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忘れない、ことば

空の水色がどこまでもきれいで
遠くで汽笛が鳴って
透き通った海風
忘れない
あの時あなたがくれたことば


◇今から35年ほど前、高校生のときに書いた詩です。この詩をいま読み返すと、「あのときのことだな」と、鮮やかに思い浮かぶシーンがあります。けれども、肝心の言葉については内容を覚えているだけで、セリフとしては再現できません。ただ、その素敵な「言葉」を受け取ったときの空の色、汽笛の音、海風の温度、波のきらめきなど、それらすべてがひとつの「ことば」となって、記憶のなかで輝いています。その「忘れない、ことば」は、むしろはっきりとしたセリフではないからこそ、いろいろな場面で自分を癒やしたり励ましたりしてくれる、ちょっとした心のサプリメントに。そうした意味では、昔、オートバイに乗ってひとりで訪ねた海や森、湖などでも、サプリメントになる「ことば」をたくさん受け取っている気がします。

曙(あけぼの)の翼を駆って海のかなたに行き着こうとも あなたはそこにもいまし 御手(みて)をもってわたしを導き 右の御手をもってわたしをとらえてくださる。
(詩編139:9-10 聖書新共同訳)


見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、ソルト(salt_5)さんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。

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