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音楽人のことば

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対談企画「音楽人のことば」をまとめてあります。 最新回は、小林瑞季さんとの【「何を」と「いかに」のはざまで】。
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#ピアノ

【音楽を教える、演奏を教えるとはどういうことか】比嘉洸太×篠村友輝哉「音楽人のことば」第12回 後編

【音楽を教える、演奏を教えるとはどういうことか】比嘉洸太×篠村友輝哉「音楽人のことば」第12回 後編

(前編はこちら)

ーー伝統を更新しながら伝えていく篠村 教育やレッスンというのは、伝統を伝えていくということでもありますが、ただ、伝統と言っても、それをそのまま繋いでいくっていうことでいいのかと思う部分もあるんですね。どこかで更新しながら伝えていくべきものなんじゃないかなと思うところがあって。

比嘉 それは、例えば自分たちが今生きている時代にとっての古典、というような捉え方かな?

篠村 そう

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【音楽を教える、演奏を教えるとはどういうことか】比嘉洸太×篠村友輝哉「音楽人のことば」第12回 前編

【音楽を教える、演奏を教えるとはどういうことか】比嘉洸太×篠村友輝哉「音楽人のことば」第12回 前編

 ピアノ弾き同士での対談は少し久しぶりになりました。第12回のゲストは比嘉洸太さんです。比嘉さんは、私が桐朋学園の修士課程で室内楽を師事した川村文雄先生の門下生なのですが、在籍中に出演した川村先生のプロデュースする演奏会に比嘉さんも出演されていて、その際に初めてお会いしました。そのときは、楽屋でのちょっとした会話のみで、その後も結局、修士課程在籍中はすれ違う際にあいさつをする程度で終わってしまいま

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【アンサンブルから考える音楽による対話と共感の可能性】五十嵐沙織×寺内詩織×篠村友輝哉「音楽人のことば」第11回 後編

【アンサンブルから考える音楽による対話と共感の可能性】五十嵐沙織×寺内詩織×篠村友輝哉「音楽人のことば」第11回 後編

(前編はこちら)

ーーよいアンサンブルのために必要なこと篠村 演奏するって、楽譜から音楽を聴き取って、それを体現、実現するということですよね。つまり、厳密に見ていくと、音を出す前にまず聴くという作業があるということです。その音楽の聴き取り方というのが、お二人はお互いに近いと感じているのか、そのあたりはいかがですか?

寺内 同じように感じているなと思うこともあるし、違うように感じているなと思うこ

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【アンサンブルから考える音楽による対話と共感の可能性】五十嵐沙織×寺内詩織×篠村友輝哉「音楽人のことば」第11回 前編

【アンサンブルから考える音楽による対話と共感の可能性】五十嵐沙織×寺内詩織×篠村友輝哉「音楽人のことば」第11回 前編

 節目の10回を迎えて、11回目から何か新しい企画を…と思い、2回に1回くらいのペースで3人で対話する鼎談を組み込むことにしました。鼎談では、既にこのシリーズで対談した方に再登場いただくことが中心になる予定です。
 その1回目として真っ先に思い浮かんだのが、まさに盟友関係と言える五十嵐沙織さんと寺内詩織さんのお二人でした。何度も共演を重ね、また一友人同士としても仲を深めてこられたお二人とのお話でし

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