小林いさむ@公認心理師

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小林いさむ@公認心理師

公認心理師 心理支援の仕事をしています。 心理学の知見や臨床経験から得たことなどを文章にしています。心理学を活かしてより良く生きたいという人に届けたいです。 Webサイト https://www.shinrishi-k.com/

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  • 対人関係・コミュニケーション

    対人関係やコミュニケーションに関する心理学的な話を書いています。 人との関係をうまく築くための知識や技術についてお伝えします。

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「0-100思考」になりやすい人の特徴

今回は、「0か100か」の思考になりやすい人の特徴についての話です。 中間がなくて物事を0か100かの状態で考えてしまう思考をこのように「0か100か思考」とか、あるいは「全か無か思考(all-or-nothing thinking)」などと呼びます。 この思考があると、「完璧主義」に陥りやすくなります。 小さな失敗やミスも過大に受け止めてしまい、必要以上に挫折体験を味わったり、挫折したくないために行動自体をしなかったりします。 この「0か100か思考」になりや

    • 人格に配慮した褒め方・叱り方―「広く」と「狭く」―

      今回は、褒め方・叱り方についてです。 褒め方・叱り方しだいでその相手は変わります。 それだけ影響力があるわけです。 できることなら、その相手が育ってほしい方向に効果的に褒めたり、叱ったりしたいものです。 そのためには大まかな分け方になりますが、下記のような視点を持つと良いと思います。 親として、あるいは上司として、誰かを褒めたり、叱ったりするときの参考になればと思います。 「広く」と「狭く」という視点です。 褒めるときには、「広く」とらえます。

      • クライエントの心理的抵抗を小さくする「分解」

        何か問題にぶつかった時に、問題の全体をパートに分解することで、対処しやすくなるという考え方があります。 問題はどうしても大きく思えるものです。 対処しようがない、もう終わりだ、そのように思ってしまいがちです。 でも問題をパートに分解してみると、意外と対処可能であることがわかるものです。 この発想は、対人コミュニケーションでも同じです。 「分解」によって、心理相談でクライエントの心理的な抵抗を小さくするという例で説明しますね。 心理相談の初期段階では、クライエ

        • 公言することで目標に向かおう―パブリック・コミットメントの話―

          今回は、パブリック・コミットメントについて。 パブリック・コミットメントは、目標に向かう時や物事を習慣化させる時に自分を後押ししてくれます。 パブリック(public)…公の コミット(commit)…約束する パブリック・コミットメント(public commit)は、「公約」と意味します。 自分の目標や習慣にしたいことなどを周囲の人たちに公言することで、自分に行動するように仕向けることです。 例えば、 ・試験に合格する。 ・試合に勝つ。 ・ダイエット

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          余裕を身にまとう訓練「走らない」

          今回は、余裕を身にまとう、ちょっとしたトレーニングについて。 昨日、一緒に働かせていただいている人にこう言われました。 「小林さん、余裕がありますね。」 落ち着いて相談業務に対応しているという意味でしょう。 外からはそう見えるかもしれませんが、「内面はそうでもないですよ」と返しておきました。 たしかに人からはよく「落ち着いている」とか「余裕がある」とか見られがちです。 私の動きがゆっくりしているせいかもしれませんね。 私の落ち着きはとりあえず置いてお

          余裕を身にまとう訓練「走らない」

          傾聴で同意できない時の答え方

          今回は、話を傾聴している時に相手の考えに同意できない時にどう答えるかという話です。 心理相談をしていると、相談者の考えに同意できないこともあります。 お互いに考え方も異なる人間ですので。 同意はできなくても良いのです。 同意と共感の違いは過去記事で書きました。 同意はできなくても「相手の枠組みで相手の気持ちや考えを理解しようとする」、すなわち共感ができれば良いのです。 ただし、「あなたはどう思いますか?」 と同意できますかと、相手が返答を求めてくる場合があり

          傾聴で同意できない時の答え方

          「なんで」という口癖が自分をネガティブにさせる理由

          「なんで自分は○○なんだろう」 このような口癖。 なんで自分はうまくいかないんだろう。 なんで自分はだめなんだろう。 なんで自分は人から嫌われるんだろう。 「なんで」が口癖になっていることは、自分の気持ちをネガティブにさせます。 自分を責めるニュアンスを含む言葉だからというのはわかります。 しかし、それ以外の理由もあります。 できることなら、自分で自分に掛ける言葉によってネガティブにはなりたくないですよね。 今回は、「なんで」という口癖が自分の気持ちをネガ

          「なんで」という口癖が自分をネガティブにさせる理由

          「ほどよい母親」になるために大切なこと

          過去の記事『完璧じゃなく「ほどよい」存在でいてあげるということ』で、精神分析家で小児科医であったドナルド・ウィニコットの「ほどよい母親 good enough mother」をについて書きました。 その記事へ、子育て中の母親の方から、「ほどよい母親」について具体的にどうしたら良いのかもう少し詳しく知りたい、というコメントがありましたので今回お答えします。 まず簡単に前述の記事のおさらいから。 子どもにとっての養育者である母親には、 「対象としての母親」と「環境

