「水無月の精進料理」 2023年6月
梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いていますね。
食欲も落ちるこの時期、青梅や新生姜、赤茄子、大葉など、図らずも酸や清涼感でさっぱりといただける食材が登場してきます。しみじみ旬というのはよくできているなぁと思う次第。
ということで、ご飯はさっぱりと新生姜と梅干を炊き込んだものにしました。新生姜は最初から入れずに炊きあがる直前に入れてください。
御汁は酸が利いた赤味噌を使い、旬の順才とオクラでぬめぬめたっぷりの食物繊維を取っていただきました。
メインは滝川豆腐。いかにも涼し気なお料理です。今回は心太突きで押し出して、川のように盛り付けましたが、包丁で切ってもOKです。
揚げ物は、ここ数年でよく流通するようになった生ヤングコーンを使いました。ひげ根もかき揚げにして、無駄なくいただきました。自然の甘さがおいしいですよね。
今年は、乾物を多く使おう!ということをテーマにしていますして、今月は山くらげを炒め煮にしました。具沢山にして野菜から出る汁を出汁として使用します。少し甘みを利かせますと、お弁当などにもいいですね。コリコリと歯ごたえも楽しく、なかなか深い味わいです。
1.梅生姜ごはん、2.順才とおくらの赤出汁 3.滝川豆腐、4. 生ヤングコーン揚げ 獅子唐、天豆麩添え、5.山クラゲ煮
1.梅生姜ごはん
材料:米700CC、新生姜150g、梅干し3つ
昆布出汁800CC、酒大2、淡口各大1・1/2、塩小1/3(梅の塩分でなくてもよい)
1)米は洗ってざるにあげ、15分以上置いておく。
2)新生姜は洗って皮つきのまま、千切りしておく。
3)1)を昆布出汁と調味料を入れ浸水して20分は置いて、種を取って千切った梅干しを入れて炊きはじめ、終わり3分で新生姜を加えて炊き上げる。
4)10分蒸らし、天地返しをして盛り付ける。
2.順才とおくらの赤出汁
材料:順才2袋、オクラ2~3本、粉山椒適宜
昆布出汁1200CC、赤味噌80~90g
1) 順才は霜降っておく。
2) オクラは塩刷りして茹でて水にとり、しっかり冷えたら小口切りにしておく。
3) 出汁が温まったら味噌を溶き、こ煮立ちさせる。
4) 椀に順才とオクラをおき、3)を注ぎ、好みで粉山椒を振る。
3.滝川豆腐
材料:絹ごし豆腐1丁、水300CC、粉寒天4g、塩少々、大葉各1枚、紫芽・本山葵適宜
かけ地:出汁160CC、淡口・みりん各20CC
1) 鍋に水と寒天を入れよく溶かし、混ぜながら火にかけて沸騰後火を弱めて3-4分は煮、塩少々を加えて火を止める。
2)豆腐を裏ごししし、1に少しづつ加えて粗熱を取ってから、流し缶に入れて、冷やし固める。
3)かけ地は鍋に材料を入れてひと煮立ちさせ、冷ましておく。
4)器に大葉を敷き、3)を8等分にカットして、ところてん突きでつく。
5)紫芽を散らし、わさびをおき、かけ地を周りから張る。
4. 生ヤングコーン揚げ 獅子唐、天豆麩添え
材料:生ヤングコーン各2本、しし唐各1本、天豆麩各1切、米油適宜、塩少々、スダチ各1/4個
衣:小麦粉・炭酸水適宜
1) ヤングコーンはひげ根を残し、粉を打った後、炭酸水と小麦粉で作った衣を通し、揚げる。
2) ひげ根は3cmくらいに切って、1)の衣を使ってかき揚げにする。
3) 獅子唐は軸を5㎜のこし、穴をあけて素揚げする。
4) 天豆麩は粉を打って揚げる。
5) すべて熱いうちに塩を振って盛り付ける。
5.山クラゲ煮
材料:山くらげ100g、蒟蒻1/3枚、占地1パック、干し椎茸2枚、人参50g、ごま油適宜、酢大2
煮汁:昆布出汁+干し椎茸戻し汁200CC、砂糖大5、淡口・みりん各大3、塩小1/3、
1)山くらげは1時間以上水に漬けて戻して3cmに切っておく。
2)蒟蒻は短冊に切ってゆでておく。
3)占地は石付を取って1本ずつほぐしておく。長いものは1/2に切っておく。
4)干し椎茸は前日から水で戻しておき、3cmの長さのスライスにしておく。
5)人参は3cmの長さに千切りしておく。
6)鍋に油を敷き、火をつけて山クラゲと人参、蒟蒻をいため、油が回ったらほかの材料を加え出汁を入れ、砂糖を加えてから3分置いて、ほかの調味料を加え、5分煮る。
7)最後に酢を回しかけ火を止める。
6月のデザート
創作和菓子・空羽kuu 「びわの実」
レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 6月の献立より)