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【私見】大学受験の塾・予備校の選び方【独断】

前回の記事で、「塾に通うべきか」ということに関して私の考えを書きました。

今回はそれに続くものとして、ではどのような塾を選ぶべきか、ということに関して書いていきたいと思います。

塾と予備校の違い

まず、塾と予備校の違いを確認していきたいと思います。

一般的に、予備校は専修学校、その他の学校を指し、ここでは主に大手三大予備校として話をします。

三大予備校は学校法人である

まず、最も一般的な予備校の、代々木ゼミナール、駿台予備学校、河合塾は学校法人になります。
(正確には一条校の私立学校とは厳密には異なる、「準学校法人」です)

これが他の進学塾と最も異なる点です。また、これら以外にも学校法人の認可を受けている地方の予備校が複数存在します。

学校法人は法人税の減免を受けるなど、税制上の優遇を受けているため、塾よりも費用的に低コストの可能性は高いです。
(最終的には受講した講座の数次第ですが)

また、学校法人の場合JRや大手私鉄の通学定期を学割で購入することが可能です。
(大手予備校の校舎の中には学校法人でないものがあり、その場合学割が使えません)

塾は私企業である

基本的に塾は株式会社または個人事業主が経営する私企業であり、営利団体になります。

九州では英進館や昴などが有名です。関東はサピックスや早稲田アカデミー、関西では馬渕などが有名でしょう。四谷学院や武田塾も塾になります。

名前で勘違いしやすいのですが、東進衛星予備校は塾です。経営母体は株式会社ナガセという私企業です。

塾の特徴は、基本的に営利団体である、ということです。

したがって、生徒の成績を上げることで塾生を増やしたり、講座をたくさん取らせることが第一目標になります。

その分、予備校と比べてきめ細やかなサービスを提供している長所もあります。また、予備校であっても利益を目的として取得講座を増やさせるケースもあります。

それぞれの塾や予備校でこの辺りは特徴が異なるので、費用面とも相談して選ぶ必要があるでしょう。

授業形式の違い

授業形式に関して、以下の6種類に分類することにします。この分け方に関してはあくまでも私の主観に基づくものです。

それぞれの授業形式の特徴と、向き不向きのタイプについても触れていきます。

  1. 大教室一斉授業形式

  2. 小規模一斉授業形式

  3. 1対1個別授業形式

  4. 1対n個別授業形式

  5. 動画授業形式

  6. 授業無し形式

1.大教室一斉授業形式

オーソドックスな大手予備校の授業スタイルです。講師1人に対し、数十人〜百人前後で授業を行う形式です。

最近はこの手のスタイルは減少しましたが、未だ根強い人気のある授業形式です。

基本的に講師のスキルは極めて高く、授業はエンターテインメントとして面白いでしょう。授業後の充実感や満足感も高いです。

その分、自学や予復習がおろそかになるケースがあり、モチベーションを高める授業を受けたい、という成績上位で自己管理が出来る生徒向けの形式です。

大都市とその周辺にしか校舎がないケースが多く、住んでいる場所によっては通塾時間のロスを考慮する必要があります。

2.小規模一斉授業形式

中小予備校や比較的大きめの塾で実施される形式で、十人〜三十人弱ぐらいが教室に入って受ける一斉授業形式です。

学校での授業形式に近く、学校の授業をもう一度受け直したい生徒や、学校の授業担当者との相性が悪かったが学力はある生徒などにおすすめする形式です。

また、競争心を煽ることでモチベーションが高まる性格の生徒には向いている授業形式です。

高校受験の塾はこの形式が殆どですので、塾通いの長い生徒には馴染み深い形式かもしれません。

3.1対1個別授業形式

生徒一人につき、講師一人が授業を行う形式です。

コスト的に高くなるため、複数の教科科目を取ることが難しくなります。

基本的な内容から分かっていないなど学力が低い生徒や、質問をしたいが人前では話せない性格の生徒などには非常に向いている形式です。

逆に、授業時間前後も自分一人で受講することが多く、友達と競争して学習したいといった生徒に不向きです。

また、講師によって授業の質が大きく変わるため、講師を選べるかどうかが塾選びにおいてとても重要になります。

4.1対n個別授業形式

3.の1対1形式の生徒を2〜4人程度に増やした形式です。小さい会議室にホワイトボードを使って、数人を相手に授業しているイメージを持つとわかりやすいでしょう。

この形式は3.のメリット、デメリットを薄くしたものになります。

1対1で聞かなければ分からないほどではなく、講師に質問する時間が少ない生徒などが、コストを下げて受講する場合には有効でしょう。

また、学力が同じぐらいの生徒と一緒に授業を受ける場合には良い刺激になるでしょう。

3と4の形式は医学部受験予備校で多く見られる傾向があります。

この形式の亜種として、1対n個別指導型があります。個別ブースの真ん中に講師が座って、複数の生徒を見る形式です。同時に受け持つ生徒が小学生と高校生など無茶な割振りのことも多く、個人的にはこの手の塾はあまり魅力を感じません。

5.動画授業形式

東進衛星予備校などが代表的な動画を視聴し学習する形式です。スタディサプリやマナビス、代ゼミサテラインなど複数存在します。

コンテンツの質は極めて高いため、きちんと視聴し復習までこなせればかなり効果が高い形式です。

ただ、動画授業がライブ感に欠け、単調で飽きやすいため、効果が落ちやすい形式でもあります。

自分で先を進めて学習するやる気と能力の高い生徒には非常におすすめの形式です。

運営側のスタッフが多めに動画視聴の計画を押し付ける傾向があるため、取捨選択しないと消化不良を起こしやすいのが注意点です。

6.授業無し形式

学習管理を行い、参考書などで宿題を出し、その進捗状況を確認しながら指示していくスタイルの形式です。

武田塾がこのスタイルを売りにして校舎を増やしています。

自分でコツコツと取り組むのは苦手だが、本を読んで理解できるほどには基礎学力がある生徒に向いています。

授業担当者がいないため、教科によっては質問対応に時間がかかることがあります。また、基礎学力が身についていない生徒の場合は、自力で参考書で学習すること自体が難しくなります。

通うべきか、通わざるべきか…

前回の記事で書いたように、塾に通うか、通わないかは生徒本人の状況次第です。

ただ、大学進学を目指す場合は、一度は利用するかどうか検討するべきだと思います。

そうやって塾を利用する余地があるかどうかを考えることも、学習の効率化につながるのではないかと思うからです。


ということで、ざっくりと塾や予備校の授業形式の違いで選び方を考えてみました。

実際にはこれに個人経営と企業経営などの分類もあるのですが、またいつか書きたいと想います。

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