「 水無月の精進料理」 2024年6月
蒸し暑く、雨が続くうっとうしい季節がやってきましたが、鎌倉は紫陽花が見頃となっており、雨露に打たれた紫陽花のなんとも美しいことといったらありません。また青梅や順才といった個性派の食材も、短い旬を迎えます。
今月は、とにかく“サッパリ”をテーマに、清涼感ある大葉や茗荷、優しい酸味のトマトやキウイといった食材をふんだんに使って、献立を作りました。まず、主食は夏野菜をたーくさん使ったラタトイユをかけた蕎麦に。蕎麦も、海藻の練りこまれたへぎ蕎麦を長岡から取り寄せてつるっと感アップしてみました。
主菜は、揚げ物。大和芋をすりおろし、枝豆を鋳込んで海苔で巻いてあげた磯辺揚げに。トマトのフライも彩りにそえました。トマトは種部分に水分が多いので、揚げるときはしっかりとりましょう。取った種はラタトイユに回すので無駄にはなりません。
副菜1は、胡瓜とセロリでピリカラ和えに。セロリは和名を阿蘭陀三つ葉っていうのですが、ほんといい得て妙ですね。
副菜2は、キウイと丘鹿尾菜の白和えにしました。いろいろな白和えをいままで教えてきましたが、絹ごしで作る白和えが一番舌触りが良くておいしいのではないかと思います。ちなみにキウイは中国が原産なので、志那猿梨という和名が付いています。
1. 和風ラタトイユのぶっかけ蕎麦、2. 山芋と枝豆の磯辺揚げとトマトフライ、3. 胡瓜と阿蘭陀三葉のピリカラ和え、4. 支那猿梨と丘鹿尾菜の白和え
1.和風ラタトイユのぶっかけ蕎麦
材料:へぎ蕎麦各60g
茄子4本、ズッキーニ1/2本、プチトマト各2個、パプリカ1/4個、茗荷4個、大葉10枚
煮汁:出汁800CC,みりん100CC、淡口80CC、醤油40CC、塩少々、米油適宜
1)茄子とズッキーニは1cm弱の厚さの色紙切、パプリカも1cm四方の色紙切、プチトマトは1/2~1/4の櫛切に、茗荷は小口に切っておく。
2)フライパンに茗荷以外の野菜を入れて、油でさっと炒め、油が回ったら出汁を入れて調味し、4,5分煮て、最後に茗荷と、フライに使用する残ったトマトの種を加えてひと煮たちさせて火を止め、冷やす。
3)たっぷりの湯で、そばを表示どおりに茹で、冷水でぬめりをとってしっかり水を切って皿に盛り付け、2)を載せて、千切りして水に放ちアクを抜いた大葉を天盛する。
2.山芋と枝豆の磯辺揚げとトマトフライ
材料:山芋(大和芋、つくね芋など)350g、枝豆100g、海苔2枚、塩小1/2弱、
トマト(中)各1/4個、パン粉適宜、おろし生姜、揚げ油適宜
バッター液:小麦粉50CC,水大2程度、塩少々
1)山芋(今回は大和芋)は皮をむき、すりおろす。
2)枝豆は固めに塩ゆでして、さやから取り出しておく。
3)1に2を加え、塩をし、8等分した海苔に大さじ1程度おいてくるっと巻いて、170度で2,3分揚げる。
4)トマトは皮を湯むきし、1/4に櫛切りし種をとり、バッター液にくぐらせてからパン粉をつけてあげる。取った種はラタトイユに回す。
5)器に盛り付け、おろし生姜を添えて食べる。
3.胡瓜と阿蘭陀三葉(セロリ)のピリカラ和え
材料:胡瓜2本、セロリ1/3本
ドレッシング:米油大3、ラー油小1/2、米酢大1、塩小1/3、醤油・砂糖少々
1)胡瓜は斜め切してから千切りし、セロリは筋を取って薄うちし、1%程度軽く塩をしておく(分量外)。
2)ボールにドレッシングの材料を入れて攪拌し、1)の水分を軽く絞ってから混ぜて、盛り付ける。
4.支那猿梨(キウイ)と丘鹿尾菜(おかひじき)の白和え
材料:キウイ(小)2個、丘鹿尾菜1/2パック、クリームチーズ50g、いりごま適宜
衣:絹ごし豆腐2/3丁、練り胡麻小1、砂糖・塩少々(味調整用)
1)豆腐は軽く水を切って、練り胡麻とともにフープロでムース状にして、調味しておく。
2)おかひじきはさっと塩ゆでし、3cm程度に切っておく。
3)キウイは皮をむき、1cm弱の厚みの銀杏切りにしておく。
4)チーズは5㎜厚さの1㎝四方に切っておく。
5)1)に2)~4)を混ぜて、盛り付け、天にいりごまをふる。
6月のデザート
創作和菓子・空羽kuu 「鮎やな」
レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 6月の献立より)
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