中村しろ

ミュージシャン。 月刊文芸誌「渦々」作者二名の都合で休刊中。 忌憚のないご意見からご依…

中村しろ

ミュージシャン。 月刊文芸誌「渦々」作者二名の都合で休刊中。 忌憚のないご意見からご依頼まで、お待ちしております。 nk.shiro26@gmail.com 09027667117

最近の記事

希死念慮、おもいっきり蹴飛ばした オニが変形したそれ持ってこっち来る夏

    • initiation

      “LUVPOLIS”というプロジェクトが始動した。 といいながら、いや、実際にはまだ始まってないともいえる。いくつかのコンテンツを世界に発表したに過ぎない。 今みんなから見えるLUVPOLIS。 明かされた情報が少なく、生まれて間もない組織。 この機会に少しうち側のことを書きたい。 他者からはどんなに目を凝らして見ても、そりゃあ発信していない内情なんて読み取れっこない。 始動という事象はおれから見たらひとつの「点」じゃなくて、もうちょっと「線」なんだ。 ここまでの音楽に

      • おれの人生すぎるフレーズを生成しちまった。

        • 何も言ってない

          ぼくはしがないフリーターだ。 あぶく銭集めて買ったスーパーのチーズケーキにありつくフリーターを、嘲る女子大学生。 彼女に、大人の魅力を感じて惚れ込む男子高校生。 彼をこき下ろすみたいに使うエライ人。 苛立つエライ人が撒き散らす火の粉がこっちまで飛んできて、レアだったものがベイクドチーズケーキ。 それを食べながら、てきとうなビートに乗る。 誰しもが互いを舐め合っていて、ちょっぴりふざけあっている。いいじゃないか、茶番なくらいが。 何かにつけて、まるで最も大事なことのようにいう

        希死念慮、おもいっきり蹴飛ばした オニが変形したそれ持ってこっち来る夏

          休暇

          報告です。 少しの間、SNSの更新頻度を落とすと思う。 精神的な意味で、実にくたびれている。 いやー。すまん。 どれくらいくたびれているかと問われれば、そうだなあ、ラブコメにグッと来てビール煽ってしまうくらいには疲れている。ラブコメといっても「かぐや様は告らせたい」なんだけど、いやおれはさ、そんなもんにキュンとするようなガラじゃない筈なんだけど! それはいいとして。 何かとnoteやらツイートやら、TikTokの更新などを期待してくれている人もいるとは知っているものの、

          無題

          電波の海を浮遊するくらげみたい。 考えて、眠って、起きたら願ったり、祈っている。 津波みたいに突然に速度をあげ、遂にここまで漂着した誰かの悲しみ。 やるせない年明けに気のぬけたバドワイザーを飲み込むのは、ほとんど惰性。 確率は偏る。平たくいうなら悪いことは重なる。サイコロを振って、なぜか同じ目が二度、三度出てしまうことに驚いた経験を思い出せるみたいに、そういった稀有なことは案外起こり得る。 しかし、ここでただ祈ることしかできない。 しか、ないけど、祈り続けたい。 祈りだけで人

          雑記10.10

          現在、東京都内某所にひとり。 大手不動産屋の審査が通るわけもなかった。途方に暮れていたが、不動産関係のアルバイトを経た友人の助言の通りアレコレしていたら、今はどうにかボロアパートに身を置くことができている。大した不満もない。 色んなことが目まぐるしく起きている。 まさしく人生をかけたバンドが解散し、つまり自分としては職を失ったわけだ。 それから引越しに追われ、やっと落ち着いた頃に風邪をひいて寝込んだり、それが治ってきたと思うと案外自分が貧乏だということを思い出して、求職活

          ユレニワ解散についての補足

          先日発表がありました通り、ユレニワは9月いっぱいで解散します。 今回は解散についての文言に対し、もう少し具体的な補足をします。 ───────────── 今までも、なんとかぎりぎりで看過してきた人間性の食い違い、各々の許容範囲のグレーゾーンにある部分。そういったものを許容しきれなくなってしまったことが解散の大きな原因です。 そうなった直接的なキッカケについてですが、 具体的に、どんな時に、誰が誰に、どんな話で、どんな雰囲気で、とか。 そういった詳細を伝えるのは控えさせ

          ユレニワ解散についての補足

          メルト

          「ずいぶん伸びたね」 まるで自分のことをおもちゃみたいに、からかうみたいに扱われている気がして、そのセリフは好きじゃなかった。ついでにそれを素直に喜べなかったことも、今思い返せば自分は嫌な子だったのかもしれないと感じる。卑屈な感情は一切孕んでいないとは理解していながらも、ばかにされているような気がして、うまい返しはできなかった。 少しでも他者に認められたかった。頑なに集団登校をしなかったのは、大人たちの加護を必要としない自分になりたかったから。強くて大きい存在になりたくて

