部という部活がありまして、若き樹木医の佐々木さんとともに、雑草とひとくくりにされてしまう見落とされがちな小さき草花を散歩しつつ愛でるというすてきなサークルがあるのですが、そんなみちくさ部の活動で思い

          「卯月の精進料理」 2017年4月

          「弥生の精進料理」 2017年3月

          すっかり春めいて来ましたね。たからの庭では紅梅白梅のなんとも芳しい香りで3月は始まります。そして寒い間殺風景だった景色も、あちこちの木々に小さな若葉の芽吹きが見られ、かわいいことといったらありません。さらに奥には真っ赤な椿たちが燃えるように咲いていて、しばし見とれてしまいます。草木が芽吹くまさに"弥生"を実感するひとときです。 そんな芽吹きはお野菜たちにもありまして、八百屋さんを覗けばなにかと"新"のついたお野菜を見つけることでしょう。今月はそんな新しい芽吹きをいっぱい使っ

          「弥生の精進料理」 2017年3月

          「如月の精進料理」 2017年2月

          2月の行事といえば、節分と初午。節分は本来各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことですが、いつしか立春の前の日だけ行事が残りました。豆まきをされた方も多かったかと思います。初午は関東ではあまりなじみがないかもしれません。伏見稲荷神社の御祭神である宇迦御霊神が稲荷山に降り立った日が初午だったことから、各地の稲荷神社で初午祭りが行われるようになりました。鎌倉にも佐助稲荷神社で初午大祭がありますね。初午詣でをすると農家は五穀豊穣、商家は商売繁盛のご利益があるといわれ

          「如月の精進料理」 2017年2月

          睦月の精進料理 2017年1月

          皆様、明けましておめでとうございます。お正月はいかがお過ごしでしたか。海外旅行や温泉などでゆっくりされた方、久しぶりでご家族勢揃いでおせちに舌鼓を打った方、お仕事だった方、いろいろかと思いますが、あの凜とした、なにもかもが新しく、すがすがしい空気感は年明けならではですね。 啄木の「なんとなく今年はよい事あるごとし元日の朝晴れて風無し」の句をお正月になるといつも思い出し、100年以上も前の人も同じ心持ちだったかと思うと、正月に晴れがましい気持ちになるのは日本人のDNAというしか

          睦月の精進料理 2017年1月

          「師走の精進料理」 2016年12月

          毎年毎年、どうして師走になると日本人は焦り出すのでしょうか。新年を迎えるということにここまで執着のある国民もなかなかいませんよね。まさに師も走る12月。煤払いからお正月の準備に入りましたが、大掃除とまではいかないまでも部屋を清めて気持ちよく年神様を迎えたいものです。 さて、今月はお茶のお稽古納めでよく出される「うずみ豆腐」や、この時期大活躍の柚子を使った料理などをやりました。柚子というと、吸い口や薬味にちょっと刻んで・・・という使い方が主かもしれませんが、日本料理では特に最盛

          「師走の精進料理」 2016年12月

          「霜月の精進料理」 2016年11月

          11月を霜月といいますが、たからの庭に準備のため朝早く訪れると、きらきらとした見事な"霜"に出会えます。皆様が来る頃にはぬかるみに変わってしまうので、本当に役得というか、幸せな朝のひとときです。11月はほかにも「食物月(おしものづき)」ともいいますね。収穫を祝う行事が多いのでその名がついたそうですが、茸やお芋、かぼちゃ、蕪といった秋から冬にかけての食材が美味しくなって来ましたね。今月は晩秋をテーマに献立を組んでみました。どうぞご参考になさってください。 1.銀杏ご飯 2.蕎

          「霜月の精進料理」 2016年11月