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【読書note】「組織心理学」を通して、多様な価値観をうまく共存させる方法を学ぶ vol.2

こんばんは、芝本です。

以前に『武器としての組織心理学』を読んで記事を書きましたが、今回はその第二弾になります。

上の記事を簡単にまとめるとこんな感じですが、興味がある方は上の記事を読んでいただければ幸いです。

【まとめ】
・「妬み」という感情が人間の行動を非合理的にする
・「羨望」という良い妬みと、「妬み嫉み」という悪い妬みが存在する
・「妬み」を持つメンバーと関わるときに大事なことがコミュニケーション
・コミュニケーションの始まりである「あいさつ」を大事にしよう
・リーダーとメンバーの良好な人間関係が成果に直結する

では、さっそく前回の続きを書いていきます。


隠れた不平不満を見つけてそれを有益化する

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会社をはじめとする組織やチームは、不平不満の宝庫だと書かれています。そして、その不平不満は自分の期待とのGAPから生まれてくるものです。

もちろん、この不平不満は仕事へのストレスとなります。
実は、厚生労働省の労働者健康状況調査によれば、働く人の半数以上が仕事へのストレスを感じていると回答しています。そして、その割合は年々増加しており、2017年では58.3%の労働者がストレスを感じているという結果になりました。

仕事においてストレスは切り離せないと思いますが、それでもリーダーのコミュニケーションやチームの仕組み作りによってそのストレスを軽減することができれば、チームの生産性は劇的に向上していきます。なので、組織のリーダーは「自分のチームは大丈夫」と楽観的に捉えずに、対策していくことがとても大事になってくるということですね。

また、リーダーとして仕事をしている人にとっては耳が痛い内容ですが、不平不満を抱えているメンバーがハッキリと言いたいことを伝えてくれるケースは非常に稀で、約6割以上がリーダーのいない場所で同僚や仲間と愚痴をこぼしたり、我慢したりしているそうです。

「MUM効果」という心理が人間にはあるそうです。
これは口をつぐむという意味合いで、悪い情報をリーダーには伝えにくいという人間の心理状況だそうです。ネガティブな情報を伝えるのは負荷がかかるということですね。これはほとんどの人が体感していると思いますが、個人的には、リーダー自らがメンバーに対して言い易い状態を作ってあげることが大事だと考えています。いわゆる、メンバーが心理的安全性を持っているかどうかでチームの風通しの良さが変わってくると思います。

そもそも、価値観や考え方が違う人間が集まったチームにおいて不平不満が無いことはあり得るのでしょうか?まず、あり得ないでしょう。

不平不満が隠蔽されることなく、話し合って改善させていく風通しのいいチームが当然伸びていきます。なので、チームリーダーは普段からメンバーの気持ちに寄り添い、意見を出しやすい土壌を作ることです。さらに、メンバーも大袈裟な改革を求めているわけではなく、「少しだけでも認めて欲しい」とか、「チームに貢献できていることを実感したい」だけなんですね。

実は人は貢献できていると感じた時に幸せを感じ、「自ら貢献していきたい」と望んだ時に幸福感を味わうように出来ている生き物なのです。

不平不満をパフォーマンスに変える3つの戦略

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改めてチーム運営において不平不満とは当然の産物だと言うこと、
そしてメンバーが真剣に仕事に向き合うからこそ出てくるモノなのだとしたら、健全なチーム運営のためには歓迎されることかもしれません。

では、不平不満をパフォーマンスに変える3つの環境戦略について、ひとつづつ見ていきましょう。(※書籍の中では4つありますが、この記事では敢えて3つに絞りました。)

1、仕事の成果に基づく判断
2、明確な役割を与える
3、心理的安全性

1、仕事の成果に基づく判断
チームの評価基準をしっかりと決めて、それをメンバーに浸透させることがとても大事です。この書籍にも書かれていましたが、絶対に「仕事の成果」を評価対象にすること、これ一択だと思っています。
日本の古き良き会社には、未だに年功序列という制度が残っていますが、これはまさに勤続年数や社歴、年齢に基づいて評価されています。成果主義とは真逆の考え方です。

