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共感しすぎずに他人と自分との「境界線」を引くヒント

今回は、他人と自分との「心の境界線」を引くという話をします。


前回の記事では、「『空気が読めている』と思わせる簡単な方法」という内容を書きました。

逆に「空気を読みすぎる人」もいますよね。

空気を良く読める人というのは、共感能力が高いのではないかと思います。
これはとても素晴らしいことです。

しかし、共感能力が高すぎることによる悩みもまたあります。
相手に共感しすぎて、相手と自分との心の境界線が曖昧になってしまうということです。

そこでそのような方のために、共感しすぎずに他人と自分との「心の境界線」を引くためのヒントを書きます。


まず他人と自分との境界線とは何か。

自分は自分、他人は他人、別々の人間ですから、ここまでが自分でここまでが他人という心理的領域があります。

自分の気持ちと他人の気持ちを混同しない、自分の問題と他人の問題を混同しないような線引きです。


この境界線が引けないと様々な心の問題が生じます。

・他人の気持ちに巻き込まれてしまう。
・他人の問題を背負ってしまう。
・自分が自分であるという感じがなく、自分の人生を生きられない。


それでは、共感しすぎずに他人と自分との「心の境界線」を引くにはどうすればいいのか、そのヒントです。

3つ挙げます。
①と②はよく言われる内容ですが、③は個人的な実体験から思うところで今回お伝えしたいことになります。


① 自分を大切にする

共感しすぎる人は、自分よりも他人の気持ちを優先する傾向があります。

まずなによりも自分を大切にすることです。
自分を大切にできれば自ずと自分の領域を守ることができます。


② 課題の分離

アドラー心理学の考え方の一つです。

「これは誰が受けもつべき課題なのか」という視点から、「自分の課題と他者の課題を分けて考える」というものです。

職場でイライラしている人がいるとして、あなたは自分が何かしてしまったせいかしらと思うかもしれません。
しかし、実際のところはわかりませんし、気持ちの切り替えができないのはその人の課題です。

靴ひもをうまく結べない子どもを母親が代わりに結んであげる。
これも子どもの課題に母親が踏みこむことになります。

他者の課題に踏みこむことは、自分のためにも相手のためにもならないのです。

ポイントは、「その課題について最終的な責任を負うのは誰か?」という視点で考えることです。
相手の課題を肩代わりしてしまうと、その相手は自分で課題を解決することができなくなるのです。


③ メタ認知

3つ目は認知的な話で私が今回話したかったことです。

私の体験になりますが、カウンセリング場面でクライエントに共感できていない状態のときがあります。
真剣に話しているクライエントさんに対して、
「そんな話は現実的にはあり得ないよな。でもそう思っちゃいけないな」
「同じ話をくり返していて、いまいち真剣に聞けていない自分がいる」
「恋人みたいな親子関係だけど、突っ込まないほうがいいのかな。そんなこと考えている場合じゃないけど」
のような感想を持ってしまっている自分を意識して共感できなくなっているときです。

「いかんいかん、不謹慎、集中しなければ、共感しなければ」
と自分に言い聞かせます。

自分が感じていることや考えに意識が向かっている状態。
これはよくよく考えると、「メタ認知」の状態と言えます。

メタ認知とは、「自分の認知を認知すること」。
自分の「考える」「感じる」「判断する」のような認知活動を客観的にとらえることです。

メタ認知は思考力や客観性を鍛え、メンタルの安定にもつながると言われます。

カウンセリングで共感できていない状態ではありますが、そのことによってクライエントに巻き込まれずに線を引けているとも解釈できます。
(言い訳?)

そこから考えたこと。

共感しすぎそうだなと思った時に、相手ではなく自分が今感じていることに意識を向けるようにすることを癖にするのが良いと思います。


それともう一つ境界線を引く方法として、『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(武田友紀 飛鳥新社)の中から紹介させていただきます。

HSPの人は、共感能力が高かったり、刺激や情報を受け取りすぎたりする傾向があります。
それをセーブする方法として、相手の話を聞くときに「テレビ画面の向こうの人が話している、とイメージする」というものが紹介されています。

テレビ画面の向こうのキャスターかタレントが話しているんだとイメージするのです。
自分との距離ができます。

一生懸命に話している相手には申し訳ありませんが、その人と話していると疲れるのなら、テレビ画面の向こうの人だと思いましょう。



今回は、共感しすぎずに他人と自分との「心の境界線」を引くヒントとして、①自分を大切にする、②課題の分離、③メタ認知について述べてみました。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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