微笑む宝石

宝石鑑別(FGA 英国宝石学協会会員) が専門✨現在夫の仕事でコンゴ共和国在住✨赴任先…

微笑む宝石

宝石鑑別(FGA 英国宝石学協会会員) が専門✨現在夫の仕事でコンゴ共和国在住✨赴任先スリランカで宝石学と出会う(Blog スリランカ宝石留学物語)✨ 旅が好き✨宝石や心に留まった異国の景色、その時の気持ちを言葉に残して instagram.com/shinko_ktym

最近の記事

スミソニアン自然史博物館(2)ストーリーで知る「愛でるジュエリー」の楽しみ方

前の記事でエメラルドの歴史的なジュエリーのことを書きましたが、今回もジュエリーの背景を語ります。ジュエリーの数だけストーリーがある…、さぁ行きましょう! とても華やかなブルーサファイアのジュエリー、中でも一番右のサファイアの大きさに目が行きます。こちらは、 422.98ct!のクッションミックスカットされた、卵くらいの大きさ(縦が約5センチ)のサファイアです。これは、ファセットに研磨されたサファイアの中で世界第2位の大きさだそうです。かすかに紫がかった青色のスリランカ産で

    • スミソニアン自然史博物館(1)ホープダイヤモンドとジュエリーは歴史を語る

      アメリカ、ワシントンD.C.にあるスミソニアン自然史博物館(Museum of Natural History, Smithinian)は国立自然史博物館でもあり、入場無料で世界でも屈指の展示物が鑑賞できます。 😍←絵文字で表せば、このマーク1,000倍のテンションで訪れるミュージアム 映画「Night at the Museum 2」の舞台にもなった博物館です。そして、同じく映画の舞台にもなった「航空宇宙博物館」も近くにあり、そちらも見応えがありました。 入り口を入る

      • 呪術と伝統医療、それがアフリカでの癒し方

        コンゴ共和国在住18年、動物保全の専門家で、北部の森で人間とマルミミゾウの共存問題に取り組んでいる萩原幹子さんが「呪いグッズのお店」に取材に行くというのでご一緒させてもらいました。 路地裏の怪しい建物の中かと思っていたら、とても明るく騒々しいコンゴの市場。 アフリカの呪術、書くだけでもドキドキしてしまう。そしてワクワクしながら着いて行きました。 このお店は呪術グッズだけではなく、伝統医者の薬も販売しています。 萩原さんが探していたのは、 怪しさ満点な動物の毛皮。この

        • シチリアで思う多様性

          去年(2024年)のクリスマスは、4年ぶりに家族で過ごしました。私は一時帰国をしていたので日本から。夫はコンゴ共和国で娘はイギリスから。皆が集まりやすくアフリカに近い欧州ということで、シチリア島に決定。 シチリアの気候は地中海性気候ですが、島の約8割が標高500mを超える高原地帯。標高900m以上では冬に雪が多く降るそうです。 Il mondo e bello perche e vario! (世界は多様だからこそ美しい!) これはイタリアの諺で、私も気に入ってる言葉。イ

        スミソニアン自然史博物館(2)ストーリーで知る「愛でるジュエリー」の楽しみ方

          博物館級な宝石展示会(スイス、ジュネーブ)

          2023年5月、スイスのジュネーブで開催されたGemGenevaの宝石展示会に行きました。私は以前スリランカに住んでいて、コロンボで開催される宝石展示会(Facets)には何度も行っていたのですが、この度のジュネーブでの展示会は産地以上に希少な宝石の数々が並んでいました、さすがスイス! まず、 ルビーやサファイアは非加熱ばかり エメラルドは無処理ばかり その大きさも博物館級!こんな世界があるんですね。私は宝石はインクルージョンの世界が好きなルースコレクターなので、宝飾用の

          博物館級な宝石展示会(スイス、ジュネーブ)

          ボツワナダイヤモンド✨ダイヤは人を助けるか?

          ダイヤモンドの収益で貧困から抜け出すことができた国があります。それはアフリカの南部に位置するボツワナ。同じアフリカ大陸のコンゴ共和国に住んでいる私は、ボツワナを訪問した時に「アフリカの豊かさ」を感じました。 産油国でありながら、時々ガソリンスタンドにはガソリンが無いコンゴ共和国。アフリカだからこんなものかと思いつつもう8年くらい首都のブラザビルに住んでいますが、この度ボツワナを訪問して、その整ったインフラ設備や住宅街の様子に感心しました。54カ国あるアフリカを一括りにしては

          ボツワナダイヤモンド✨ダイヤは人を助けるか?

          バケットリストで叶えるフィヨルドの旅

          私は行きたい場所のバケットリスト(生きている間にしたいこと)を作成しています。その中でも上位にあったのがノルウェーのフィヨルドの旅。 数万年もの長い間に降り積もった雪が氷河になり、その氷が山の斜面から滑る時に地面を深く削り、深い谷ができました。その谷に海面上昇した海水が入り込んで形成されたのがフィヨルドです。 その大自然の産物、景観の美しさを必ずこの目で見たい! 子供の頃から漠然とそう思ってましたが、少し本気で願って30年以上経って夢が叶いました。数年前にバケットリスト

          バケットリストで叶えるフィヨルドの旅

          磨かれる原石のススメ

          理不尽だと感じた時に思うことは、「人生は給食だ」ということ。牛乳、パン、おかず、デザート、残すことは許されません。昭和の小学一年生だった私は給食を時間内に完食出来ず、昼休みも掃除時間もチビチビと食べ続け、5時間目になってタイムオーバー。自分で食器を給食室に持っていく😭 その繰り返し そして登校拒否になりました。 その後学校は職員会議を開いて、給食を残しても許されることになり、私はやっと学校に行くことが出来ました。 そんな私が大人になると、 「楽しいこと」 「理不尽なこ

          磨かれる原石のススメ

          ミュンヘン、ビールは酒にあらず?