2、明確な役割を与える
人は人から頼られたり期待されると、やる気が向上してパフォーマンスが上がります。これを「ピグマリオン効果」といい、逆に人から期待されていないと感じる時はパフォーマンスが下がる傾向にあり、この現象を「ゴーレム効果」と呼んでいます。つまり、人は無意識レベルで、人からの期待に応えていると解釈できますね。
メンバーに期待をして役割を与えること、そしてその役割がチームや自分にとってどんなに価値があることなのかを明確に伝えることで、仕事への満足感が高まり、チームへの愛着につながっていくと報告されています。

3、心理的安全性
成功するチームの特徴としてGoogleが注目したところから、この言葉が広く認知されることになりました。心理的安全性とは、チームをより良くしていくためのチャレンジが容認されるとチームだと、メンバー個々人が思っているということです。
この空気感を醸成するには、チームリーダーとメンバーとの良好な人間関係や、成長や学ぶ意欲が強い仲間がたくさんいるということが非常に大切になってきます。さらには、この心理的安全性と明確な役割が組み合わさると、メンバーの主体性をより促すことに繋がるでしょう。

モチベーションを上げるコミュニケーションとは?

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メンバーのモチベーションを上げるためには「褒めるべき」なのか、「叱るべき」なのかは悩ましいポイントですよね。ボク個人的には、メンバーへの関わりは基本は褒めていますが、一方で言うべきことはストレートに伝えるようにもしています。

この書籍の中でも「叱る」よりも、「褒める」関わりの方がメンバーのモチベーションは高く保たれたという実験結果が示されていました。しかし、人間関係はそんなに簡単ではなく、「ただ単に、褒める」ことが決して効果的と言うわけではなさそうです。。。

【褒めるときのポイント】
・メンバーが褒めて欲しいポイントを褒めること
・そもそも良好な人間関係を築けているかどうか

実は、「褒める」という行為においては上記の2つのポイントが大事です。
そしてさらに興味深い実験結果が書かれていましたが、「褒めない」ということは、暗黙に叱責ししていることと同じだそうです。

つまり、どれだけ良好な人間関係を構築したとしても「長い付き合いだから、俺が思っていることはしっかりと伝わっているだろう」というふうに考えて褒めないのだとしたら、「褒めた」場合とはほぼ逆に印象を与えかねないということです。

「褒める」ことに掛かるコストはゼロです。出し惜しみすることがとても費用対効果が悪い行いだということがわかりますね。

『武器としての組織心理学』の第三章までアウトプットしましたが、結局のところメンバーの能力を最大限に活かして、チームの生産性を高めていくためにやることは非常にシンプルだなと感じています。

・普段からマメにコミュニケーションを取っているかどうか
・リーダーとメンバーの良好な人間関係が構築されているかどうか
・期待して、承認して、褒めて欲しいポイントを理解して褒めること

しかし、シンプルでありながら簡単ではないというポイントが、人間関係の難しいところですね。今回アウトプットした内容を大事にして、ここからリーダーやメンバーと良好な人間関係を築いて仕事に生かしていきます。

本当はこの第二弾で終えようと思っていたのですが、これまた3,000文字オーバーの内容になったので、残りの章は第三弾でまとめます。

では、『【読書note】「組織心理学」を通して、多様な価値観をうまく共存させる方法を学ぶ vol.3』の執筆に入りますので、乞うご期待ください。

【まとめ】
・チームや組織の半数以上が不平不満を持っており、大半がその不平不満を吐き出さずに抱え込んでいる
・不平不満をパフォーマンスに変えるためには、評価制度を成果におくこと、明確な役割を与えること、心理的安全性を担保すること
・モチベーションアップのためにコミュニケーションは「褒める」こと
・良好な人間関係を土台にして、期待して、承認して、褒めて欲しいポイントを理解して褒めること

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