縄
生きてるだけで幸せだと思わないか?
そんなベタな問いかけを自分に叩きつけ縄から手を離し椅子から降りた午前4時
やりきれなかった後悔とまだ生きていられる喜びとの間を右往左往した
縄に手をかけた瞬間なぜその質問が頭を過ったのかは分からない
ただこの何も無い誰もいない部屋で、散らかった服と飲みかけのオレンジジュースだけが私を見ていた。
その場にへたりこみ静かに息をした。どうやっても生きていた。そして今も。
生きていればいいのであればやってみよう 必要最低限の呼吸と微弱な鼓動だけ連れて
どのくらいへたり込んでいたのか
もうすぐ夜が明ける。太陽が昇る。
できれば私の幸せも一緒に連れて昇ってきてはくれないか?
そう思いながら薄日に照らされぶら下がる縄を眺めていた。
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