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キャラクター語り:アニエス・ソレル【小説:Tristan le Roux/赤髪のトリスタン】

アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の未邦訳小説「Tristan le Roux/赤髪のトリスタン」を底本にしています。

あらすじ:
若く美しいカルナック城主オリヴィエは、従者トリスタンとともに狼に襲われている騎士を助けた。彼はフランス王シャルル七世に仕えるリッシュモン大元帥の使者で、二人に「オルレアン包囲戦への参戦」を求める。オリヴィエは二つ返事で快諾するが、トリスタンには出生の秘密と大いなる野望があった。
ジル・ド・レ伯爵と悪霊サラセンに導かれ、トリスタンはジャンヌ・ダルクを破滅させる陰謀に巻き込まれていく——。

【完結】神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー | 歴史・時代小説 | 小説投稿サイトのアルファポリス

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神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー(Tristan le Roux/赤髪のトリスタン)

訳者あとがき:キャラクター語り

 翻訳者だって「ひとりの読者」としてネタバレ感想書きたい!
 そんな主旨で、好き勝手に語ります。
 ここからは、各章の「登場人物紹介」ページの順番にならって、私が思ったことを書いていきます。

アニエス・ソレル

シャルル七世の愛妾。エティエンヌの幼なじみ。
知性も趣味も心も豊かな美女。真珠の混ざった美しい髪、こぼれ落ちそうな大きな目、淡いピンク色の滑らかな肌、頬に柔らかい影を落としている長いまつ毛、ギリシャ彫刻のようにまっすぐな鼻、髪に巻かれた真珠よりも白い歯がわずかにのぞく口元。
シャルル七世とは相思相愛。マリー・ダンジューに心酔している。

【※小説投稿サイト・アルファポリスでも公開中:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー


アニエス・ソレルについて:ネタバレあり

本作では「美しい女性」が三人登場します。
アリス、マリー・ダンジュー、アニエス・ソレルの三人で(ジャンヌを含めるか迷いましたが、ジャンヌの美しさは一般的な「美女」とは別物だと考えます)、イメージイラストは三者三様の美しさを描き分けたいと思って、あのようになりました。

アリス:苦労知らずの美少女で、教養はあるものの、カルナック城でトリスタンが暴れたときの騒動を「兵たちの喧嘩」で納得して疑問に思わないあたりから、物事を深く考えるタイプではなさそう。

マリー・ダンジュー:女性らしさよりも王妃の矜持を前面に押し出していて、厳かな美しさが輝いている。

アニエス・ソレル:いわゆる絶世の美女。精神的な美しさが容姿にまで表れている。その一方で、性格は控えめでマリーほどの誇り高さは持ち合わせていない。
内心で、「マリー様、尊い……」と思ってそう。

ジャンヌとオメットは、素朴でかわいいタイプ。
若いころのメフレーは、怪しい雰囲気の美魔女だったかもしれない。

王をめぐる四角関係のラブストーリーと聞くと、愛憎が渦巻くどろどろの宮廷ドラマになりそうですが。
シャルル七世、マリー、アニエス、エティエンヌ——四人それぞれが訳ありで、クソデカ感情を抱えているけど基本的にいい人です。悪役がひとりもいません。

  • シャルル七世+アニエス:両思いだけど身分違い

  • シャルル七世+マリー:幼なじみ国王夫妻

  • シャルル七世+エティエンヌ:気弱な王と毒舌小姓の主従

  • マリー+アニエス:王妃と愛妾。ちょっと百合っぽい

  • アニエス+エティエンヌ:エティエンヌの悲恋には少し自己陶酔が入ってそう

それぞれの関係性がめちゃくちゃ好みでした。
みんな好きだから、みんな幸せになってほしい!(無理)



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小説後半について

note版:一定期間後に有料化
マガジンをご購入いただくと、前半(厚めの文庫1冊分・14万文字)、後半の有料分、こぼれ話までワンコインでまとめて読み放題です。
【マガジン:アレクサンドル・デュマ・フィス未邦訳小説「赤髪のトリスタン」

アルファポリス版:無料で公開中
アクセス数に応じて筆者に広告インセンティブが入ります。スクリーンショット・コピーガード機能付き。表紙絵・挿絵あり。
【URL:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー


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