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Podcastをはじめました!

こんにちは、SHIROの今井浩恵です。

この度、Podcastをはじめました。
4月7日から、旅をテーマにしたPodcast「TABI SHIRO 〜足を運んで、見て、聴いて〜」がスタートしています。「TABI SHIRO」ではこれから、SHIROが誕生するうえで必要不可欠だった旅の記録をお届けしていきます。

意外に思われるかもしれませんが、SHIROを語るうえで「旅」は欠かせません。SHIROの製品は、旅を通して見つけた素材や、現地で得たインスピレーションを通じて生み出されています。国内外のさまざまな自然や体験、大切な方たちとの出会いがなければ、現在のSHIROは存在していません。

だからこそ、改めてSHIROの旅を振り返ってみようと思います。
 
noteはPodcastと連動して更新していく予定です。
毎週1回のペースでアップしていきますので、どうぞお付き合いください。


偶然だから、おもしろい

初回は、「旅と旅行の違い」について。
似ているようで異なるこの2つ。その違いは、SHIROのものづくりへの向き合い方にも表れています。

私にとっての「旅」は、「旅行」とは大きく異なります。
旅行は、あらかじめ決められた場所を決められた日程で回る、いわばツアーのようなもの。一方、旅では、気が赴くままに世界を歩きます。「その土地へ行くこと」を目的とする旅行に対し、旅の目的は「何かを掴んで帰ってくること」。ある意味、とても不確実です。
 
でも、それが面白い。
私が旅を大好きな理由は、世界をめぐることも、ものづくりも、不確実な方がきっと面白いと思うから。決められたレールの上を歩むのではなく、偶然の出会いやインスピレーションを信じて、常に新しく在り続けたいと思っています。
 
それは、SHIROのものづくりでも同じです。
決まった原料を電話とメールで仕入れるのではなく、素材の旅に出かけて探しに行きます。良さそうな素材を自分たちで見つけ出し、現地の方たちとの触れ合いを通して、製品に落とし込む方法を探っていくのです。
 
何が起こるかわからない。
でも、「何か」を掴んで帰ってくる。
そんなプロセスが、私は大好きです。

だけれども、今、世の中のものづくりの多くは、計画的で合理性の高いものが増えているように感じます。ご存知の方も多いと思いますが、店頭に並べられている多くの化粧水は、実績のある原料を大量に仕入れ、水を加えて製品化されています。合理性を追求する経済の論理でいえば、それは正しいのかもしれません。

でも、私はそうしたものづくりをどうしても本質的だと思えません。そして、そんな製品が溢れる世の中は、とても寂しい。

だから、SHIROは「旅」のように非効率だけれど「人間に良いもの」をつくり続けています。

それが、私たちの信念です。

考えが「180度」変わった

とはいえ、今のSHIROに辿り着くまでには紆余曲折ありました。

もちろん、失敗もたくさんしています。
初めての自社ブランド「LAUREL」は、困難なことばかりでした。なんとなく良い香りがする製品を、かわいいパッケージで、手頃な価格で販売しても、全く見向きもされませんでした。それはもう、びっくりするくらいに(笑)。

変化のきっかけは、長男の出産。考えが180度変わりました。

当時のLAURELは、世の中の店頭に並べられている多くの製品と同じようなつくり方をしていました。でも、ふと自社製品を眺めている時にこんな気持ちが溢れてきました。

「これを自分の子どもに使いたいと思えないな」

そして同時に、こんな想いが芽生えました。

「自分の子どもに使いたくないものをお客様に売るなんてことも、絶対にしたくない」

制約条件をとっぱらい、「自分たちが本当に毎日使いたい」と思える、優れたものだけをつくると決意しました。

参考にしたのが、イギリス生まれの化粧品ブランド、LUSHです。LUSHが掲げる、「A LUSH LIFE – ラッシュの信念」の冒頭には、こんな言葉が記されています。

