今井 浩恵 / SHIRO

起業家。 SHIROという、コスメティックブランドを作っています。 TABISHIRO…

今井 浩恵 / SHIRO

起業家。 SHIROという、コスメティックブランドを作っています。 TABISHIROというポッドキャストはじめました。 https://shiro-shiro.jp

記事一覧

15周年を迎えたSHIROが、伝えたいこと

15年目の宣言 2024年6月23日、SHIROは15周年を迎えました。 15年前は、現在のようにコンセプトが明確ではありませんでしたし、こんなにもたくさんの人に愛していただけ…

なぜ、SHIROの工場に「年間30万人」訪れるのか?

選択肢は無限、というけれど 働き方にも多様性が生まれ、現代は「生き方を自由に選べる時代」なんて言われることがあります。 でも、現実はそうではない…というのが私…

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SHIROの「まちづくり」はこうして始まった

「みんなの工場」をつくった理由 生活をしているなかで、「探しているものは、意外と近くにあった」なんて経験をしたことが、誰しも一度はあると思います。 経営も同じ…

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なぜ私は、SHIROの社長をやめたのか

コスメティックのメッカに出店する 仕事のプロフェッショナルは、自分の仕事を通して世界を見つめているような気がします。 旅人は旅を通じて世界を見つめていますし、…

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独立系ブランドが「伊勢丹 新宿店」に出店するまで

はじまりは、札幌駅の「ロッカー横」 街を歩き、ご飯を食べて、文化を知る。偶然の出会いやインスピレーションを求めて、知らない土地をめぐる。 SHIROの一つひとつのお…

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利益よりも、大切なこと

北海道から2,200キロの旅路 「なるほど昔の人って、自然をうまく生活に取り入れていたんだ」 素材探しの旅をしていると、さまざまな学びが蓄積されます。その一つは、素…

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足寄町で出会った、トトロのふき

日本で一番大きな、トトロのふき 足を運んだ先に何があるのかは分からない。それでも、歩みを進めてみる。すると、幸運な偶然に出会うことがあります。 北海道の足寄町…

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人生でいちばん悔しかった日

銀行で言われたあの一言 みなさんは、忘れられないほど悔しい経験をしたことがありますか。 私は、あります。26歳でローレルの社長になったときのことです。 お付き合い…

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私は、専業主婦になりたかった

旅と人生は似ている よく、旅と人生は似ている、と言われます。 予定を立てて観光地をめぐる旅行とは違い、旅は不透明な世界を、直感に任せて歩くもの。「先が見えない…

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がごめ昆布が、教えてくれたこと

当たり前、を見つめ直す 何気ない会話や、いつも食べているご飯。昨日と変わらない景色。 自分にとっての「当たり前」を見つめ直してみると、それらが予期せぬ場所に連れ…

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トルコのおばあちゃんの横顔

今でも、思い出す旅 ときどき、ふとこんなことを思います。 あの旅で出会ったあの人は、今どうしているんだろう。 あの場所は今、どうなったんだろう。 また現地を訪れて…

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Podcastをはじめました!

こんにちは、SHIROの今井浩恵です。 この度、Podcastをはじめました。 4月7日から、旅をテーマにしたPodcast「TABI SHIRO 〜足を運んで、見て、聴いて〜」がスタートして…

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なぜ、中学受験をするのか?

久しぶりの投稿。 中学受験準備に明け暮れる毎日です。 朝起きて、瞬きを5回くらいしたらもう夕方。 12月に入ってからそんなあっという間な毎日です。 10月に受けていた…

ちっぽけな違和感に気づけることがものづくりの原点

zoom中、横で「オエー」と吐き出したみっつ。 2回目の吐き出しの時に、いつも遊んでいるおもちゃが出てきたので、ちょっと安静にしてね、とケージに入れる。30分後、聞いた…

息子たちの受験の話し。

ネコのはちみつがもう少しで5ケ月になります。 そろそろ首輪でもと付けたら、その5分後には首輪が嫌すぎて暴れまくって血だらけになっていたり、キッチンに登ってシンクに…

良いところを伸ばすという考え方

「人は誰でもこの世にうまれた理由がある」 高校の時の恩師に言われた言葉です。 当時、素行が悪く、よく職員室に呼ばれ怒られていたのですが、 「お前のうまれてきた理由…

15周年を迎えたSHIROが、伝えたいこと

15年目の宣言 2024年6月23日、SHIROは15周年を迎えました。 15年前は、現在のようにコンセプトが明確ではありませんでしたし、こんなにもたくさんの人に愛していただけるブランドになるとは夢にも思っていませんでした。 ブランド名も「SHIRO」ではなく「LAUREL」からのスタートで、今日に至るまでの旅路では、数え切れないほどの変化がありました。 その中で、ずっと変わらなかったことは、「自分たちが毎日使いたいものをつくる」という想いです。私の想いは「SHIR

なぜ、SHIROの工場に「年間30万人」訪れるのか?

