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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2022年4月の記事一覧

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482: Queens Of The Stone Age / No One Knows

今日は、バンド名に「Queen」が入っているつながりです。 ジョシュ・オム率いるクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジが2002年にリリースしたアルバム『ソングス・フォー・ザ・デフ』(US17位/UK4位)からの1stシングルだったこの曲、US51位/UK15位を記録し、バンドにとってUSでは初のチャートインとなりました。 このアルバムは、デイヴ・グロールがドラムスで参加していることが話題となりました。 当時の彼は、フー・ファイターズのフロントマンの地位を確立していたのですが、このMVでは、ニルヴァーナ当時を思い出させる派手なアクションでドラムを叩く姿が非常に印象的です。 その後、メンバーチェンジはあるものの、バンドは継続して活動を続けており、2013年リリースの『ライク・クロックワーク』は、インディー・レーベルのマタドール・レコードからのリリースにもかかわらず、US1位(UKは2位)を獲得する快挙を成し遂げています。 ちなみに、このアルバムにもデイヴ・グロールはゲスト参加していました。

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481: Queen / You Take My Breath Away

「take my breath away」は、直訳すると「はっとさせる」という意味ですが、要は相手が魅力的という意味の決まり文句です。 ベルリンの大ヒットの約10年前、1976年にクイーンがリリースしたアルバム『華麗なるレース』(UK1位/US5位)に、頭に「You」が付いただけのほぼ同じタイトルの曲が収録されていました。 この曲、ピアノの伴奏に合わせたヴォーカル&コーラスが大部分を占めるのですが、ピアノだけでなく多重録音のコーラスも全部、フレディ・マーキュリー1人で録音しています。 あと、曲のエンディングはテープ・ループを駆使したと思われる、不思議なサウンド・エフェクトとなっています。 今だったら、サンプラーやDAWのコピペで簡単に作れるものですが、当時としては結構手のかかる作業を要したと思われます。 ちなみに、このアルバムには、日本語の歌詞を含む「手をとりあって」も収録されていました。 欧米で評価される前から支持してくれた日本のファンへのお礼の意味もあったとは思いますが、海外のミュージシャンが無理して日本語で歌わなくても良いんじゃないかと、個人的には思います。

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480: Berlin / Take My Breath Away

『フラッシュダンス』『ビバリーヒルズ・コップ』をヒットさせたドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーのコンビは、さらに1986年に『トップ・ガン』を製作し、またまた大ヒット作となります。 トム・クルーズをトップスターに導いたこの映画は、音楽面でも大ヒットし、サウンドトラックはUS1位/UK4位を記録しました。 この映画と言えば、ケニー・ロギンス「デンジャー・ゾーン」(US2位/UK45位)が代名詞なのですが、最大のヒットを記録したのはこの曲でした。 カリフォルニアのグループなのに、バンド名がベルリンというのは謎ですが、曲の方はシンセ・サウンドに導かれたロマンチックなスロー・バラードで、シングルカットされると、US/UKともにナンバー1まで昇りつめました。 このMVを見ると、高校生だった当時を思い出します。 映画と強く結びついた80年代の数々のヒット曲は、「商業的」「産業的」といった見方をされ、あまり評価されることはないのかも知れませんが、個人的には洋楽を聴くことが一番楽しかった時期だったので強く印象に残っていますし、難しい理屈抜きに、今でも大好きです。

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479: Glenn Frey / The Heat Is On

映画『フラッシュダンス』を制作したドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーのコンビは、翌1984年に『ビバリーヒルズ・コップ』を制作し、これまた大ヒットを記録します。 エディ・マーフィの初主演映画であり、その後、第2作、第3作も製作されているように、今に至るまで、彼の代表作と言ってよいでしょう。 この映画からは、グレン・フライが歌ったこの曲が大ヒット(US2位/UK12位)。 ノリのいいビートとサックスのリフが印象的な、いかにもアクション・コメディの主題歌と言った感じのポップナンバーです。 イーグルス解散後、ソロではちょっと地味なチャートアクションだった彼にとって、初のトップ10ヒットとなりました。 ちなみに、この曲のUSナンバー1獲得を阻んだのは、REOスピードワゴンの「涙のフィーリング」。懐かしぃ~!

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478: Michael Sembello / Maniac

「愛するデューク」から、普通につなげるとすればデューク・エリントンですが、ここは「変化球」で。 「愛するデューク」にギターで参加していたのは、当時スタジオ・ミュージシャンだったマイケル・センベロ。 その彼が1983年にリリースした1stソロアルバム『ボサ・ノヴァ・ホテル』の中の1曲に過ぎなかったこの曲は、映画『フラッシュダンス』のサウンドトラックに収録されると、映画の勢いに後押しされ、2週連続USナンバー1に輝きます(UK43位)。 曲調はキーボードに支配されたエレポップで、セッション・ギタリストっぽくないと思いつつ、後半にギター・ソロが入るところは、絶対に譲れないこだわりだったのかも知れません。 その後は、地味なトップ40ヒットが1曲あるだけなので、いわゆる「一発屋」に分類されるミュージシャンですが、映画音楽の世界でコンスタントな活躍を続けました。 まあ、それにしても『フラッシュダンス』、懐かしい!

