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自由・格差・エントロピー #予測不能の時代 まとめ7

本記事は、DX関連の個人的な学びのアウトプットです。

ある大手食品メーカーの経営企画の方から、今年の今の所の一番、と教えてもらった「予測不能の時代」を読み始めました。日立でずっとウェアラブルデバイスを用いたピープルアナリティクスをやられている矢野和男さんの著作。2020年7月についに、事業を分社化しハピネスプラネット社として「企業経営にハピネス・マネジメントを」届けることに取り組まれています。

これまでの本書のまとめ

予測不能の時代に企業の進化を阻む4大ルーティンとは #予測不能の時代 まとめ1

幸せな組織の4条件FINEとリーダーシップ理論とチームマネジメントの工夫 #予測不能の時代 まとめ2

対話におけるうなずきって大切なんだなぁ #予測不能の時代 まとめ3

幸せのスキルと新事業開発って似てるんだな #予測不能の時代 まとめ4

心の資本を高める簡単習慣3good #予測不能の時代 まとめ5

予測不能の時代のシナリオプランニング  #予測不能の時代 まとめ6

第7章 格差の本質

本章は格差と物理学の関係をといており、物理学を専攻されていた矢野さんならではの内容で、とても面白かったです。以下、矢野さんご自身が格差に関しての記事を書いておられます。

自由主義経済

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19世紀の終わりから19世紀の初頭、経済学における富の分配に関しては、ジョン・メイナード・ケインズによる、政府の財政出動を機動的に行う考え方が主流だったといいます。

これに対して、これとは真っ向から反対の平等や富の分配について、あらゆる恣意的な再分配を否定する立場をとるフリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエクとミルトン・フリードマンが出てきます。

ケインズはハイエクよりも早く世を去り、ハイエクは46年の長い期間、社会の思想に影響を与え続け、そこにミルトン・フリードマンという論者も加わり、社会の思想が自由主義に方向づけられたという主張はとても面白かったです。

格差はエントロピーの増大の帰結

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矢野さんは「格差が生じるのには、理由はいらない」といい、ここからがさらに面白かった。理想的な平等な条件を設けてランダムに取引するシミュレーションを行っても大きな格差が生じることをわかりやすく紹介してくれます。

そしてランダムにかき混ぜても分配に格差が生じることは、物理学ではありふれたことで、それはエントロピー増大の法則にしたがった結果だといいます。

「熱力学第1法則:エネルギー保存の法則」と「熱量第2法則:エントロピー増大の法則」ですね。あやしい存在であるエントロピー増大の法則を矢野さんは「常に新たなエネルギーの形態や配置の組み合わせの領域が探索され続け、すでに探索した領域が常に広がり続けること」と表現します。

エントロピーは広がり続け、その結果、格差は広がり続ける、そのため「平等は自然には現れず、意識的にしかつくれない」と結論付けます。

自由と平等と幸せの追求

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エントロピー増大の法則から、自由と平等はトレードオフであり両立はできない、自然の摂理に従えば格差は生じる、そのため平等に向けた行動をどこまでするのか?この問いに対して、矢野さんは原理的な答えはないとしたうえで、これこそが人の幸せの追求だとします。

そして、その幸せの追求のためのシステムとして、彼が取り組むハピネス関係度の見える化のような客観的なデータによるアプローチが求められると締めくくります。

格差について

改めて、格差について、調べて驚愕したのが「世界ウェルスマネジメント最新動向/三菱UFJ国際投信株式会社」というレポートに乗っていた以下の図です。

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出典:世界ウェルスマネジメント最新動向/三菱UFJ国際投信株式会社

こんなの見ちゃうと、日本って分配必要なんだろうか、、、と思ってしまうほど、米国・世界の富裕層への富の集中度がヤバイ。日本はこうやってみると富裕層から再分配する原資があまりないのではないだろうか、と思いました。

おわりに

今回は「第7章 格差の本質」のまとめにトライしました。

DXについての記事や私のマネージャーとしての学びをまとめた記事は以下の「DXのマガジン」と「新任マネージャーの心得のマガジン」にストックしてますので、併せて覗いてみてください。フォローや「スキ」を押してもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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