選択肢は無限、というけれど 働き方にも多様性が生まれ、現代は「生き方を自由に選べる時代」なんて言われることがあります。 でも、現実はそうではない…というのが私の考えです。 確かに、以前に比べると、生き方には多様性が生まれていると思います。都会では転職は当たり前になり、結婚しない人生も珍しくなくなりました。だけど、日本全国すべての地域がそういうわけではありません。 SHIROの創業の地である北海道砂川市は、人口が1万6000人ほどの小さなまちです。小学校は5校、中学校

SHIROの「まちづくり」はこうして始まった

「みんなの工場」をつくった理由 生活をしているなかで、「探しているものは、意外と近くにあった」なんて経験をしたことが、誰しも一度はあると思います。 経営も同じです。SHIROは砂川にある「みんなの工場」を設立する以前、千葉や静岡など関東近郊のエリアに新しい工場の建設を計画していました。本社のある東京から近い距離にあるほうが、輸送や採用の観点で、経営しやすいからです。 合理的に考えれば、関東につくる方が良い。それでも、ずっとモヤモヤしたまま決断できなかったのは、なんだか

なぜ私は、SHIROの社長をやめたのか

コスメティックのメッカに出店する 仕事のプロフェッショナルは、自分の仕事を通して世界を見つめているような気がします。 旅人は旅を通じて世界を見つめていますし、フォトグラファーはレンズから世界を見つめています。私は、コスメティックから世界を見つめてきました。 どうすれば人々をしあわせにできるか、どうやって世界をよくしていくか。その方法を、コスメティックから、SHIROというブランドから考えてきたのです。 2016年10月、SHIROはロンドンのキングス・ロードに海外1

独立系ブランドが「伊勢丹 新宿店」に出店するまで

はじまりは、札幌駅の「ロッカー横」 街を歩き、ご飯を食べて、文化を知る。偶然の出会いやインスピレーションを求めて、知らない土地をめぐる。 SHIROの一つひとつのお店は、そうした旅をして出来上がっています。いまや国内28店舗、ロンドンと台湾にもお店を構えるようになりましたが、ひとつとして同じお店はありません。 それぞれの土地の風土や街並み、ショッピングビルなどの空気に合わせて、オリジナルのお店をつくっています。今日は、そんなお店づくりのお話です。 初めて実店舗をオープ

利益よりも、大切なこと

北海道から2,200キロの旅路 「なるほど昔の人って、自然をうまく生活に取り入れていたんだ」 素材探しの旅をしていると、さまざまな学びが蓄積されます。その一つは、素材がかつてどのように使われてきたかという先人たちの知恵に触れた時の、畏怖にも似た驚きです。 今は技術の発展によって、素材の成分を分析し、しようと思えばその効果効能を科学的に明らかにできる時代になりました。 でも、そうした実証を経なくても、昔の人たちは自然に、天然の素材を「正しく」使っていたケースが多いので

足寄町で出会った、トトロのふき

日本で一番大きな、トトロのふき 足を運んだ先に何があるのかは分からない。それでも、歩みを進めてみる。すると、幸運な偶然に出会うことがあります。 北海道の足寄町への旅は、私にとって、そんな幸運な偶然のひとつでした。旅の目的は、ラワンぶきという、大きなふきを生産しているご夫婦に会いにいくこと。私たちが、がごめ昆布につぐ、製品の新しい素材を探していた頃のことです。 多くの人は、いきなり「ふき」と聞いても、ピンと来ないかもしれません。でも、きっとご存知のはず。映画『となりのト

人生でいちばん悔しかった日

銀行で言われたあの一言 みなさんは、忘れられないほど悔しい経験をしたことがありますか。 私は、あります。26歳でローレルの社長になったときのことです。 お付き合いのあった銀行の支店長さんに挨拶に行ったら、シャワーのように罵声を浴びせられてしまいました。 私にとって、あまりに悔しい経験でした。 始める前から、どうしてそんなことを言われなきゃいけないんだって。銀行から会社に戻る道の途中、「今に見てろよ」と唇をかんだことを、今でも鮮明に覚えています。 悔しかったのは、それ

