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本棚は段ボール Vol.10 『暇と退屈の倫理学』/國分功一郎

 最近は哲学の本にハマっている。人におすすめされなければ哲学書を読むこともなかったと思うので、やはり他人の好きなものを知ることは色々な意味で楽しいと再認識している。

 感想を文章として書くのは難しい。どうしても、メモのようになってしまう。

 強くて浅い退屈と、薄くて深い退屈、人間は分類をしないと理解ができないし、理解ができないことを嫌う。
薄ければ薄いほどよく染み込むのは、退屈とて同じで、だから薄ければ深くなるものなのかもしれない。

 哲学者は動物的であり、思考にとりさらわれている。けれど、思考が楽しさにつながるというのは本当にそれだけかどうか疑問であった。だって思考しなければもっと楽しく生きていけるのに、と私はいつも思う。

 ちょうど友人と、将来の夢がない、たくさん勉強して、子供の頃はそのうちやりたいことが見つかるものだと思っていたけれど、結局夢なんて見つからなかった、と話していたけれど、本書の内容に沿って言うならば、これはきっと人間が時間がたつにつれてどんどん"人間"になっていってるということだと思った。

 それであればこの夢のない退屈な生も、それはそれでいいものかもしれないと逆に私は思った。

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