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本 名もなき毒





今日紹介するのは、名もなき毒という、宮部みゆきさん作のミステリー小説です。

杉村三郎シリーズとして、誰かsomebodyからシリーズ化されています。そして、ペテロの葬列、希望荘へと続きます。


小説も良いのですが、私は初め、小泉孝太郎さん主演のドラマにハマりました。

これは私の中では近年稀に見るめちゃめちゃ傑作なドラマでした。凄く重くて深くて、今でも何度でも見返したいドラマです。

共演者は、共演は深田恭子さん、真矢みきさん、国仲涼子さん、平幹二朗さん、杉咲花さん、江口のりこさん、ムロツヨシさん、大杉漣さん、室井滋さんなどなど豪華。

出演者はみんな好きでした。みなさん、演技が上手くて、それぞれに、それぞれのエピソードを記憶しているほど、うまかったです。
でも江口のりこさんは破格の怪演でした。

さて話は、ミステリーなんですが、善悪が単純ではなく、境界線が曖昧で、社会の問題を浮き彫りにするような作品でした。

どんな感じかというと、瑣末で見過ごしてしまうような闇。目には見えないもの、推し量ることができない事情など、滞ると一気に溢れ出てしまうような心の傷の描き方が緻密で、繊細な世界観。

恨んだり憎んだり、悲しんだり、ほんの少しのきっかけで加害者にも被害者にもなり得てしまうような点滴みたいな毒が妙にリアルで。

また負の連鎖など、物語の顛末が妙に物悲しくさせます。

一見すると他愛もないことのように思える小さな気付きや違和感など、そういう難しい人の心の歪みに焦点を当てていて、犯罪へのメスの入れ方がとても上手で、深く突き刺さる凄い作品でした。



こちらはペテロの葬列のテーマソング。凄くドラマを思い出す。歌詞を見てると、登場人物や事件と重なって泣けて来ます。

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