私は、専業主婦になりたかった

旅と人生は似ている よく、旅と人生は似ている、と言われます。 予定を立てて観光地をめぐる旅行とは違い、旅は不透明な世界を、直感に任せて歩くもの。「先が見えないから面白い」という意味では、たしかに、人生は旅と似ているのかもしれません。 私の人生も、筋書きのないドラマです(誰だってそうですね)。 いまではSHIROの会長、ブランドプロデューサーを担っていますが、経営者になる未来を想像したことはありませんでした。両親はサラリーマンで、一人っ子の私は大切に育てられたこともあ

がごめ昆布が、教えてくれたこと

当たり前、を見つめ直す 何気ない会話や、いつも食べているご飯。昨日と変わらない景色。 自分にとっての「当たり前」を見つめ直してみると、それらが予期せぬ場所に連れて行ってくれることがあります。 私にとっての「当たり前」のひとつが、生まれ故郷の北海道です。 北海道には、世界に誇れるたくさんの名産品や、恵まれた大自然があります。 この大自然を、やっぱり製品開発にいかせるんじゃないか。 通勤路を車で走っていたら、そんな当たり前のことに気が付きました。前回のトルコでお伝えした世界

トルコのおばあちゃんの横顔

今でも、思い出す旅 ときどき、ふとこんなことを思います。 あの旅で出会ったあの人は、今どうしているんだろう。 あの場所は今、どうなったんだろう。 また現地を訪れて、生産者さんたちとお話をしたいなあ、とも。 そんな印象深い旅のひとつ。 今でもたまに思い出すのが、トルコへの素材探しの旅でした。SHIROの前身のブランド、LAURELを立ち上げてから5ヶ月後、2009年11月のことです。 トルコを訪れた理由は、ローレルオイルを探すためでした。 ローレルは日本では月桂樹として

Podcastをはじめました!

こんにちは、SHIROの今井浩恵です。 この度、Podcastをはじめました。 4月7日から、旅をテーマにしたPodcast「TABI SHIRO 〜足を運んで、見て、聴いて〜」がスタートしています。「TABI SHIRO」ではこれから、SHIROが誕生するうえで必要不可欠だった旅の記録をお届けしていきます。 意外に思われるかもしれませんが、SHIROを語るうえで「旅」は欠かせません。SHIROの製品は、旅を通して見つけた素材や、現地で得たインスピレーションを通じて生み出

なぜ、中学受験をするのか?

久しぶりの投稿。 中学受験準備に明け暮れる毎日です。 朝起きて、瞬きを5回くらいしたらもう夕方。 12月に入ってからそんなあっという間な毎日です。 10月に受けていた模試の結果があまりに最悪で、 2ヶ月くらい直視できなかったのですが、 12月に入るとそうも言ってられない。 思いきって適当に過去問をやらせてみると、 あれ?いがいといける??半分くらいはできてるかも。 ってな感じで、私自身の心が前向きになれました。 長男の時にはみたこともないような数字を突然ぶっ込んでくるの

ちっぽけな違和感に気づけることがものづくりの原点

zoom中、横で「オエー」と吐き出したみっつ。 2回目の吐き出しの時に、いつも遊んでいるおもちゃが出てきたので、ちょっと安静にしてね、とケージに入れる。30分後、聞いたこともないケージを破壊している音が聞こえたので、行くと、本当にケージを破壊してる。。ペットボトルのフィルムを爪と口で剥がし、トイレの猫砂はひっくり返し、虎のようにケージを食いちぎっているネコ。「ここから出せーーー」と、言わんばかりにね。犬は飼い主に逆らったりしないけど、ネコは自由を奪われると怒るのね。まるで私み

息子たちの受験の話し。

ネコのはちみつがもう少しで5ケ月になります。 そろそろ首輪でもと付けたら、その5分後には首輪が嫌すぎて暴れまくって血だらけになっていたり、キッチンに登ってシンクに落ちていたお米をムシャムシャしていたり、花や植物をおもちゃと思って遊んでいたり、全く目を離せない破天荒姉妹ですが、可愛すぎて毎日ベロベロしちゃってます。 今日はボーイズの話し。 来年彼らは、大学受験と中学受験(予定)を控えています。 なので、この夏は毎日塾への送迎が私の一番の仕事です。いつもなら海に山にディズニー

良いところを伸ばすという考え方

「人は誰でもこの世にうまれた理由がある」 高校の時の恩師に言われた言葉です。 当時、素行が悪く、よく職員室に呼ばれ怒られていたのですが、 「お前のうまれてきた理由はなんだ。」と、 同じことで毎度怒らせる私に先生が突き放したように言いました。 この世に生を受け、世の中に役立つ理由が皆平等にあってうまれてきているのだから、こんなくだらないことをやってないで、その「うまれてきた理由」を時間をかけて探せと。こんなくだらないこととは、学校でタバコをすったり、授業にでなかったりってこ