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本棚は段ボール

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読んだ本の感想を述べています。 ネタバレ等ありますので気にする方は気をつけてください。
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2023年9月の記事一覧

本棚は段ボール Vol.10 『暇と退屈の倫理学』/國分功一郎

本棚は段ボール Vol.10 『暇と退屈の倫理学』/國分功一郎

 最近は哲学の本にハマっている。人におすすめされなければ哲学書を読むこともなかったと思うので、やはり他人の好きなものを知ることは色々な意味で楽しいと再認識している。

 感想を文章として書くのは難しい。どうしても、メモのようになってしまう。

 強くて浅い退屈と、薄くて深い退屈、人間は分類をしないと理解ができないし、理解ができないことを嫌う。
薄ければ薄いほどよく染み込むのは、退屈とて同じで、だか

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本棚は段ボール Vol.12 『ニムロッド』/上田 岳弘

本棚は段ボール Vol.12 『ニムロッド』/上田 岳弘

 昔買った本を、なんとなくどんな話か忘れていて、当時はそんなに刺さらなかったのだけれど、もう一度読んでみることにした。

 現代というものは、何でも知ることができる。何でも知ることができるし、お金があれば"あるものなら"何でも手に入れることができる。
 すべてを手に入れたとして、その先に人間が望むことはなんだろうか。
 何でも知ることができるようになってしまったからこそ、私達は「知らないこと」に不

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本棚は段ボール Vol.11 『いい子のあくび』/高瀬隼子

本棚は段ボール Vol.11 『いい子のあくび』/高瀬隼子

 仕事の昼休み。機嫌の悪い先輩に当たられ、腹が立って、「なんか大人だよね」と、大人に大人の私が笑われたことを思い出して、いろんなことが許せなくて、たぶん私が許せないことたちの殆どに、他の人は気づきさえしなくて、それなのに私はつまずいて止まって、怒って。
 むしゃくしゃして本屋へ行くと、「ぶつかったるって思ってぶつかった。だけど、ぶつかられたのはわたしだ。よけてあげなかったから、結果としてぶつかった

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