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477: Stevie Wonder / Sir Duke

「確変状態」のスティーヴィー・ワンダーは、1974年にはアルバム『ファースト・フィナーレ』(US1位/UK5位)をリリース。シングル「悪夢」(US1位/UK30位)も大ヒットを収めています。 そして、1976年には2枚組の『キー・オブ・ライフ』をリリース。13週連続1位を獲得する特大のビッグ・ヒットとなっています。 その後、首位を明け渡しますが、もう1週だけ1位に返り咲いています。ちなみに、首位を奪ったのはイーグルス『ホテル・カリフォルニア』でした。 このアルバムからは、まず「回想」(US1位/UK5位)が大ヒット。そして、続くこの曲(US1位/UK2位)も大ヒットとなりました。 1974年に亡くなったジャズの巨人、デューク・エリントンに捧げたこの曲、イントロや間奏で高らかに鳴り響くホーン・セクションが見事です。 日本ではトヨタ車のCMに使われていたので、聞き覚えのある多々も多いでしょう。 ちなみに、同じアルバムに収録されていた「可愛いアイシャ」は、ホンダ車のCMに使われていました。

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476: Stevie Wonder / Don't You Worry 'Bout A Thing

「スティーヴィー・ワンダーの最高傑作は?」というアンケートがあったら、おそらくこのアルバムが最も票を集めるのではないかと思います。 1973年にリリースされた『インナーヴィジョンズ』(US4位/UK8位)は、曲の良さに加え、社会性の強い歌詞も鋭さを増し、さらにサウンドのヴァリエーションが格段に広がっています。 前作で特徴的だったクラヴィネットが鳴り響く「ハイヤーグラウンド」、フェンダー・ローズとシンセのアンサンブルが美しい「汚れた街」は、シングルカットされ、ともにUSトップ10入りしています。 ちなみにこの2曲、すべての楽器をスティーヴィー1人で演奏しています。 そして、3枚目のシングルとなったのがこの曲(US16位)。こちらは、ピアノが強烈なビートを刻んでいます。この曲も、パーカッション以外は、すべて彼自身の演奏です。この時期のスティーヴィーは、本当に神がかっています。 昨日に続いて余談ですが、小沢健二「天気読み」には、この曲も引用されています(「晴れた朝になって~」の部分)。 そういう意味では、「天気読み」つながりと言えるかもしれません(?)。

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475: Stevie Wonder / Tuesday Heartbreak

「ルビー・チューズデイ」は男女の別れの歌ですが、そう考えると、スティーヴィー・ワンダーのこの曲も、テーマは同じということになります。 70年代のスティーヴィーは傑作を連発しましたが、1972年の『トーキング・ブック』(US3位/UK16位)は、彼の「確変期」の始まりを宣言したアルバムでした。 このアルバム、もちろん曲も良いのですが、最大の特徴は、「迷信」に代表される、クラヴィネットのサウンドと言ってよいでしょう。 ある意味、このアルバムによって、この楽器の「ポピュラー・ミュージックにおける標準的な使い方」が決まってしまった、そんな感すらあります。 火曜日の失恋について歌ったこの曲でも、その特徴あるサウンドが曲をグイグイとリードしています。50年前の作品ですが、全然古びてないですね。 余談ですが、小沢健二「天気読み」のサビのメロディはこの曲を引用していると思います。サウンドは全く違いますが、お洒落な引用だと思います。

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474: The Rolling Stones / Ruby Tuesday

今日は、ちょっと安直な「ルビー」つながりです(笑)。 ローリング・ストーンズが1967年にリリースしたこの曲、ストーンズっぽくないバロックな雰囲気に、1967年という時代の香りを感じます。 元々は「夜をぶっとばせ」のB面でしたが、A面曲の歌詞が問題視され、ラジオでエアプレイされないことが危惧されたため、両A面扱いに「昇格」しています。 この判断は吉と出て、UK3位/US1位の大ヒットとなります。ちなみに、USでは2曲は別々にランキングされ、「夜をぶっとばせ」の方は55位止まりでした。 曲を書いたのはキース・リチャーズで、彼のコメントによると、ガールフレンドだったリンダ・キースと別れたのが火曜日だったため、このタイトルになったとのこと。 印象的なアルト・リコーダーを吹いているのはブライアン・ジョーンズ。本当に多芸な人です。 また、コントラバスは、ビル・ワイマンとキース・リチャーズが2人がかりで弾いていて、なるほど、ところどころ音やリズムが外れているのも納得です。

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473: Thelonious Monk / Ruby, My Dear

