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シテントル やまが
2021年1月31日 02:32
こうなるくらいなら。彼女のクルミに抱えられ、薄れゆく意識の中、後悔だけが鮮明に思い出される。初めは些細な喧嘩だった。俺が脱ぎっぱなしの靴下をクルミが注意した。「なんで脱いだらすぐ洗濯カゴに入れないの?きったない。」その「きったない。」が無性に腹が立った。汚い。ではなく「きったない。」という言い方に。「は?お前だって使った美容パックその辺に置きっぱなしだろ。」「それはたまたま忘
2021年1月14日 04:39
カズキはいいやつだった。キャンプ場に高く積まれた薪が崩れてその下敷きになった。すぐに病院へ搬送された。カズキはいいやつだった。面倒な事を自らやってくれていた。あの時も焚き火用の薪を取りに行ってくれた。キャンプ場の受付で入場料の支払いをする時に。カズキはいいやつだった。誰にでもフランクに接していた。初めていく居酒屋の店員にも「とりあえず生。早く持ってきて。」と。カズキは