          「ほどよい母親」になるために大切なこと

          あがらない話し方―文節を意識する―

          今回も、「あがり」の原因の一つと、その対処法について。 人と話すと緊張する、人前でプレゼンをするとすごくあがる、という方は少なくないのではないでしょうか。 緊張せずになるべくリラックスできる話し方を研究していますが、その一つを紹介します。 まず「あがり」の原因の一つは、「交感神経優位」の緊張状態です。 自律神経の副交感神経が優位になるとリラックスした状態になり、交感神経が優位になると緊張状態になります。 緊張すると、心臓がバクバクしたり、呼吸が早くなったり

          あがらない話し方―文節を意識する―

          「あがり」対策―注意を自分から外へシフト―

          今回も、「あがり」の原因の一つと、その対処法について。 これから人前で話さなければいけない、あるいは試合や発表会の直前。 緊張してあがりますよね。 手や声が震えたり、心臓がバクバクしたり、呼吸が早くなったり。 適度な緊張はパフォーマンスを上げますが、緊張が強すぎると自分の力をうまく発揮できなくなります。 なんとかこの「あがり」を対処したいものです。 「あがり」の原因についてと、そのためのエクササイズを一つ紹介します。 「あがり」の原因の一つは、「他者から

          「あがり」対策―注意を自分から外へシフト―

          「あがり」は慣れ親しんだ領域の外で起こる

          今回は、「あがり」の原因と対処法について。 急に話を振られたり、ここぞという正念場に立ったりすると、「あがる」ことってありますよね。 顔が赤くなる 汗をかく 手や声が震える 心臓がバクバクする 頭が真っ白になる そのような反応の頻度が多いと、「あがり症」とも表現もします。 適度な緊張はパフォーマンスを上げますが、緊張が強すぎると自分の力をうまく発揮できなくなります。 なんとかこの「あがり」を克服したいものです。 そこで「あがり」の原因の一つと、その対処

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          うまくいかない時に自分に掛ける言葉「常に平静を保つ」

          今回は、うまくいかない時に自分に掛けている言葉を紹介します。 私の好きな言葉でもあります。 「常に平静を保つ」 という言葉です。 人生がうまくいっていないな、冷静さを失っているな、と思う時にこの言葉を掛けます。 詳しく説明していきます。 医師の日野原重明先生の本に書かれていたと記憶しています。 私がその本を読んだのがずいぶん昔になるので、言葉が正確に合っているかどうか不確かなのですが。 ググってみても日野原先生と紐づいて「常に平静を保つ」という言葉が

          うまくいかない時に自分に掛ける言葉「常に平静を保つ」

          謝り癖は自分の価値を下げてしまう

          今回は、人から見下されてしまう行動についてです。 人から見下されるというのは、当然良い気分ではありませんし、それが続くとメンタルにも悪影響します。 自分が癖のようにてしまうことで、結果として相手から見下されてしまう行動があります。 せめてそのような癖だけでもやめたいところ。 自分の価値を下げてしまう癖の一つと、その理由について説明します。 「謝り癖」 これは自分の価値を下げてしまいます。 明らかに自分に非がある場合は、潔く謝るべきです。 しかし、何か

          謝り癖は自分の価値を下げてしまう

          感情労働とは?ストレスを抱えやすい理由

          今回は、感情労働についてです。 近年注目されている働き方の概念です。 ストレスを抱えやすい労働の仕方とも言われています。 感情労働とは何か、またストレスを抱えやすい理由について説明していきます。 感情労働とは、アメリカの社会学者アーリー・ラッセル・ホックシールド氏によって提唱された概念です。 「肉体労働」や「頭脳労働」と並ぶ第三の労働のあり方です。 それぞれの労働の違いは、何を主に使って報酬を得るかということになります。 「肉体労働」…身体を使って報酬を

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          6分間の読書でストレスが軽減

          今回は、ストレスの解消方法を一つ紹介します。 ストレスの発散方法、解消方法のレパートリーがあると、対策しやすいとされています。 その人に合った解消法をいくつか持ち、その時にできるものをするのが望ましいのです。 今回紹介する解消法が合う人は、ぜひご自身のストレス解消法のレパートリーに入れてみてください。 紹介したいストレス解消法は、読書です。 言わずもがな・・・ 読書がストレス解消になりそうなことくらい、なんとなく想像できますよ、って思われたかもしれません。

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          悪循環から抜け出す「例外探し」

          今回は、うまくいっていない状況を変えるために「例外」を探しましょうという話。 自分の状況はうまくいっていない、悪い状況が続いている。 そんなふうに思って、問題を解決できないときはありませんか。 ブリーフセラピーという心理療法の考え方が、そのような状況から抜け出せるヒントになればと紹介します。 ブリーフセラピーという心理療法に解決志向アプローチという手法があります。 その中に「例外探し」というものがあります。 うまくいかない状況の中にも、小さくても一度でも

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