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今の仕事は向いてる?向いてない?


こころよく 我にはたらく 仕事あれ
それを仕遂げて 死なむと思ふ

石川 啄木


「評価する力」がないうちに
自分の“向き不向き”を決めるな

西野 亮廣



新年度が始まり
あっという間に1ヶ月が過ぎました。

私は最近、新卒採用の一次面接官を
担当しています。

それもあって
この4月に入社したばかりの新社会人が
すでに続々と会社をやめている

とのニュースを見て
複雑な気持ちになりました。

「配属ガチャが外れた」という理由で
すぐ転職活動を始める新入社員も
多いんだとか。

なかには入社初日に退職した人もいる
とのことで驚かされます。

そういえば、最近うちの社内では
「営業は向いてないんです」
と話す若手の女子社員が多く

間接部門(事務職)への異動希望者
年々増加の一途をたどっています。

そもそも仕事の向き・不向きって
何なんでしょう。


「この仕事に向いていない」と感じる理由


人によって性格・気質・志向性は違いますし
仕事の特性もさまざまですから
確かに向き・不向きってあると思います。

私が担当する派遣スタッフさんも
ちょっと嫌なことや不満があるだけで

「私にはこの仕事は向いていない」
とすぐに見切りをつけてしまう人が
少なくありません。

「私にこの仕事は合わない」

「私はこの仕事に向いていない」

話す人はたいていの場合
断定的に確信を込めて主張してきます。

本当にそうでしょうか。

仕事の向き・不向きを判別するのは難しい
と思うんですよね。

この手の話をたくさん聞いた経験上
多くの人はざっくりと下記3種類のどれかを
根拠にしていると感じます。

①   「業務内容の好き嫌い」からの向き・不向き

②   「能力・素養」での向き・不向き

③   「働く環境」との向き・不向き

仕事内容がイメージと異なっていたとか
周囲の人と比較して劣等感を感じたとか

あるいは、職場や働く環境が合っていないだけ
という場合もありますね。

こういった理由なら、必ずしも
「仕事が向いていない」とは
言い切れないような気がします。

職場の雰囲気や人間関係になじむまでの間
居心地の悪さや孤独感などから

仕事が楽しいと感じられず
モチベーションが下がっているだけ
というケースもあります。


まずは「目の前の山」を登れ


ベストセラー『バカの壁』で知られる
養老孟司さんが著書の中で喝破されています。

「自分に合った仕事なんかない」

「20歳やそこらで自分なんかわかるはずがない」

「本気で自分の仕事は天職だと
 思っている人はめったにいない」

「合うとか合わないとかいうよりも
 大切なのは
 いったん引き受けたら
 半端仕事をしてはいけないということ」


そうですよね。

仕事に関しては
全力でやってみないとわからない
と思うんです。

一定期間、
全力で集中して取り組むことによって
自分の向き不向き、好き嫌いが見えてくる。

そして、仕事って
続けているうちに好きになる面もあります。

最初はそうでもなかったのに
付き合っているうちにいつのまにか
ゾッコンになる女子ってけっこういません?
(何の話?笑)

特に新人のうちは
ミスをしたり成果が出なかったりしますが

それは経験やスキルが追いついていないから
当たり前です。

自分に向いている仕事を探そうと思う前に
就いた仕事である程度成果を出そうとか
どうすればその仕事にやりがいを感じるかとか

嫌なこともあるけどその中でも
好きなところを見つけていこうとか
ポジティブに考えることが大事だと思います。

「目の前の仕事を
 十分にやりきったと言えるか?」

と自問自答して

「まだ十分とは言い切れない」
という場合は、成果を出すために
とことん努力してみる。

山を登っていくにつれ
だんだん大きく視界が開けていって
遠くまで見えるようになるものです。

自身の成長実感や
仕事の成果が出てくることをきっかけに

今の仕事にやりがいを見出すことができる
可能性も十分あります。


「仕事が向いているかどうか」の判断基準


まずは目の前の仕事に全力投球してみる。

ただ、それでもモヤモヤが晴れない場合は
じっくり考えてみるしかありません。

では、仕事の向き・不向きを
どう判断すればいいでしょうか。

派遣スタッフさんとの面談時
私は2つの観点で深堀りして確認しています。

①   成果が出せているかどうか


華々しい成果である必要はないんです。

事務職なら、処理件数でも
正確性やスピードでも
周囲からの評価でもいい。

全力でやって
ある程度の成果も出ないんだったら
向いていないのかも。

仕事でミスがあまりに多いようなら
その仕事をこなせる能力がないのかも。

また、自分の才能を信じ続けられるかどうか
も重要な視点です。

何かしらの手応えや才能を信じられていれば
仕事に前向きになれますし

成果が出ていないときや
しんどいときも拠り所になります。


②   自分の価値観に合った仕事かどうか


「自分が仕事に求めるもの」
に照らして総合的に判断します。

100%いいところしかない仕事なんてないので
理想と現実のギャップを知る必要もあります。

仕事にやりがいや達成感を感じたことはないか?

喜びや成長実感はないか?

これらがまったくないって言うなら
向いていない可能性が高いです。

ただ私的には
向いているかどうかよりもはるかに

やっていて楽しいか楽しくないか
が大切だと思っています。

だって向いていなくても
努力で埋められる部分は
たくさんありますからね。

それを続けていく
モチベーションの源泉があるかどうか。

まぁ、ここは
個人のマインドによるところが大きいので

私はさりげなく『陽転思考』を刷り込むこと
を意識して対話するようにしています。

 


おわりに


昨今は“配属ガチャ”という言葉が話題になり
「配属先が希望と違う」との理由で

実に新卒の4人に1人が早期転職を検討する
という調査結果もあります。

でも、配属がすべてを決定づける
わけではないと思うんです。

偶発的な出来事から生まれた
サクセスストーリーは
枚挙にいとまがありません。

「この会社(部署)でよかったのかな」
と悩みながら仕事をするよりも

「この経験を絶対に良いものにする」
と決めてしまう。

目の前の仕事に積極的に取り組むことで
新たな目標やキャリアが形成されることも
多いですから

新卒の皆さんには
配属先を“当たり”にしていく意識
をもってほしいです。


(冒頭に引用した)
石川啄木さんの詩が心に沁みます。

こころよく 我にはたらく 仕事あれ 
それを仕遂げて 死なむと思ふ

石川 啄木


天職といえる仕事と出会い
それを思いっきり成し遂げてから死にたい
ってことですよね。

働くことは、生活の糧を手に入れる手段であり
さまざまな面で成長できる機会でもあり
生きがいにもなり、自己実現にもなる。

「働く」って何だろう?

「仕事」って何だろう?

改めて考えさせられます。



最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

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