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110年前に書かれた本に癒やされる ~『死者Xから来た手紙 友よ、死を恐れるな』

 最近、エルザ・バーカーの『死者Xから来た手紙 友よ、死を恐れるな』(同朋舎出版)を読んでいます。
 もとは1914年にロンドンで刊行された本。
 本書はその復刻版で、日本では1996年に出版されました。

 そもそも1914年に刊行された原書の原稿は、1913年に書かれたものだとか。今から110年前ですね。

 著者のエルザ・バーカーは詩人であり小説家。あるとき彼女の手に、Xと名乗る人物からメッセージが届きます。いわゆる自動筆記のスタイルで、それは死後の世界についての内容でした…。
 そう書くと突飛な感じがしますが、実はX氏は著者の亡き友人で、アメリカで判事を務めていた知識人。メッセージの内容は理性的で知的ですし、とても論理的です。
 最初の「訪問」以来たびたびやってきたX氏から、著者が書き取った手紙は53通にも。
 本書はそれらをまとめた書簡集です。

 おもに死後の世界でX氏が見たり経験したりしたことを、友人である著者に語りかける形で知らせているのですが、私は読んでほっとしたというか、サブタイトルにある「友よ、死を恐れるな」の意味がじわじわ沁みてきて、心が平安に導かれました。
 イエス・キリストも少し出てきます。

 私は魂の永遠性を信じたいし、天国でイエスさまにお会いしたいから、それを肯定してくれるこういう本には励まされます。
 だからこそ、今与えられている地上でのこの人生を頑張って生きよう。そんな気持ちも湧いてきます。

 そして、110年前に書かれた本が、時空を超えて今の私を癒やしてくれるという事実に驚きます。
 本って、すごいなあ、と思うのです。


◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから
kuwagatg_bassさんの作品を使わせていただきました。
ありがとうございます。

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