うつ病はなぜ再発するのか？

2024年2月18日 15:47

こんにちは。　新大阪うつ病回復センターの作原弘です。
今回のテーマは「うつ病はなぜ再発するのか？」です。

現在うつ病の治療は、薬と休養が中心になっています。

厚生労働省の資料によりますと
この治療の再発率は、約60％だといわれています。
非常に高い数字です。
また、再発を繰り返すたび
再発率が上がっていきます。

2回目は70%、3回目は90%にまで
確率が上がってしまうと資料にあります。
つまり、3回目になるとほとんど治らない
ということです。

例えば
新大阪うつ病回復センターで寛解した50代の方も
各年代でうつ病が再発していました。

１０代で発症し20代30代40代50代と各年代で
再発を繰り返していました。

5０代で再発しうちに来たときは、
自宅で寝たきりの生活が、3か月間続いていました。
自宅療養の前の8か月間で、
3か月の入院が2回という状況でした。

再発を繰り返し、最悪の状態になっていました。

寛解した時、
『実は、もう一生治らないと思っていました。』
と教えてくれました。

このように、うつ病は

何度も再発を繰り返し悪化していきます。

なぜこのようにうつ病は、再発率が高く、
何度も再発を繰り返すのでしょうか？

それは、薬と休養ではうつ病の表面的な症状が
治まっているだけだからです。

うつ病の根本的な原因が改善されていないからです。

わかりやすくするために
イラストで見ていきましょう。
まず、くすりについて

図①　ゴミの説明

ゴミ箱の中からゴミがあふれ出ている。
このあふれ出たひとつひとつのゴミが
うつ病の症状になります。

このあふれ出たゴミを何とかしないといけない。

で薬を使います。
薬はこのゴミ箱にフタをします。
ゴミが出てこないようにフタをします。

図②薬の説明

でもゴミ箱の中のゴミに
手を付たわけではありません。
ゴミはそのまま残っている状況です。

フタがうまくできる人が3割　
寛解は3割です。

フタがうまくできない人が７割
くすりがきいているかわからないと思って
いる人が7割いるという事です。

休養について、

今度は氷山の図で説明します。

図③氷山の図　顕在意識　潜在意識

心は、目に
見えないので氷山の図を使って説明します。

海の上に浮いている部分を顕在意識といいます。
その下の見えない部分を潜在意識といいます。

この潜在意識に色々な過去のマイナスの記憶が積み重なっています。
不安・心配・恐怖・トラウマなどです。
これが根本原因です。

潜在意識ですから、
私たちの目に見えないところ潜在意識に積もっています。

通常は出てこないように
根本原因をこころの奥深くしまっておく。
または、理性でフタをしておきます。

ある時、環境原因　つまり　人間関係のストレスが
根本原因を刺激します。

そうすると、
マイナスがどんどん増えていきます。
そしてフタを押し開けようとします。

ついに、フタができなくなって
心や体にうつの症状が現れてきます。

根本原因が表面化（顕在化）して
うつ病の症状になっていきます。

でどうするかと言えば

薬でフタをします。

ゴミが出てこないように、
症状が出ないように
薬でフタをするわけです。

通院しながらピッタリのフタを
何か月もかけて探します。

うまくフタができれば
ゴミは出てきません。

しかし
環境原因がそのままであれば、
根本原因を刺激し続けますから
マイナスは増え続けます。
フタを開ける圧力になります。

薬でフタが上手く閉まらなかったら

次は
環境原因を無くしましょう。
ストレスを無くしましょう。
休養しましょう。

休職、休学となっていきます。

薬だけで、うまくフタができたらOKです。

ドンドン悪化していったら
休養が追加されます。
これで安定したらOK。

症状が安定したら
休養をやめて元の環境・職場に戻る。

また、環境原因が根本原因を刺激して再発する。

また休養する。
2回目職場に戻る。
またまた再発する。

またまた休養する。
3回目は、もう職場にはいる場所はありません。

ほとんどの方が、自ら退職することを選びます。

退職して、職探しをしても
元のようなハードな仕事には戻れない。　
ストレスの無い仕事は、なかなか見つからない。

薬　フタをやめたら再発する　
飲み続けて下さい。
何十年も飲み続ける

うちで寛解した方も
20年間再発を繰り返した結果、
ドンドン薬が増えて
1日15錠も飲んでいました。