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外国人であることのアドバンテージ

今回も税理士試験に関わるトピックから離れて、海外で暮らして感じたこと、また日本に滞在する外国人の立場で考えた、外国人が母国以外の国で生活することによる有利な点を纏めてみました。

外国人が生まれ育った国を離れて異国で生活することは、言語の障害、食生活や日常ルーツにおける生活習慣の差、家族や友人と離れてしまうことなど、ネガティブにとらえてしまう点がまず思いつきます。

しかし、ポジティブな点はないのでしょうか?

次のような3つのアドバンテージがあると思います。

外国人が異国で有利な点

① 母国の代表となる。

② 周りから優しくされる。

③ 独自の視点を得られる。

外国で生活して真っ先に感じることが、自分の国を代表しているという実感です。現地の人や外国に住む外国人から、会話のきっかけとしてあなたの国の文化や言語、歴史などの質問をされるでしょう。

特に日本人が海外に住むことになれば、長生きや健康の秘訣、規律、食文化、日本の製造メーカーなどの他の国には存在しない様な日本独自の事を尋ねられます。こういったことは、日本で生活していて同じ日本人から質問されるとは思えません。

また、海外現地企業であなたを採用する期待としては、母国企業のコンタクト窓口になれること、また母国市場にアプローチできることも雇用者としては期待しています。

海外にいるあなたは、自然と母国を代表する存在になっているのです。

2つ目は、どの国でも明文化されていない暗黙のルールや慣習があります。あなたが、それを知らずに取った行動を、現地の人が同じことを行うと周囲の人から非難されるでしょう。

一方で、あなたが外国人であれば知らないのは仕方ないと、周囲の人は寛容な目で許容してくれることです。

私の体験談としては、イタリア留学中にシチリア島の州都パレルモ市を観光したとき、バスのチケットを事前に購入せずに乗車したときです。
いきなり検閲スタッフが乗り込んできて、乗客全員のチケットを確認していました。もしチケットを証明できない場合は、現在では52ユーロの罰金を納付することになります。

チケットを持っていなかった私は、次のバス停で降車するように命じられ、検閲のスタッフに「君は旅行客か?」と言われ、「そうです。」とチケットを購入してからバスに乗車することを知らないそぶりを見せました。
そして、検閲のスタッフからは罰金を徴収されることなく、「もういいよ、行っていいよ。」と言われ事なきを得ました。

この時は、明らかにアジア人の顔をした私は、旅行客と見なされたことで、現地の人よりも寛容な対応を取ってもらえたと記憶しています。

遠い国から来た外国人だから仕方ない、その様な待遇を感じることでしょう。

最後に、母国の1ヶ国だけで生活していると比較可能な他国の生活経験はないので、母国での生活習慣に首をかしげることも多少あるかもしれませんが、それが当たり前とわきまえてるでしょう。

もし外国で暮らしてみれば、母国と外国の2つの国を知ることで、それぞれの良い所や劣っている所に気づき始めます。

2度目の結婚生活や転職で2社目での仕事、2台目のスマホを使うこと等、同じ分野やカテゴリーで2つ以上のことを体験すれば、自ずと各々の特徴、良さや欠点を比較することができます。

海外での生活に話題を戻すと、滞在国では見られない母国の美徳に気づき、また母国では体験しなかった外国の良い習慣、また悪いしきたりに気づくこともあると思います。

私が海外で得られた経験で日本でも広めたいと思ったことは、スーパーのレジ係に挨拶することや、バスの座席に座っているときに、傍で荷物を抱えて立って乗車している人に声をかけて、その荷物を膝の上に載せてあげること、授業後に個別に質問せずに授業中に質問して、周囲の生徒と質問を共有できるようにすること等です。

あなたが母国で形成した価値観やアイデンティティーに、あなたが外国で得た新たな価値観や習慣を賦課することで、あなた独自の行動力・発言力が生み出されるはずです。




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