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記事一覧

伊坂幸太郎著 クジラアタマの王様

初版発行2019年7月 フィクション前提に 現実と非現実なネタが交錯 著者の小説を何度もそう思って読んできたが今作が最もそう思った 最後まで読めば誰もが同感することを…

1

宮下奈都著 遠くの声に耳を澄ませて

『羊と鋼の森』の静謐な世界をまた味わいたく着読 12編からなる短編集 短く、さらりとしたライトな構成ではなく、 読み進めていくうちに同じ頁を行ったり来たりする頻度…

2

村田沙耶香著 タダイマノトビラ

とある家族の10年間程を綴った小説 見かけはごく普通の家庭 だが家庭内は母親のズレにより常に危うい そんな中、主人公の長女はその危うさの鬱憤を奇妙に晴らしつつ''普…

2

あをによし奈良の旅-まとめ-

去年(2022)8月の夏休みの旅行をダラダラと書く怠慢さに我ながら呆れてつつ、それでも最後までやり遂げたことでそれほど悪くはない気分 今回の旅で、京都、奈良の都を地…

1

小川洋子著 ブラフマンの埋葬

芸術家たちが共同生活を送る「創作者の家」 主人公の「僕」はその家の管理人だ そんな彼の所にある小さな生き物が訪れ物語は始まる 違和感のないスムーズな始まり だが…

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村上春樹著 不確かな壁とその街

GW、近所の喫茶店で2日間通って篭って読了 第1部は“これまで”、第2,3部は”その先”といった3部構成 著者がこれまでの自作を賛美と批判を持って手がけた集大成のような…

1

あをによし奈良の旅-あれから10日後-

#奈良県あるある 難読と混同、同時で攻めてくる地名 ①橿原(かしはら)/橿原市 ②榛原(はいばら)/宇陀市 ③楢原 (ならはら)/ 御所市

3

恩田陸著 象と耳鳴り

引退した裁判官とその家族たちの周囲で起こる事件をテーマにした短編集 未解決事件とか事件の真相を推理して再度掘り起こす様は、かつてヒットしたスピンオフドラマで観た…

3

辻村深月著 水底フェスタ

山塊のとある地方を舞台にした物語 著者の作品で、長編モノでは男性が主人公は今回が初読だったかも そのせいかこれまで読んできた作品と似ているようで似ていない 読解…

3

梨木香歩著 雪と珊瑚と

ある若いシングルマザーが悪戦苦闘しながらも周囲の人から助けを得て成長していくサクセスストーリー あらすじだけ言えばベタになるが、生活を彩る数々の知恵やハウツーが…

2

あをによし奈良の旅-その17-

清水寺 あれだけ晴れていた天気が着いた途端に曇る 言わずもがな1200年以上も前から存在し、世界遺産にも認定された寺院 仁王門は正門にあたり、応仁の乱の時期、焼失した…

2

あをによし奈良の旅-その16-

3日目最終日 帰る前に清水寺へ行ってみようと思ったら京都駅前のバスの込みようが凄いので徒歩を選択 3kmの道のりは散策にはちょうどよい距離だけどやっぱり京都の夏は暑…

城ねこの探訪
2週間前
1

あをによし奈良の旅-その15-

吉野山 十津川村を後にして続いて向かったのは千本桜で有名な吉野山 源義経が静御前たちと頼朝の追手から逃れるため避難した場所でもあったとか 村上義光の墓 後醍醐天…

城ねこの探訪
2週間前
3

あをによし奈良の旅-その14-

黒木御所跡 谷瀬の吊り橋を渡りたかったのは、ここにも行きたかったから 吊り橋渡り口から200mほど降っていくとひっそりとある 後醍醐天皇の皇子、護良親王が赤坂城を脱…

城ねこの探訪
2週間前
1

あをによし奈良の旅-その13-

谷瀬の吊り橋 長さ297.7m、川からの高さ54m 日本最長の生活用鉄線の吊橋 中央部に幅約80cmの板が、鉄線と30cmおきに渡された横木の上に載っているのみで中央部分まで行く…

