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「皐月の精進料理」 2023年5月
5月といえば、夏も近づく八十八夜…今年は5月2日でしたが、いよいよ田植えなどが始まります。そもそも皐月は、早苗月から皐月になったといわれていますよね。年々異常気象で心配ですが、無事に育ちますようにと祈っております。
たからの庭では、緑が一杯!シャガも今ごろ満開なのですが、今年はだいぶ開花が早くてもう名残でした。
食材では、山菜も終盤。夏前のさわやかな新緑を意識した献立にしてみました。まずこの時期は外でのお食事が気持ちよくて…。森林浴で料理もおいしく感じます。
ご飯は、ポリフェノールたっぷりの紫芋ふくむらさきと、黒米の紅こまちを炊き込みました。ふくむらさきは新しい品種で、甘みがしっかりある紫芋です。味付けはお塩だけのほうが甘みが引き立ちます。
汁は山菜や新ものの春野菜を一杯入れた沢煮椀です。沢煮というと初秋のイメージがありますが、季節ごとの食材を使ってぜひ作ってください。
葛を練った豆腐は、ごま豆腐をはじめ、さまざまにありますが、今回は蓬の粉を使って、草の風味を出したこの時期ならではの豆腐にしました。絶対にだまができない方法、もちっとした食感を作る方法、しっかり伝授しました。
焼き物は、精進の茶懐石で定番の湯葉のたれ焼きでしたが、手軽にできるよう干し湯葉を戻して使いました。先月同様、たからの庭に自生している山椒を数枚いただいてたたき木の芽にさせていただきました。
山菜あいこを使ったお浸しも作りました。あいこは別名「深山いらくさ」。“いら”というのは、とげのことで、自生しているものを採取するときはこのとげに注意してくださいね。
1.ふくむらさきと紅こまちご飯、2.晩春の沢煮椀、3.蓬豆腐の辛子酢味噌かけ 絹さや添え、4.湯葉の山椒焼き、5.あいこの胡麻浸し
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1.ふくむらさきと紅こまちご飯
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材料:米700CC、黒米30g、ふくむらさき1本、水840CC、塩小1弱
1)黒米は、洗って水に漬けておく。
2)米は洗ってざるにあげ、15分以上置いておく。
3)ふくむらさきは1.5㎝四方に切って、すぐに鍋に入れなければ水に放っておく。
4)1)2)を20分浸水して、火にかける時に3)を加え炊き、炊き終わったら10分置いて、天地返しをし、盛り付ける。
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2.晩春の沢煮椀
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材料:筍70g(1/4本)、油揚げ1枚、人参50g、うるい2本、蕗1/2本、干し椎茸1枚
昆布出汁1000CC、淡口大1、塩小1/2、片栗粉大1(同量の水で割る)、胡椒適宜
1)蕗は塩づりし、ゆでて水にさらし、皮をむいて3cmの千切りにしておく。
2)筍は穂先は櫛切り、そのほかは3cmの長さの千切りにしてからさっと霜降っておく。
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3)うるいはさっとゆでて水にとり、3cmの千切りにする。
4)そのほかの材料もすべて3cmの千切りにしておく。
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5)昆布出汁と椎茸の戻し汁に人参と油あげをまず入れ、火が通ったら、ゆでておいたものも加え、調味し、水溶き片栗粉でゆるくとろみをつけ、椀に盛り付けて胡椒を振る。
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3. 蓬豆腐の辛子酢味噌 絹さや添え
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材料:蓬粉適宜、昆布出汁500CC、葛粉100CC、練り胡麻大3、塩少々、みりん大1
酢味噌:練り味噌大5、酢大1、練り辛子小1
絹さや各2本
1)昆布出汁に葛粉と練り胡麻をよく溶いて火にかけ、最低10分は練って最後に調味した後、水で溶いた蓬粉を加え、火を止め、すぐにラップに包んでゴムで止め、冷水で冷やす。
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2)酢味噌を作り、器の下に敷き、上に1を盛り、ゆでた絹さやを飾る。
※練り味噌の作りやすい分量:白みそ100g、砂糖20g、酒大2。これを火にかけるまえに鍋でしっかり混ぜてから火にかけ、ぶくぶくと言ってきたら火を止める。練りすぎないのがポイント!
4.湯葉の山椒焼き
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材料:乾燥平湯葉各1枚、米油適宜、木の芽適宜
たれ:醤油2:みりん1:酒1:砂糖1
1)たれを作る。材料を入れてレンジで温め、アルコールを飛ばし、砂糖をよく溶かす。
2)湯葉は水に数分くぐらせて柔らかくしてから4つ折りにし、油を少し敷いたフライパンで焼いて、たれを絡ませる。
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3)2)を器に合わせて切り、たたき木の芽を載せる。
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※たれは比率を載せておきました。多く作って冷蔵庫に保管しておけば、照り焼きなどに使えて重宝します。
5.あいこの胡麻浸し
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材料:あいこ10本くらい、塩少々、煎り胡麻大3、生椎茸4個
浸し地:昆布出汁150CC、淡口大1
1) あいこは産毛を下から上に向けて手袋などしてとり、葉と茎にわけ、塩少々でゆでて水にさらす。
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2) 1)の皮が固いようならむき、軽く絞って食べやすい長さに切っておく。
3) 浸し地を作り火にかけ、スライスした椎茸を入れて火を入れ、2)を加えて、冷水で冷やす。
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4) 盛り付けるときに、煎り胡麻を切り、たっぷり振りかける。
5月のデザート
創作和菓子・空羽kuu 「花菖蒲」
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 5月の献立より)