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アスリートとイメージトレーニング

今回は、アスリートとイメージトレーニングについての話です。
 
 
パリオリンピックを今やっているので、イメージトレーニングのことをふと思い出しまして。
昔、水泳をやっていた時に先生からイメージトレーニングの話を聞いたことがあったのです。
当時はそのような方法があることを知らなくて、不思議な話だなと思って聞いていたのですが。
 
当時のことを思い出しながら、潜在意識を活用するイメージトレーニングについてちょっと話してみます。




高校生の時にスイミングスクールに通っていたのですが、そこで教わっていた先生の話です。
 
その先生は男性で体育大学を卒業して2年経ち、当時24歳。
大学時代に全国大会で自由形のリレーで優勝したメンバーの一人だったそうです。
たまたまそのスイミングスクールにいらっしゃって、すごい人に教えてもらっているんだなと思っていました。
 
それで近々社会人向けの県の大会(全国大会の予選)があって先生も出場するということなのです。
 
大学を卒業して2年なので、バリバリ現役というわけでもありませんよね。
普段仕事をしているし、一体どうやって練習しているのかを聞いたのです。
 
そうしたら、仕事が終わった後にスクールのプールで30分練習しているというのです。
 
たったの30分?
 
その30分で集中して泳ぐのだそうです。
 
それでも30分じゃないですか?
 
さらに聞いてみると、その他に毎日イメージトレーニングをしていると言うのです。
 
大会に向けて毎日練習をしているイメージ。
手のかき方、足の蹴り方、息継ぎなど一つ一つの動作の鮮明なイメージ。
大会当日に朝起きてから準備して会場に向かい、ウォーミングアップしているところ。
本番の競技での泳ぎ、ゴールのタッチの仕方、優勝した時の観衆の歓声などを想像。
そして帰宅するまでも思い描く。
 
毎日鮮明なイメージをするそうなのです。
 
当時は不思議な話を聞いているようでした。
 
 
そして、大会当日に社会勉強もかねて一緒に通っていた親友と僕の2人も連れて行ってもらうことになったのです。
 
県大会の会場は僕たちが住んでいる所から少し離れていたので、先生に車で迎えに来て乗せてもらいました。
 
それでウォーミングアップとか予戦とかしながら、先生は久しぶりに会うご友人たちに話しかけられているのです。
あの時の大会はこうだったよねとか、誰だれは今何々しているらしいよとか、何気ない会話です。
ただ、これから競い合うライバルたちなので、微妙な雰囲気ではありますが、先生は割と平然とされていました。
 
で、先生は当然のように100M自由形の決勝に進みます。
スタートして泳ぎ始めて、他の選手は必死さが泳ぎに出ているのですが、先生はフォームが全く乱れないんです。
徐々に先生が抜きん出ていって、僕たちも興奮しながら驚きながら、応援していたらそのままゴールして優勝したんです。
 
驚くしかなかったですね。
 
本当に優勝したし、僕たちすごい人から教えてもらっているんだと再認識もして。
 
で、その後なんですけど、支度を終えた先生が僕たちの所に来て、「じゃあ帰るぞ」と。
偉ぶることもなく、余韻に浸ることもなく、帰りの道中にラーメンを奢り、家の近くまで送ってくれたのです。
 
 
これって、朝僕たちを車に乗せて会場に行って、競技で優勝して、また送り返す、すべてイメージしていたんでしょうか。
 
だから、あんなに平然としていたのでしょうか。
 
ただただ、先生すごい、イメトレすごいって思いましたね。
 
 
潜在意識は、リアルな経験もただのイメージも同じように扱います。
 
だから、練習や本番を鮮明に何度もイメージしておくと、脳はリアルな経験のように受け取り、本番でイメージに近づけてくれるのです。
 
アスリートは、イメージトレーニングをすることで潜在意識を味方につけて、ハイパフォーマンスを出しているのですね。
 
 
 
今回は、懐かしい話を思い出しながら、アスリートとイメージトレーニングの話をしてみました。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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