城ねこの探訪
2週間前

あをによし奈良の旅-その12-

2日目 十津川村 奈良県の最南端に位置する、本州で一番大きく、琵琶湖や東京23区よりも広い村 近鉄大和八木駅前から出ている村を通る八木新宮特急バスは路線バスの距離で…

城ねこの探訪
2週間前
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伊坂幸太郎著 クジラアタマの王様

伊坂幸太郎著 クジラアタマの王様

初版発行2019年7月
フィクション前提に
現実と非現実なネタが交錯
著者の小説を何度もそう思って読んできたが今作が最もそう思った
最後まで読めば誰もが同感することを約束する
もちろん最後の完全決着に至るまでの過程も読み応えあり
川口澄子さんのイラストも特に線のタッチが◎
#読了

宮下奈都著 遠くの声に耳を澄ませて

宮下奈都著 遠くの声に耳を澄ませて

『羊と鋼の森』の静謐な世界をまた味わいたく着読
12編からなる短編集 短く、さらりとしたライトな構成ではなく、
読み進めていくうちに同じ頁を行ったり来たりする頻度が高くなる
後から後から言葉の重みが増してくる
伏線回収とかそういう類とかでなく

気に入ったくだりで、 『相手の不機嫌の理由を自分の中に探してしまうー、 相手の不機嫌は相手のせい 自分には何の関係もない
そうだ、そうだ 自分と

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村田沙耶香著 タダイマノトビラ

村田沙耶香著 タダイマノトビラ

とある家族の10年間程を綴った小説
見かけはごく普通の家庭
だが家庭内は母親のズレにより常に危うい
そんな中、主人公の長女はその危うさの鬱憤を奇妙に晴らしつつ''普通''を保ち成長していくが…
ストーリー展開の緩急が絶妙 特に終盤の畳みかけ方は恐ろしい
#読了

あをによし奈良の旅-まとめ-

あをによし奈良の旅-まとめ-

去年(2022)8月の夏休みの旅行をダラダラと書く怠慢さに我ながら呆れてつつ、それでも最後までやり遂げたことでそれほど悪くはない気分

今回の旅で、京都、奈良の都を地図で見る場合、以下の視点が見やすいことを発見 ・京都 縦スクロール(南⇔北) ・奈良 横スクロール(東⇔西) 今まで奈良を京都と同じように縦スクロールの視点で無意識で見ていたが、横スクロールの視点を意識したら割と見やすくなった

東京

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小川洋子著 ブラフマンの埋葬

小川洋子著 ブラフマンの埋葬

芸術家たちが共同生活を送る「創作者の家」
主人公の「僕」はその家の管理人だ
そんな彼の所にある小さな生き物が訪れ物語は始まる

違和感のないスムーズな始まり
だが、読み進めていくうちに徐々に不足な情報に気付き、気になる 淡々として寓話のような世界に
#読了

村上春樹著 不確かな壁とその街

村上春樹著 不確かな壁とその街

GW、近所の喫茶店で2日間通って篭って読了
第1部は“これまで”、第2,3部は”その先”といった3部構成
著者がこれまでの自作を賛美と批判を持って手がけた集大成のような物語
不確かなのは壁だけでなく、登場人物も所々不確かでそれでも物語は確かに成り立っていた #読了

あをによし奈良の旅-あれから10日後-

あをによし奈良の旅-あれから10日後-

#奈良県あるある
難読と混同、同時で攻めてくる地名
①橿原(かしはら)/橿原市
②榛原(はいばら)/宇陀市
③楢原 (ならはら)/ 御所市

恩田陸著 象と耳鳴り

恩田陸著 象と耳鳴り

引退した裁判官とその家族たちの周囲で起こる事件をテーマにした短編集
未解決事件とか事件の真相を推理して再度掘り起こす様は、かつてヒットしたスピンオフドラマで観たような懐かしさがあった
あとがきに短編ごとに生まれた経緯が数行ずつ記されており、それもまた◎ #読了

辻村深月著 水底フェスタ

辻村深月著 水底フェスタ

山塊のとある地方を舞台にした物語
著者の作品で、長編モノでは男性が主人公は今回が初読だったかも
そのせいかこれまで読んできた作品と似ているようで似ていない
読解はできるけど、もし夏休みの課題図書みたいに感想文を書くとなったらちょっと難しいタイプの作品 #読了