「私たちは、フレッシュでオーガニックなフルーツや野菜、高品質のエッセンシャルオイル、そして安全性の確認された合成物質から効果的な商品を作ることを信じています」

これを読んで、世界に愛されるブランドが素材にこだわっているということを知りました。そして、すぐに取り入れてみようとも。

でも、当時の私たちはまだまだ小規模。取引先から、高品質で珍しい素材を手に入れられるほど、ビジネスの世界は甘くありません。

もう、自分たちで探しにいくしかない。
そうして、素材探しの旅が始まったのです。

「いい空気」を探しにいく

私はよく「現地現物」という言葉を使います。
これは「自分の目で見たものがすべて」ということを意味しています。誰かが言っていたことではなく、自分の目で見て、心で感じて理解したことが大切なのだ、ということです。旅で素材を探すときも、徹底して現地現物にこだわります。

具体的には、こんな感じで。
まずはインターネットで簡単に情報を集めます。重要なのは、素材の旅の起点となるキーパーソンや魅力的な活動を見つけること。まっさらな状態で現地にいくと、何も見つけられずに手ぶらで帰ることになりかねないので、1つか2つだけアポイントを入れておきます。

そこで素晴らしい人に出会うことができれば、その時点で、ほとんど良い素材にたどり着けたも同然だといっても良いかもしれません。いい空気をまとう人の周囲には、同じようにいい人がたくさんいて、そこから素晴らしいコミュニティが広がっているもの。

だから、そんな人に出会えたら、いずれ良い素材が見つかるものです。後日、改めてご紹介しますが、人気製品のひとつ「がごめ昆布化粧水」も、そんな出会いから生まれました。

もうひとつ、旅先で大切にしていることが、現地のライフスタイルに浸ることです。食べ物や街並み、気温や湿度、起床時間、日中の過ごし方まで…。日常と異なる現地のライフスタイルに、新たなアイディアのヒントが眠っているものです。

スーパーのレジ横にある搾りたてのオレンジジュースを飲んでみたり、公園で犬を散歩している人に話しかけてみたり。偶然知り合った人が「午後はピラティスに行くわ」と言えば、参加してみたりします。

ふらっと立ち寄り、出会い、重なり、交わっていくのが「旅」の魅力。見た景色や現地の匂い、人々との会話が製品の空気感に乗って、皆さんの元に届いていると嬉しいです。

忘れられないパリのお店

最後にもうひとつだけ、SHIROを形づくった旅のお話を。

はじめて自社ブランドをつくろうと思ったのも、旅がきっかけでした。
パリを旅したときに、偶然出会ったのが「OLIVIERS&CO」というブランドでした。ふらっとお店に入って手に取ったバーベナの香りの石鹸があまりにも素敵で、「いつかこんな製品をつくりたい」と衝撃を受けました。あの日のことは今でも、昨日のことのように覚えています。

後から知った話ですが、「OLIVIERS&CO」を始めたのは、「ロクシタン」の創業者であるオリヴィエ・ボーサンさんでした。
 
幸運にも、こうした素敵な出会いに恵まれたのは、旅行ではなく旅をしていたからだと思います。目的が決まりきっていると、どうしても、それ以外のことをミュートしてしまいます。目的地に向かう道中の景色を、覚えていなかったりするものです。

一方、旅は、道中で気になったお店に寄れるし、出会うはずのなかった人との会話も生まれます。道中の景色も、色濃く記憶に残ることでしょう。気が赴くままに世界を歩くからこそ、多くの気付きが得られるのです。
 
だから私は、旅に感謝していますし、たくさんの方に、旅が見せてくれる世界を伝えたいと思っています。
 
これから続くnoteでは、私とSHIROが旅した世界の記録を更新していきます。旅路を紹介するだけでなく、SHIROの製品が生まれるまでの物語を紹介しながら、みなさんが旅に出たくなるような情報を発信していく予定です

最後まで読んでくださり、どうもありがとうございます。
そして、SHIROをめぐる旅の世界へ、ようこそ!

(編集サポート:泉秀一、小原光史)

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