月にむらくも 花にかぜ 前日譚 vol3
次の揺れはいきなり来た!
あまりの激しさに立っていられない。よっちゃんと私はその場にしゃがみ込んだ。
逃げなきゃ!
分かっているが身体が岩になっている。
「何やってんだ!来い!」
誰かが二人の手を引いてくれた。
転がるように私らは外へ出た。
手を引いてくれたのは同じクラスの斉藤君だった。
痛いほど手を引かれ、私たちは外へ出た。
外の光は眩しく、それが私にはひどく嬉しかった。
良かった!外だ!
地震の怖さが薄らいでいくのがわかる。
もう揺れは来ないだろうと根拠のない自信も湧いて