今井 浩恵 / SHIRO

起業家。 SHIROという、コスメティックブランドを作っています。 TABISHIRO…

今井 浩恵 / SHIRO

起業家。 SHIROという、コスメティックブランドを作っています。 TABISHIROというポッドキャストはじめました。 https://shiro-shiro.jp

最近の記事

NewsPicks元編集長が、世界の旅に出る理由

SHIROが誕生するうえで必要不可欠だった旅の記録をお届けする、旅をテーマにしたPodcast「TABI SHIRO 〜足を運んで、見て、聴いて〜」。皆さんに読んでいただいているnoteは、Podcastに連動する形で更新されています。 番組聴いていただいている方はご存知だと思いますが、TABI SHIROは、私が旅について一人で語っているわけではありません。経済メディア『NewsPicks』元編集長で、現在はノンフィクションライターとして活動されている泉秀一さんをMCにお

    • SHIRO流、「社会を良くする」仲間の集め方

      「僕は会いたくありません」 人生は素敵な出会いの連続で彩られます。 専業主婦になるはずだった短大生の私は、就職活動の合同説明会で偶然、足を運んだブースでの出会いがきっかけで、SHIROの前身であるLAURELに入社しました。 社長になってからは、信頼できるスタッフたちと出会うことができ、さまざまな業務を任せられるようになりました。今は、自分が得意とするブランドプロデューサーに専念できています。 プロデューサーになってからは、社会課題の解決に本気で取り組む方々との出会

      • SHIROが「徳島県の学校」をサポートする理由

        新設される高専に寄付 3年前にSHIROの社長を退任して会長になってから、没頭してきたことのひとつが「まちづくり」です。 SHIROの故郷である砂川に「みんなの工場」をつくるなど、地域が持つポテンシャルを最大限に引き出すことに全力を注いでいます。 その活動のひとつが、徳島県の神山町で設立された「神山まるごと高等専門学校」のサポートです。 神山まるごと高専は、2023年に開校した新しい高等専門学校で、文部科学省認可の高専としての新設は19年振り。高専と聞くとロボコンを

        • SHIROは「古着」を始めます

          「消費」で心は満たされない 世界一幸福な国・フィンランドを旅してみたら、人々が幸福に暮らすためのヒントがたくさん見つかりました。 森が身近だしまちも綺麗。宿の周辺を散策するだけで魅力を感じることができる素敵な国ですが、とりわけ印象的だったのが、“消費ではなく循環で心を満たす文化”です。 ほとんどの先進諸国で大量生産・大量消費が行われていて、たくさんの物が捨てられています。購買力の高いフィンランドにもそうした側面はあるのでしょうが、同時に循環を大切にする文化も根付いてい

        NewsPicks元編集長が、世界の旅に出る理由

          SHIROが「フィンランド」から学んだこと

          幸福の理由を探しに、フィンランドへ 私たちが暮らす日本は、美しい自然に恵まれ、豊穣な文化が根付く国です。治安がよく、生活インフラも整っていて、機能的にも暮らしやすい。世界各国を旅してきましたが、「便利さ」でいえば世界トップクラスだと感じています。 しかし、国連の持続可能開発ソリューションネットワーク(SDSN)が発表する「世界幸福度ランキング」では、順位が低迷しています。2024年の結果は、143ヶ国中51位でした。 どうして幸福度について気になったのかというと、社外

          SHIROが「フィンランド」から学んだこと

          幸福をもたらす「つなぐ」という価値観

          イタリアから学ぶ旅 これまでいくつもの国や地域を旅してきましたが、とりわけ「忘れられない旅」というものがあります。 私にとってそのひとつが、愛と情熱の国・イタリアへの旅路です。2023年の11月と今年の4月に、イタリア北部の"まち"を旅してきました。 これまでも、何度かイタリアを訪れたことはありますが、当時は旅というよりは旅行で、美味しい食事と美しい景色、そして「アモーレ!」の雰囲気を味わっただけで帰ってきてしました。 2度の学びの旅には、明確な目的がありました。

          幸福をもたらす「つなぐ」という価値観

          SHIROは「クレーム」をすべて公開する

          どんなクレームも「ひらく」 企業の姿勢が表れるもののひとつが、お客様からのクレームです。 クレームというと、どうしても「対応しなければいけないもの」というネガティブに受け取られることもありますが、企業の成長のチャンスでもあります。SHIROはこの機会を大切にして、お客様からいただいたクレームを、たとえそれがどんな内容であれ、社内外に公表すると決めています。 良いことだけでなく悪いことも隠すことなく開示して、より良い未来をつくるための糧にする。大袈裟だと思われる方は、ぜ

          SHIROは「クレーム」をすべて公開する

          なぜSHIROは、「広告宣伝」をしないのか?

          「もう宣伝はしない」と決めた日 恋人や家族、長い付き合いのおともだち。 大切な誰かに贈るプレゼントを選ぶとき、相手が大好きなブランドや、自分が誰かにあげたいと思えるブランドの製品を能動的に手に取るものです。本当に大切な相手であれば、「電車広告で見たから」「インスタで流れてきたから」といった受動的な理由では決めません。 そうであれば、自分へのお買い物も、本当に好きなものを選んで欲しい。広告を見て、なんとなく「買わされる」のではなく、自分の意思で手に取って欲しい。 そん

          なぜSHIROは、「広告宣伝」をしないのか?

