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子育てに歴史の叡智を使っちゃえ

信じるならとことん

子育ては大変だ。誰だって悩んでいると思う。

娘がいる。中学受験に合格した。将来は医者になりたいらしい。

彼女は合格した念願の中学校に行くらしい。

「らしい」と書いたのは、彼女が本当に授業についていけるか心配だからだ。学歴偏重の世の中は変化してきているとはいえ、医学の道はそんなに簡単なものではない。

先日も、英単語をなかなか覚えず、同じ単語ばかり繰り返し何日も書いていたので「勉強の仕方がよくない。勉強の仕方がわからないなら、周りに聞かないと。」と妻と二人で叱ってしまった。

しかしストレスが溜まる。それ以上に娘もたまっているだろう。それにもかかわらず、娘に言い放ってしまった。

「自分が変わらないと周りは変わらないよ」

娘はブスッとして黙りこくってしまった。

こんな事が中学に入学してからも続くのだろうか。それはさすがにキツイな。私も妻も娘も楽しくない」

なにか前に進む方法はないだろうか。

その時、読んでいた本を思い出した。

出口治明さんの「貞観政要」という本だ。

300年続いた唐の時代に編纂された太宗・李世民の言行録で、徳川家康や明治天皇も愛読した。唐が滅びたのは10世紀初頭であるから、1000年以上の長きに渡って淘汰されず、生き残ってきた名著である。

その中にこのような一節がある。

「蓋し之を信ずれば、則ち信ず可からざる者無し。之を疑へば、則ち信ず可き者無し」(巻第七 論礼楽第二十九 第九章)

「信用すれば信じてもらえるし、疑えば誰も信用してくれない」という意味である。

そして、私が娘に言い放ったことを思い出した。

「自分が変わらないと周りは変わらないよ」

変わらないといけないのは私の方だと気付いた。

娘を信じて見守ることに決めた。信じると決めたからには、とことん信じる。

「パパとママは信じて見てるから。頑張ってね」と娘に伝えた。娘はとても嬉しそうに笑った。

さて、こう言ったからには、基本的には口出しをせず、見守っていなくてはならない。しかし、どれだけ信じることが出来るだろうか。もはやこれは私自身の修行でもある。

しかし、娘を信じようと思う。私も、もっともっと成長したいから。

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