          海外暮らしも20年を超えました。私は1月が誕生日なので、冬の帰省から滞在国に戻る経由地で誕生日を迎えることがあります。現在はアフリカのコンゴ共和国に住んでいます。今年の帰路は、ドイツのミュンヘンで娘(英国在住)と合流して誕生日を一緒に祝いました。 ドイツ入国には陰性証明もワクチン接収証明も不要で、コロナ以前と変わらスムーズに入国できます。思えば1年前、成田空港の出国時PCR検査で擬陽性にされ、泣く泣くフライトを逃して次のフライトまで5日間待たされたことも・・・今では懐かしい

          ミュンヘン、ビールは酒にあらず?

          何があっても大丈夫な言葉

          ハクナマタタ! Hakuna Matataははスワヒリ語です。直訳は「ノープロブレム」つまり「問題ない」という意味になります。2014年の映画ライオンキングでは、心配ないさと訳されていますが、大丈夫というニュアンスがあります。 今年の10月、タンザニアのザンジバル島へ行きました。10日間ほど滞在したのですが、この言葉を挨拶のように聞きました。そしてつくづく感じたのです、 言葉の威力はすごい! 何度も聞くと、今の状況や心に引っかかっていた悩みまで大丈夫な気になります。何

          何があっても大丈夫な言葉

          太陽な宝石、クリソベリル大使に任命されました!(勝手にね)

          私はクリソベリルが大好きです。クリソベリルの和名は金緑石 金色のようで、それが緑ぽくあったり明るい黄色であったり、落ち着いた茶系であったり、同じクリソベリルでも含まれている鉄やチタン、ヴァナジウム、クロムの量によって色合いが違ってきます。まさに大自然のレシピ、さじ加減ですね。 クリソベリルを好きな理由に、輝きがとても強いこと、硬度が高い(モース硬度8.5)ことがありますが、たぶん、 あまりチヤホヤされていない宝石だからという理由が一番大きいのかもしれません(笑) 同じ

          太陽な宝石、クリソベリル大使に任命されました!(勝手にね)

          宝石の立ち位置 正しい場所に立ちましょう!

          以前クリソベリルキャッツアイのシャトヤンシー効果について書きました。(その時の記事→ねこらいおん宝石) 今回は同じクリソベリルという鉱物(宝石)でも異なる光源で色が違って見える変色効果のお話をします。 宝石の中でもとても希少性が高いアレキサンドライト。太陽の光では緑から青緑、白熱光下で赤から赤紫に見えます。そんな魔法のような宝石があるなんてと思われるかもしれませんが、それは、魔法ではなく化学の力。 クリソベリルに、0.3-0.5%の酸化クロム、1-1.6%の酸化鉄、0.

          宝石の立ち位置 正しい場所に立ちましょう!

          日常のような旅、もしくは旅する日常か、Airbnb

          約4か月コンゴ共和国を不在にしていました。前半2か月は欧州に滞在して、後半の2か月は日本へ。今年の夏の欧州はマスクをしている人がほぼゼロ。たまにマスクをしている人を見かえけると、それはアジア人、出張中の背広姿の日本人とか。感染対策には国民の意識も大きく影響するようですね。 ↑すっかり弾けてます、私も…😝 今回はフランスに15泊、スイスに11泊、イギリスに27泊、そしてノルウェーに4泊しました。これほど長く旅が出来できたのは主にAirbnbを利用したからです。 2017年

          日常のような旅、もしくは旅する日常か、Airbnb

          ねこらいおん宝石

          キャッツアイと言えば、杏里の歌が頭に浮かぶ、宝石よりアニメに関心の強い昭和生まれのあなたへ😁 今日はその「猫の目」の宝石のお話です。 クリソベリルという宝石をドームのよう(カボション)に磨いて、その上からライトをあてると一条の光の帯が出ることあります。これを「シャトヤンシー効果」と呼びます。 それは、 宝石の中のインクルージョンに入った光が内部反射することで起きる現象です。左右に宝石を動かすと猫の目のように一条の光の帯も左右に動きます。 宝石に入った光は、本来であれ

          ねこらいおん宝石

          人類の「砂不足危機」にアフリカで思うこと

          4月28日のネットニュースに、【人類は「砂不足」の危機に直面、国連が警告 人口増加と都市化の進展で】というロイターの記事がありました。タイトルを読んで、 へ?砂不足? 国連環境計画(UNEP)が4月26日に「砂と持続可能性」について発表したことを受けて書かれた記事です。読み進めるうちに、 まー、こういう状況だったのか! 年間の世界の砂の需要は約500億トンといわれます。トンでの表示はわかりにくいので、地球の周りに幅27メートル、高さ27メートルの壁を連ねて建てる量とい

          人類の「砂不足危機」にアフリカで思うこと

          コンゴ川のツバメ島探検記(笑)

          今日はツバメ島の話をしましょう。 この島は地図には乗っていません。正確には島ではなく、コンゴ川に現れた砂と堆積岩の中洲。初めて訪れた時にツバメがたくさんいたので、ツバメ島と名づけました。はい、勝手に、です。 行き方は、 小舟を持っている漁師と交渉してボートに乗せてもらいます。今回は往復で400円くらい。バスが30円、タクシーが初乗り200円が相場なのでちょっと高い気もしましたが、時間を置いて後で迎えに来てもらうので、納得の値段です。 ワクワクして船頭に座ります。この辺

          コンゴ川のツバメ島探検記(笑)