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「借り物の価値観」では信頼は得られない

心理相談をしていると、親の価値観で子どもが苦しめられているケースとよく出会います。
 
「親が価値観を押しつけてくる」というように。
 
健康な子どもなら、子ども自身の考え方や生き方をしたいと思うでしょう。
 
このような親の価値観で苦しめられているケースでは何が問題となっているのかを考えてみました。
価値観は幸福と直結するので良かったら参考にしてみてください。




子どもが不適応を起こしたり、生きづらさを抱えたりしている時に親の価値観が影響していることがあります。
 
親の価値観の押しつけがあり、子どもはそれに反発していることもありますし、自覚できずに影響されていることもあります。
 
例えば、昔からある価値観として、良い大学に入れば幸せになるというもの。
昔よりは少なくなったと感じますが、今でもまだまだ根強くあるんですよ。
 
問題になりやすいのは、親自身が自分で行きついた価値観ではない場合です。
 
世間でそう言われているから。
あるいは、本当はそうしたくなかったけれども、そうせざるを得なかった。
そのような価値観です。
 
自分で考えて行きついた、本当に納得している価値観ではない場合です。
 
言わば、「借り物の価値観」。
 
子どもは本当に幸せそうに見えないのであれば、そのような大人の言葉を信用しません。
 
価値観をめぐって子ども側からよく聞くのが、「話し合いにならないから話し合っても無駄」という言葉。
おそらく、親は心からその価値観について自分の言葉で語れないため、「当然~」「~べき」という言い方で子どもの話を遮断するのでしょう。
 
ところが不思議と自分で行きついた価値観の場合は、自分自身が悩み考えた経緯があるので、同じように価値観で悩む相手の話につき合うことができるのです。
 
ここに話し合いの土壌が生まれるのです。
 
 
ここまで述べてきましたが、自分自身で価値観を見出して生きていくことはそう容易くはありませんよね。
 
心理臨床をしていると、2つの経過に分かれることがあります。
 
一つは、一時的にでも「借り物の価値観」で適応して大人になっていくという物語。
もう一つは、時間はかかり葛藤を伴うけれども、経験と思考を経て自分の価値観を手に入れて生きる物語。
 
人生の早いうちに後者のように自分の価値観を得て生きていけるのが望ましいように思えます。
 
 
世間的に良いとされる価値観(良い大学、お金、結婚など)にとらわれず、自分が幸せと感じる価値観・生き方が大事と言われるようになってきました。
 
心理臨床でも親子間の葛藤問題に出会うので、そのことを改めて考えて話してみました。
 
 
 
今回は、「借り物の価値観」では信頼は得られない、という話でした。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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