          ブレス

           夏らしい強い陽ざしに邪魔された。  汗をべっとりかいていて気分が悪いのに、眼をこじ開ければ、窓の向こうに広がる燦然とした青と緑に心地よさも憶える。扇風機のスイッチをいじって、昨晩の寝しなに吹かしたシケモクに火をつけた。時刻はちょうど午前六時。休日に起きるには早すぎる時間だが、妙に頭がすっきりと冴えてしてしまっている。きっと横になっても仕方がないので、ぼくは咥えたばこで台所に立った。  ドリップパックのコーヒーを大胆に注いで、大体濃いめだろうか、と思ったところで氷に溶かす

          みなもと

          孤独はぼくら人類の味方のはずだ 孤独なときこそ誰かの言葉が神秘的になったりする それはただ続く日常への原動力になり あるいは創造するための糧になり ぼくらは簡単に、生理的に、眠ろうと思える つまらない一人の夜を憎むのは間違いだ 反対に誰かと語らう瞬間にも孤独は伴っているし 塞ぎ込むことを一概に孤独とは言わないわけで 人との繋がりを強く感じたとき、孤独ではないと言い切ることもまた出来ない 突き放されたことそのものは孤独じゃない 集団に暮らすことが孤独との訣別ではない 何時

          みなもと

          雑記・初体験

          はじめてのいい感じ もう戻れない、いい感じ あの感じ、忘れられない感じ はじめてカルチャーに触れたこと、 はじめての好きなものを食べたこと、 はじめて悪いことをしたこと、 はじめて良いことをされたこと、 はじめて愛を知ってしまったこと、 これから先に山ほどある体験のすべては、 ざんねんだけどはじめてのそれとは別物だ 上回るくらい鮮烈なこともあるけれども、しかしやっぱり別のものであって、上書きされることはない 今はもう、それなりに多くを知ってしまった 大人だからね、あっと

          雑記・初体験

          造作もない

          風呂に入るのは造作もなく 服をぬいで、タオルをこしらえて、どぶんと浸かる夜 水を飲むのは造作もなく コップをだして、栓をひねって、蛇口からだくだくと 音楽を聞くのは造作もなく ボタンをおし、また何度かおすうちに、きーきー流れる 煙草をすうのは造作もなく お店で買ったら、あけて、ライターを使えばもくもくと 生きるのは造作もなく 造作もないことを繰り返せば、どくどくと鳴り続ける 死ぬことは造作もなく 書くのも嫌になることを謀って、やれば、しーんとする しかし、好きなひとに会うの

          造作もない

          ファンへ、おれより

          今からひと月前、3月27日にユレニワは渋谷WWWにて、「LAND」と題したワンマンライブを行なった。 内容はボリューム感のあるワンマンらしい長尺で、チケットはソールドアウト。それもすべてを手売りで。 バンドのキャリア史上最大キャパシティでの自主企画ということもあって、メンバーや制作スタッフ陣に限らず、ファンたちの期待や緊張も高かった。 だから伝説をつくる覚悟で挑んだ。自分なりのやり方で、のびのびと、それでも鋭く強かに!…と出だしくらいは格好つけた言い方をさせてくれ。 ↓SE

          ファンへ、おれより

          詩・小箱

          小箱の中にいるから、僕には何もわからない。 小箱には窓もないし、扉もない。 いいや、窓や扉くらい、本当はあるよ。 だけど開ける気はね、さらさらないんだ。 美しい雪化粧を施した街並みを、 しん、って、本当に喋るみたいに落ちる雪を、 皮脂や埃でよごれた肌を貫通する冷気を、 見たり、聞いたり、感じる勇気がないんだ。 あったかいから、冬なのに、小箱の中だけは。 だけども、 もしかしたら、いつも通りの街かもしれないけど、 ただ濡れた色になった街並みだとすれば、 それは、それで、嫌だもの

          詩・小箱

          詩、「浮遊する」

          飛び降りたいんだ このビルから ひとおもいに 飛び散りたいんだ  血や肉や臓物をあらわに 真に 裸になって その姿には 知らない誰かが情けをかける 情けの涙で 木が芽吹く ということがあるらしい 木の下には花が咲いて まっすぐ育つ 陽の方に それは形を変えたぼくの魂 さいごのことば! でも 魂は枯れる 弱くなって空になる 陽は差す からからになった空の殻 吹き抜けるビル風に 風化する、やっと 身も 心も 風を抱きよせる 忘れないと誓うけど 必ず忘れてしまうということ

          詩、「浮遊する」