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「卯月の精進料理」 2023年4月

満開のシャガや諸葛菜に迎えられながら、春爛漫のたからの庭で今月も楽しくおいしく開催できました。蚊もまだいない貴重な時期ですので、毎年この時期は外でお食事をいただくのが定例となっています。うららかな景色のおかげで、おいしさも倍増という感じです。

今月は、島根出張の翌日が精進料理教室でしたので、買ってきたばかりの隠岐若布を炙って混ぜ込んだ海の香りいっぱいのごはんや、ミキサーがあればあっという間に作れる筍のすり流し、新じゃがにたからの庭で自生している山椒の木の芽をいっぱい刻んで入れた春の息吹を感じる木の芽饅頭、今年のテーマの“乾物”を使った昆布と干し椎茸の当座煮、粒辛子の優しい酸味をアクセントにした、お揚げと山菜の粒辛子和えをやりました。

どれも3ステップで作れる簡単なものばかりですが、一汁三菜を作る上で、食材・調理方法などの被りをしない日本料理の定式に則ること、塩味ベースのごはんや揚げ物、優しい味噌の甘さのすり流し、甘辛い当座煮、さっぱりな和え物といったように、味わいも変えたり、強弱をつけることを意識して献立を作っています。日々悩む献立造りにお役にたてましたら幸いです。

1.隠岐若布飯、2.筍のすり流し、3. 新じゃがの木の芽饅頭揚げ こごみ素揚げ添え、4. お揚げと山菜の粒辛子和え、5. 昆布と干し椎茸の当座煮

卯月の精進料理 2023

1.隠岐若布飯

隠岐若布飯

材料:材料:米700cc、昆布出汁800cc、酒大1・1/2,淡口大1、塩小1/2、隠岐若布20g

隠岐わかめ

1)米は洗ってざるにあげ、15分以上おいてから調味し、さらに20分程度浸水する。

2)若布は炙って、ちぎっておく。

3)1)を炊き、10分蒸らして2)をまぜ、天にも若布をかざる。


2.筍のすり流し

筍のすり流し

材料:昆布出汁600cc、豆乳400cc、ゆで筍300g、オリーブオイル大1、塩少々、
白みそ大2~3、味調整で塩適宜、木の芽各1枚、とろみ足りなければ水溶き片栗粉

1)ゆで筍は刻んでオリーブオイルで炒め、出汁を一部加えて15分程度煮込み、ミキサーにかける。

2)1)を鍋に移し、白みそを加え、数分煮たら豆乳を加え味を調え、盛り付け、木の芽を飾る。


3. 新じゃがの木の芽饅頭揚げ こごみ素揚げ添え

新じゃがの木の芽饅頭揚げ こごみ素揚げ添え

材料:新じゃがいも500g、木の芽適宜、塩小1/2、胡椒少々、おろし大和芋大2、
小麦粉・水適宜、高野豆腐2枚、こごみ各1本

木の芽
こごみ

1) 新じゃがは、蒸し器で柔らかくなるまで蒸し、皮ごとつぶし、調味しておく。

2) 高野豆腐はミキサーなどで粉末にしておく。

3)1)に木の芽を粗く刻んだものと、つなぎのおろし大和芋でまぜて、水分が足りないようなら出汁を加え、@25g程度に丸める。

4)こごみは長さを器に合わせカットし、素揚げして塩を振っておく。

5)3)に小麦粉を軽くつけ、小麦粉・水を混ぜたものをくぐらせ、粉末にした高野豆腐をつけ、170度で揚げ、器に盛って、4)を添える。


4.お揚げと山菜の粒辛子和え

お揚げと山菜の粒辛子和え

材料:油揚げ1.5枚、水菜1把、独活15cm(酢水)、うるい3本、
和え衣:粒辛子・醤油・酢各大1,ねり辛子小1,ごま油大2

1) 油揚げは炙って3cmの短冊に切っておく。

2)水菜は3cmに切っておく。

3)独活は、産毛をそいで、油揚げと同じ寸法に切って、酢水にさらしておく。

独活(うど)

4)うるいは葉と茎に分けてゆでて、水にさらし、軽く絞って3cmに切っておく。

うるい

5)和え衣を作り、食べる直前合わせて盛り付ける。


5.昆布と干し椎茸の当座煮

昆布と干し椎茸の当座煮

材料:材料:干し椎茸(大)2枚、出汁をとった昆布150g
煮汁:干し椎茸戻し汁+昆布出汁200cc、砂糖・醤油各大3、みりん大2、酢大1、たまり醤油大1、

1)干し椎茸は一晩冷蔵庫で戻して長さ3cmのスライスにしておく。

2)昆布は2cm四方に切る。

3)鍋にたまり以外の調味料と出汁を入れて1)2)を加え、最初強火にしてアクを引き、あとは弱火でことこと30分程度煮て、味をみて薄ければ醤油を加えさらに煮て、汁がなくなってきたところでたまりを加え、1,2分煮て火を止める。


4月のデザート
創作和菓子・空羽kuu 「花萌ゆ」

花萌ゆ

レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 4月の献立より)


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