「弥生の精進料理」 2023年3月
急に春がやってきた感がある今日この頃。たからの庭の紅梅白梅も満開で、湾曲した石の階段を登りきると、それはもう良い香りがいっぱいで、思わず深呼吸してしまいました。
今月は、春の日本料理によく登場する手綱寿司を中心に献立を組みました。精進では卵焼きやお魚は出せませんので、卵焼きのところは湯葉で、サーモンや海老を使うところは金時人参で…など工夫して作りました。ちょっとそれだけでは足らないかなと思いましたので、朧昆布や菜花の手毬寿司も添えました。
お寿司造りが大変だったので、汁はさらっとしたものにしましたが、ちゃんとすまし用の精進出汁…炒り大豆・干し椎茸・昆布の混合出汁を使いました。
信太巻きは、干しぜんまいでやる予定でしたが、ちょうど蕗も旬でしたので、そちらにしました。蕗の青味を生かすため、煮汁は淡口で作っています。
出始めの山菜は、胡麻浸しにしました。献立のメインがお寿司でなければ、酢の物に仕立ててもいいかと思います。
最後に、ちょっとこってりした味もほしかったので、芽キャベツをフリットにして、練り味噌を添えて田楽風に仕立てました。ご参考になれば幸いです。
1. 手綱寿司と手毬寿司、2.手毬麩の吸い物、3. 蕗の信太巻き、4.山菜の胡麻浸し、5.芽甘藍のフリット 田楽風
1.手綱(たずな)寿司と手毬寿司
材料:米材料:米700CC、水805CC
打酢:米酢70CC、砂糖大1強,塩小1強
<手綱>
酢飯@30g
●胡瓜1本、塩少々
●干し椎茸(大)2枚、煮汁:出汁100CC、砂糖大1・1/2,醤油大2
●乾燥湯葉3枚、出汁100CC,みりん大1,砂糖小1,淡口小1/2,塩少々
●人参・昆布:椎茸の煮汁+出汁100CC、醤油・みりん各小1
<手毬>
酢飯@25g×2
●朧昆布+桜塩漬
●菜花各1本、漬け地:出汁50CC,みりん小1,辛子小1/2、淡口小1/2、塩少々柚子適宜
1)米は洗ってざるに上げて15分は置き、浸水したら20分はおき、炊き上げ、10分置いて打ち酢をする。
2)胡瓜は長さを1/3に切り、薄くスライスして塩を振っておく。
3)干し椎茸は前日から水で戻し、2㎜厚さにスライスし、砂糖を先に入れて3分置いてから醤油を加え煮る。
4)湯葉は煮汁で煮てから2cm幅に切っておく。
5)人参・昆布は2㎜厚さ1.5㎝幅に切り、8㎝の長さに切り、椎茸の煮汁に出汁と調味料を足し、煮ておく。
6)菜花を茹で、辛子漬けにしておく。
7)手綱寿司を作る。好きな具を2種か3種選び、ラップを敷いた巻きすに置き、@100gの酢飯をその上に置いて巻いて、6等分に切る。
7)手毬寿司を作る。酢飯を丸めて、朧昆布で包む+塩を抜いた桜塩漬けを天盛と、菜花辛子漬けを食べやすい大きさに切って載せ、刻んだ柚子をのせる。
2.手毬麩の吸い物
材料:材料:吸い物出汁1200CC(昆布・炒り大豆・干し椎茸)、淡口小2,塩小1弱、手毬麩適宜、三つ葉各5,6本
1) 吸い物出汁を温め、調味し、手毬麩と刻んだ三つ葉を浮かべる。
3. 蕗の信太(しのだ)巻き
材料:材料:蕗(細)4本、油揚げ4枚
蕗煮汁:出汁300CC、みりん大2,砂糖小1,淡口小2,塩小1/3
梅麩1/2本、梅麩煮汁:昆布出汁70CC、砂糖小1、塩少々
餡:出汁150CC、みりん・淡口各大1弱、片栗粉小2弱(水大1
1)蕗は油揚げの長さに切り、板摺をして、ゆで、水にさらし、皮をむいておく。
2)油揚げは箸を転がし開きやすいようにして、包丁で3方を広げる。
3)2)に1)を置き、巻いて楊枝で止めて、煮汁で煮ていく。楊枝を抜いて6等分に切り、@3個を盛り付ける。
4)餡を作る。出汁を温め調味し、水溶き片栗粉でとろみをつけ、かける。
5)梅麩を7mmに切り、煮汁でさっと炊いて、前盛する。
4.山菜の胡麻浸し
材料:材料:こごみ1パック(8本)、うるい4本、独活10cm、水菜1わ、塩少々出汁200CC,淡口・みりん各大1、洗い胡麻大2
1) 山菜はそれぞれゆでて、冷水にとり、3cmに切って漬け地につけておく。
2) 胡麻を炒ってから、キッチンペーパーに挟み、包丁で上から切って切り胡麻を作る。
3) 1)を盛り付け、2)天盛りし、浸し地を各大1程度張る。
5.芽甘藍のフリット 田楽風
材料:材料:芽キャベツ(大)各1,薄力粉・炭酸水・揚げ油適宜
練り味噌(赤味噌50g、砂糖40g、酒大1)少々
1)練り味噌を作る。材料を鍋に入れ、よく混ぜてから火にかけ、ふつふつといったら火を止める。
2)芽キャベツは半分に切り、芯の部分に包丁を入れて打ち粉を打ってから、小麦粉と炭酸水で作った衣で揚げる。
3)揚げた芽キャベツに練り味噌を少々載せる。
3月のデザート
レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 3月の献立より)
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