昔もいまも、絵本が大好き ~大人になってから読んで、感動した名作
子どものころから、私は絵本が大好きです。
↓こちらの記事では、うんと幼いころに出合い、いまも刊行されているロングセラーの名作について書きました。
今日は、大人になってから読んで、感動した名作をいくつかピックアップしてみようと思います。
まずは、C・V・オールズバーグの『西風号の遭難』(河出書房新社)。翻訳は村上春樹です。
空を飛ぶヨットと、自分を過信している少年の冒険の物語。ちょっと切ない余韻が残り、大人が読んでも味わい深い一冊です。刊行は1985年。
絵がとても美しくて、好きでした。この本をきっかけに、オールズバーグの絵本を何冊か買い求めてしまったほど。私が20代~30代のころです。
次は、ビネッテ・シュレーダーの絵本。
大学生のときにシュレーダーの絵のファンになり、翻訳絵本がまだ国内で出ていないものは、輸入版を探してうっとり眺めていました。
『お友だちのほしかったルピナスさん』(岩波書店)や『ラ・タ・タ・タム―ちいさな機関車のふしぎな物語』(同)、『ワニくん』(偕成社)など。調べると、いまでも手に入るのがうれしいですね。
ルピナスさんはシュレーダーが文も執筆、ラ・タ・タ・タムとわにくんの文はぺーター・ニクル。いずれも矢川澄子訳です。
シュレーダーの絵はとにかく幻想的で、独特な異世界に読者を連れていってくれます。20代~30代のころ、魅了されていました。
そして……40代で出合い、読んだ瞬間に“心をもっていかれた感じ”がしたのが、いせひでこ著『にいさん』(偕成社)です。
画家ゴッホと、弟のテオ。ふたりの人生を、不思議な光があふれる絵と、胸に響く言葉で追っていく作品です。最初は図書館で読み、泣きそうになって困りました。
著者は私と同じ札幌出身。そのせいか、ひまわりや麦畑のなかを吹き抜けていく風が、涼しくて乾いた北国のそれであるような、心地よいデジャヴがありました。
さて、最後に。
絵本とは別枠になるけれど、サン=テグジュペリの『星の王子さま』は、大人になってから読んで感動した本として、はずせません。
私は30代のころ、いろいろな版を買い集めていました。
ここでは、岩波書店のオリジナル版をあげておきます。著者自身の手による挿絵が素敵。
あまりにも有名な作品ですが、私はけっこう大人になってから読みました。高校か大学時代かな。
もちろん、何度も泣きました。
いま読み返しても、沁みます。
前述の絵本は横浜に移住してくるときをはじめ、引っ越しの度に手放してきました。でも、『星の王子さま』は大切に持っています。
人生のさまざまな段階で、いつ読み返しても発見のある物語。
ちなみにサン=テグジュペリの作品では、『人間の土地』も好きです。
◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、あい(ai_kotoba)さんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。
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