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訳読授業からの脱却&授業計画プラン表を用いてより深みのある授業を。

教員の皆さん、
自分自身の授業を計画される場合、どういう部分を意識されていますか?

10年前の私は訳読中心の至ってつまらない授業を展開していました。生徒の多くが寝てしまうこともありました。

そんなダメダメな授業を実施していた自分が10年間かけて、たどり着いた授業の考え方や設計の方法をレポートとしてまとめました。


【授業方法を変えようと思った経緯】

  約10年前に中学1年生から高校3年生までの6年間、持ちあがりで英語の授業を担当した。その当時は、GIGAスクール構想が始まる前で、オールイングリッシュの授業を取り入れようとする新たな時代だった。私自身も可能な限り授業内で英語を使用しつつ、新しい教育法へ移行しようと挑戦していたが、昔ながらの訳読中心のアプローチも多く取り入れていた。
  そんな中、中学3年生になる頃には英検(実用英語技能検定)のライティング試験が導入され、4技能試験が大学入試に直結する時代を迎えた。この対策に向けて、当時としてはまだ珍しかったエッセイ指導やオンライン英会話の導入を試み、その結果、多くの生徒たちが英検2級に合格することができた。自分のできる範囲の指導としては、十分に成果をあげられたと思う。
  しかし同時に、当時の英語授業だけでは、限界を感じざるを得なかった部分があった。私の心の中で常にあったのは、本当にこのアプローチで良いのかという疑問である。私自身が理想とする「本当の英語力」とは、下のCEFR B2が示すような英語の実践力(パフォーマンス)だけでなく、思考力を備えた力と考えている。

B2(英検準1、TOEFL Junior850相当)
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。

訳読や速読中心の授業では、英語を理解するという力は、育成できるが、例えば自分自身の意見を考えて答えなさい、というような思考力が求められるような部分までは対応できない。今でも覚えているのが、あるとても優秀な生徒(定期考査平均90点台で学年の上位10%)が、私に言った一言だ。

『先生、ライティングのエッセイ問題、英語は大丈夫ですが、何を書いていいかがでてこないんです。』

英語の語彙力も文法理解も読解もできる生徒が、思考を求められた瞬間、とまる。そんな状況を多々みてきた。私自身もそういう力は「英語科」ではなく、「国語科」が中心に育成する力であると、勝手に決めつけていた部分があったと思う。

そして頭の角に眠っていた20年前の大学院時代の先輩の言葉が、どんどん大きくなって響いてきた。

『英語の検定試験は、対策すれば点数は上がるけれど、本当の英語力があれば別に対策しなくても取れるんだよね。TOEICやTOEFLってそういうテストだよ。』

確かに本当の意味で、英語ができる人々は、どんな検定試験においても高得点を取ることができる。ある優秀な大学院の友人は、過去問を1回解くだけで、初めてのTOEICで920というスコア。そして、そういう方たちに共通するのは、英語の実践力(パフォーマンス力)があるだけでなく、抜群の思考力も兼ね備えているということ。そう、私が追い求めたいのは、そういう力の育成。

そこで今回のレポートでは、思考力が英語といかに関連しているかに焦点を当てて思考力の重要性を伝え、明日からでも使える思考力をも鍛えられる授業計画の立て方を紹介する。

【レポートDLサイト】

続きのレポートは下のサイトからDL可能です。
お時間ありましたら、DLしてみていただけたら幸いです。

【レポートの簡単なまとめ】

 私は次の表を用いて、授業の活動がよりバラエティに富み、生徒たちの思考力や表現力を養いつつ、人として成長できるよう取り組んでいます。

【左のカテゴリー】
知識・理解:「知る・理解する」など
思考力・判断力:「考える・まとめる」など
創造的思考:「問い作成からの意見」など
メッセージ性:他者の意識をかえたり、新しい情報を与えるなど

【上部のカテゴリー】
個人の活動か、協働(グループ)の活動か

【ICTの有効性】
傾向だけではあるが、矢印の上にある活動ほどICTの恩恵を受けやすい。

【☑項目】
一連の活動を考える上で、必ず設定したり、振り返ったり、修正したりする部分。

①タイミング/教科横断/学外連携
 今の生徒の状況や立場を踏まえて考えたり、他教科のシラバスをみて連携部分を探したり、学外の外とつながる活動があるかどうか。
②実社会・自分事
 教材に関わることを実社会の出来事とつなげて考えたり、自分事として捉え直したりする活動があるかどうか。
③自己成長:肯定・効力・向上
 生徒自身が伸びたと実感する活動になっているか。これならできるやこれで○○ができた、次はできると思うように設計されているか。
④自律的学習
 計画を練ったり、目的をもって学んだりという姿勢を育成する機会や活動があるか。
⑤ICTの有用性
 ICTは便利であるが、その使い方は適切か。それによって生徒が取り組みやすくなったり、教員の負担が減ったりしているか。

こういう視点をもって、授業を設計すると、多種多様な活動ができて、人としても成長していけるというまとめです。

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