「ワルツ・フォー・デビー」のデビーとは、ビル・エヴァンスの姪の名前でした。 ジャズ・ミュージシャンが書いた名前入りの曲というと、巨匠セロニアス・モンクが書いたこの曲を外すわけにはいかないでしょう。 モンク・ナンバーというと、「どうやったら、そういうフレーズを思いつくんだろう?」という風変わりな曲が多いですが、この曲は、ただただ美しい、珠玉のバラードです。 彼自身何度も録音しており、名演も多く、どのヴァージョンを選ぶか、実に悩ましいところです。 コルトレーンと共演した『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』(1957年録音)も、晩年のソロ『ソロ・モンク』(1965年録音)もいいですが、ここでは、この曲の最初のレコーディングとなった1947年のブルーノート録音を選びました。 ここぞというタイミングで入る不協和音は、75年(!)経った今でも、モンクの「専売特許」として通用しています。当時の人からすれば、おそらく理解の範疇を超えた音楽だったに違いありません。 ちなみに、この曲のルビーが誰なのか、諸説あって定かでは無いようですが、「モンクの姉の友人で、モンクの初恋の女性の名前」というロマンティックな説を、個人的には推しています。

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472: Waltz For Debby / Bill Evans Trio

タイトルに「ワルツ」が付く曲では、「テネシー・ワルツ」と並んで有名な曲と言っていいでしょう。 ビル・エヴァンスが書いたジャズ・スタンダードのこの曲、最初は1956年のデビュー・アルバム『ニュー・ジャズ・コンセプション』に収録されました。この時は、ピアノソロによる演奏でした。 この曲の知名度を一気に高めたのが、1961年6月にヴィレッジ・ヴァンガード出演時の演奏を収録した、同名のライヴ・アルバムでした。 スコット・ラファロとポール・モティアンとのピアノ・トリオによる演奏ですが、ここでのラファロのベースは、4ビートを基調とした「リズムキーパー」的な役割を超え、時にメロディ楽器のようなフレーズを繰り出しています。 エヴァンスのピアノのもつ繊細な美しさに、ラファロの変幻自在のベースが加わったことで、この曲の魅力が何倍にも増すこととなりました。 また、あまり語られることはありませんが、そんな2人に負けない巧みなブラシワークを聴かせるモティアンも、もっと評価されてしかるべきだと思います。 しかし、この歴史的名演からわずか11日後、ラファロが交通事故により25歳の若さで他界します。 最強のピアノ・トリオによる録音は、この日の演奏が最後となりました。

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471: Elliott Smith / Waltz #2 (XO)

『イーザー/オア』をリリースした翌年の1998年、エリオット・スミスはメジャー・レーベルのドリームワークスに移籍します。 移籍後、最初のアルバムとなったのが『XO』。 メジャーでの作品だけあって、インディー時代とは比較にならない製作費用を使えるようになり、スタジオミュージシャンを起用したり、ストリングスやホーンセクションを導入するなど、サウンドのクオリティは格段に上がっています。 ただ、音楽の核となる部分はほとんど変わっていないようにも感じます。 それは、単に大部分の楽器を彼が演奏していることは変わらないというだけでなく、彼の書く曲と詞、そして彼の歌声がもつ、今にも壊れてしまいそうな、それでいて柔らかで暖かな感触が、聴く者の心に入り込んでくるからなのだと思います。 1stシングルとなったこの曲(UK52位)は、タイトル通り、3拍子の曲。ピアノのフレーズが印象的な、彼の代表曲の1つです。

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470: Elliott Smith / Ballad Of Big Nothing

私、エリオット・スミスが大好きなのですが、noteに記事を書くのは昨日が初めてだったことに気づいて、かなり驚きました。 彼の音楽は「孤高の存在」という感じなので、他との「つながり」という観点では、ピックアップされにくかったのかな~、と思います。 代表作を選ぶとなると悩みますが、1997年の『イーザー/オア』が本命ということになるでしょうか。 すべての演奏を彼1人で行っている作品で、個人的には「宅録シンガーソングライター作品の最高傑作」だと思っています。 メロディが美しいこの曲は、2000年のフジロックでも1曲目に演奏されたポップなナンバー。どこまでも繊細な彼の細い声は、いつ聴いても胸に沁みるものがあります。 そして、あまりにも繊細過ぎたがゆえに、我々の前から突如いなくなってしまった時は、本当にショックでした。 あれから、もうすぐ20年が過ぎようとしているんですね...

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469: Elliott Smith / Because

アメリカン・ビューティーというのはバラの品種名で、なるほど、昨日取り上げたグレイトフル・デッドの同名アルバムでも、ジャケットの中央に大きなバラが描かれていました。 そして、1999年に公開された、ケヴィン・スペイシー主演の同名映画を連想する人も多いと思います。こちらも、宣材写真には一輪のバラが使われていました。 アカデミー賞では8部門にノミネートされ、5部門で受賞しています。また、興行面でも大成功を収めています。 まあ、例によって、私は映画を見ないので、サウンドトラック以外のことは、ほとんど知らないのですが... このサウンドトラックで印象的だったのが、エリオット・スミスがカヴァーしたこの曲。 オリジナルはビートルズで『アビー・ロード』収録曲ですが、この曲の代名詞でもあるハープシコードのイントロはバッサリとカットされ、いきなりアカペラのコーラスで始まるという、なかなか攻撃的なアレンジでした。 映画ではエンディングのクレジット・ロールで使われていたらしいですが、たしかに合いそうなイメージがあります。