梨木香歩著 雪と珊瑚と

梨木香歩著 雪と珊瑚と

ある若いシングルマザーが悪戦苦闘しながらも周囲の人から助けを得て成長していくサクセスストーリー
あらすじだけ言えばベタになるが、生活を彩る数々の知恵やハウツーが所々に散りばめられている
言語化された登場人物たちの心模様もまたハッとすることが多々あった #読了

あをによし奈良の旅-その17-

あをによし奈良の旅-その17-

清水寺
あれだけ晴れていた天気が着いた途端に曇る
言わずもがな1200年以上も前から存在し、世界遺産にも認定された寺院
仁王門は正門にあたり、応仁の乱の時期、焼失したものの16世紀初めに再建さらには2003年に解体修理されたそう
門の両端には、一対の金剛力士像

三重塔

高さ約31mと国内最大級
1984年まで彩色はなかったものの、''平成の大修理''で、かつての朱塗りであった説に則り、彩色され

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あをによし奈良の旅-その16-

あをによし奈良の旅-その16-

3日目最終日
帰る前に清水寺へ行ってみようと思ったら京都駅前のバスの込みようが凄いので徒歩を選択 3kmの道のりは散策にはちょうどよい距離だけどやっぱり京都の夏は暑かった

まずは京都駅から北へ約400m進み、①東本願寺の東門を通過して右折し、

②約1km進み鴨川を渡河

③元和キリシタン殉教の地を通過 歴史小説の舞台が続々登場
かの偉人たちが行き来した道を歩いていることを実感 テンション上

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あをによし奈良の旅-その15-

あをによし奈良の旅-その15-

吉野山
十津川村を後にして続いて向かったのは千本桜で有名な吉野山

源義経が静御前たちと頼朝の追手から逃れるため避難した場所でもあったとか

村上義光の墓
後醍醐天皇の皇子、護良親王は十津川の黒木御所を退いた後、今度は吉野に身を置いたそう
その時、帯同した信濃埴科出身の村上義光は北条幕府の追手から身代わりとなり護良親王を守ったとか

十津川から吉野に向かったのは移動し易い交通ルートだからよく

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あをによし奈良の旅-その14-

あをによし奈良の旅-その14-

黒木御所跡
谷瀬の吊り橋を渡りたかったのは、ここにも行きたかったから
吊り橋渡り口から200mほど降っていくとひっそりとある
後醍醐天皇の皇子、護良親王が赤坂城を脱出し高野山を経て、ここに身を隠したそう

十津川の豪族、竹原八郎が仮宮殿を建て、一時匿った後、この付近は、馬術や弓術など武術の訓練所としたとか
ちなみに十津川の豪族で構成された幕末の志士、尊王派の天誅組はここで幕府軍を迎えて決戦

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あをによし奈良の旅-その13-

あをによし奈良の旅-その13-

谷瀬の吊り橋 長さ297.7m、川からの高さ54m 日本最長の生活用鉄線の吊橋

中央部に幅約80cmの板が、鉄線と30cmおきに渡された横木の上に載っているのみで中央部分まで行くと揺れが激しい

1954年架設から2010年まで小学校が廃校になるまで通学路として利用されていたそう

向こう岸を渡り、まず向かったのは谷瀬の吊り橋が一望できるという絶景スポット

山間部の小さな集落の間を走る生活道は

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あをによし奈良の旅-その12-

あをによし奈良の旅-その12-

2日目
十津川村 奈良県の最南端に位置する、本州で一番大きく、琵琶湖や東京23区よりも広い村
近鉄大和八木駅前から出ている村を通る八木新宮特急バスは路線バスの距離で日本一 バスに乗って行ってみたかったけど時間の都合で断念

十津川郷道の駅に到着

癖のない柑橘系のじゃばらのジュースと食感の良いゆず味の串こんにゃくで一息

村役場前の高台にある十津川歴史民俗資料館
入り口ある瓦壁にようなもの

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