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家守綺譚・梨木香歩



この本は、私の感覚では
民俗学がベースにある物語だなと思いました

本の説明に
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日常にこぼれ出る豊穣な気配
花は人を恋い、水は友を招く
それは、ついこのあいだ  ほんの百年前の物語
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とあります

亡くなった友人が当たり前のように現れたり
草木に心が宿り、その精霊や妖怪達と
当たり前のように心を通わせる

人間と霊と精霊と妖怪が
なんの隔たりもなく存在していて

中でも、なんか良いなって思ったのが
サルスベリという花のなる木が
ひとりの人間を好きなって
彼女なりにアプローチしているところが
なんとも可愛らしくて微笑ましいな、と
その恋を応援したくなりました

私がサルスベリの木だったとしても
同じように、その人を好きになったかもしれないな、とも思ったりします

不思議といえば不思議なのだけど
きっとあり得ない話ではないのだろうと
私は思っています

というより、今の時代だって
私たちが感じ取れていないだけで
本当はそういう事があるのかもしれない

見えるものが全てだと思い込むと
見えないものを感じ取ることをしなくなる
そうやって、失われてきたものが
沢山あるのかもしれない



この本を読むのは2回目なのだけど
昔々の日本人の思想が垣間見得た気がして
凄く癒されながら、その時代を羨ましく思いながら
新鮮な気持ちで読み進めました

本来の自然と人間との距離感や、
見えない世界と現実との間に
本当は境界線などないのだと
そんな事を教えて頂けたように思います

妖怪なんて、私には恐怖でしかないのだけど
そんな怖がりの私でも全く怖くなくて
それどころか、河童の女の子に
「可愛い」という気持ちまで芽生えてしまった

そんな本でした

ジブリのBGMを聴きながら
まったりと過ごせた午後でした

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