          SHIROが「マーケティング」をしない理由

          「ニーズ調査」をしない理由 製品をつくるとき、まず何から始めるかーー。この質問は単純なようで、企業それぞれの価値観が表れる本質的な問いかけだと思います。 SHIROは、「自分たちが毎日使いたいもの」をつくることを追求してきたブランドです。がごめ昆布美容液も、ラワンぶき化粧水も、タマヌオイルUVも。SHIROの製品はもともと、私がこんなものがあったら使いたいなと、ずっと探していたアイテムばかりです。 製品をつくるときのポイントは、自分たちが毎日使いたいかどうか。いま世の

          SHIROが「マーケティング」をしない理由

          SHIROが考える、「本当の贅沢」のはなし

          「暮らし」は誰かの仕事でつくられている 食卓に並べられたごはんとお味噌汁、仕事に出かけるときのワードローブ。退屈な日常を彩る素敵な音楽や、疲れたからだをいたわるボディケアグッズ…。私たちの毎日は、誰かの仕事でつくられています。 でも、製品が生まれるまでの過程、誰かの仕事に心を馳せる機会は、なかなかありません。店頭で購入するときだってそうなのですから、インターネットで製品を購入するとなるとなおさらです。 それが必ずしも悪いことだとは言いませんが、自分が普段使いしている製

          SHIROが考える、「本当の贅沢」のはなし

          SHIROが始める「森と生きる」宿泊施設

          つくり手の「顔が見える」建築 2024年、春。 ブランド創設から15年の記念すべき今年、SHIROは北海道の長沼町に一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO(メゾンシロ)」をオープンしました。 「どうしてSHIROが宿泊施設をつくったの?」と不思議に思われる方がいるかもしれませんが、もちろんしっかりとした理由があります。 SHIROが生まれ育った砂川に「みんなの工場」を建てているときのこと。使用する木材を選び、どのように使うかを建築に関わるメンバーと考えている中

          SHIROが始める「森と生きる」宿泊施設

          15周年を迎えたSHIROが、伝えたいこと

          15年目の宣言 2024年6月23日、SHIROは15周年を迎えました。 15年前は、現在のようにコンセプトが明確ではありませんでしたし、こんなにもたくさんの人に愛していただけるブランドになるとは夢にも思っていませんでした。 ブランド名も「SHIRO」ではなく「LAUREL」からのスタートで、今日に至るまでの旅路では、数え切れないほどの変化がありました。 その中で、ずっと変わらなかったことは、「自分たちが毎日使いたいものをつくる」という想いです。私の想いは「SHIR

          15周年を迎えたSHIROが、伝えたいこと

          なぜ、SHIROの工場に「年間30万人」訪れるのか?

          選択肢は無限、というけれど 働き方にも多様性が生まれ、現代は「生き方を自由に選べる時代」なんて言われることがあります。 でも、現実はそうではない…というのが私の考えです。 確かに、以前に比べると、生き方には多様性が生まれていると思います。都会では転職は当たり前になり、結婚しない人生も珍しくなくなりました。だけど、日本全国すべての地域がそういうわけではありません。 SHIROの創業の地である北海道砂川市は、人口が1万6000人ほどの小さなまちです。小学校は5校、中学校

          なぜ、SHIROの工場に「年間30万人」訪れるのか?

          SHIROの「まちづくり」はこうして始まった

          「みんなの工場」をつくった理由 生活をしているなかで、「探しているものは、意外と近くにあった」なんて経験をしたことが、誰しも一度はあると思います。 経営も同じです。SHIROは砂川にある「みんなの工場」を設立する以前、千葉や静岡など関東近郊のエリアに新しい工場の建設を計画していました。本社のある東京から近い距離にあるほうが、輸送や採用の観点で、経営しやすいからです。 合理的に考えれば、関東につくる方が良い。それでも、ずっとモヤモヤしたまま決断できなかったのは、なんだか

          SHIROの「まちづくり」はこうして始まった

          なぜ私は、SHIROの社長をやめたのか

          コスメティックのメッカに出店する 仕事のプロフェッショナルは、自分の仕事を通して世界を見つめているような気がします。 旅人は旅を通じて世界を見つめていますし、フォトグラファーはレンズから世界を見つめています。私は、コスメティックから世界を見つめてきました。 どうすれば人々をしあわせにできるか、どうやって世界をよくしていくか。その方法を、コスメティックから、SHIROというブランドから考えてきたのです。 2016年10月、SHIROはロンドンのキングス・ロードに海外1

          なぜ私は、SHIROの社長をやめたのか

          独立系ブランドが「伊勢丹 新宿店」に出店するまで

          はじまりは、札幌駅の「ロッカー横」 街を歩き、ご飯を食べて、文化を知る。偶然の出会いやインスピレーションを求めて、知らない土地をめぐる。 SHIROの一つひとつのお店は、そうした旅をして出来上がっています。いまや国内28店舗、ロンドンと台湾にもお店を構えるようになりましたが、ひとつとして同じお店はありません。 それぞれの土地の風土や街並み、ショッピングビルなどの空気に合わせて、オリジナルのお店をつくっています。今日は、そんなお店づくりのお話です。 初めて実店舗をオープ

          独立系ブランドが「伊勢丹 新宿店」に出店するまで