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シチリアで思う多様性

去年(2024年)のクリスマスは、4年ぶりに家族で過ごしました。私は一時帰国をしていたので日本から。夫はコンゴ共和国で娘はイギリスから。皆が集まりやすくアフリカに近い欧州ということで、シチリア島に決定。

地中海の真ん中(Google map)

シチリアの気候は地中海性気候ですが、島の約8割が標高500mを超える高原地帯。標高900m以上では冬に雪が多く降るそうです。

Il mondo e bello perche e vario! (世界は多様だからこそ美しい!)
これはイタリアの諺で、私も気に入ってる言葉。イタリアは多くの都市国家が統一したのが1861年です。統一後も地域ごとに独自性があって、まさに文化の多様性ですね。

シチリアの歴史を調べると、色々な民族の支配を受けています。紀元前8世紀頃からギリシア人がシチリアに入植。紀元前250年頃のポエニ戦争ではローマ帝国の支配下になり、9世紀半頃にはアラブ人が入り首都パレルモはイスラムが中心的な都市になりました。11世紀にはノルマン人が征服して、その後フランスの王族、そして1282年にシチリア住民の反乱があり、それを鎮圧したスペインのペドロ3世がシチリア王になりました。オスマン帝国の時代に逃れてきたアルバニア人も多く移住しています。1720年はオーストリアのハプスブルク家の支配下、1734年にスペインのブルボン家の分家がシチリア・ブルボン朝として1860年まで支配しています…。

征服されても過去の文化がそのまま融合され、独自のシチリアになっているように思います。歴史の多様性でしょうか🤔

Aeroitaliaを利用

ローマからシチリア州都のパレルモへは飛行機で1時間少しの距離。ロンドンから直接シチリアへ飛んだ娘も、同じ頃の到着だったので再会はスムーズでした。荷物を受け取って、事前に予約していたレンタカー会社のカウンターに行きます。

車の操作を確認してから出発

まずは空港から約40分ほどの距離にある民泊を目指します。道はとてもスムーズでしたが、搭載されたnaviで迷ったので、携帯のGoogleも使いながら1時間以上かかりました。これも旅のあるある、想定内ですね😅

今回は9泊10日のAirbnbを予約。かわいいワンちゃんがお出迎えしてくれました!フレンドリーでマナーの良い本当にお利口な犬でした。

オーナー家族が下に住んでいて、入り口の違う2階部分が貸切りになっています。キッチンもスパイスなど充実していました。シチリアワインの贈り物もありました。こういう気遣いって嬉しいですね。

何よりも感動したのは、テラスからの眺めです!レモンやオレンジの畑の向こうに海が見えます。いつかこうなったらいいなーと思い描いていた休暇のイメージそのもの。

翌日はオーナーの奥さんから畑で採れたオレンジを頂きました。初めて新鮮なオレンジを食したのですが、皮が瑞々しく剥くときに簡単に割れます。新鮮な皮を乾燥させて持ち帰ることにしました。

細かく切って乾燥します、左の黄色い方はグレープフルーツ

滞在中は天気に恵まれたので、せっせと日中にテラスで乾燥。こういう作業は大好き、私は乾物女なんです😉

ここは、ニューシネマパラダイスを制作したジュゼッペ・トルナトーレ監督が生まれた町(Bagheria)に近く、オーナーの奥さんは監督と学校が一緒だったそうです。以前監督はインタビューで若者へのアドバイスとして、「夢が本物かどうか見極めて、それが本物であれば 誰の顔色もうかがわず夢を追い続けてください」という発言をしていました。ニューシネマパラダイスのでストーリーですが、この年齢で改めて観ると主人公のトトに大人の親友であるアルフレードが、「成功する為にこの島を離れて二度と戻ってくるな」と言った気持ちがわかります。若い頃と今では目線の位置が変わって、世の中の見方も変わるものですね。その時代の背景も関係ありますが。

わしらは一人ひとりには従うべき星があるんだよ アルフレードのセリフです。

エンニオ・モリコーネ作曲の音楽も美しく、こんなに心震わせてくれるメロディも…あぁイントロで泣けちゃう😭


さて、Airbnbが快適過ぎて家族でまったり過ごす日も多かったのですが、ここまで来たのでギリシャ遺跡のアグリジェントへGO!

アグリジェントの遺跡群の神殿の谷(Valle dei Templi)は、シチリア島南部に位置します。イタリアの国定史跡でもあり、1997年にユネスコの世界遺産になりました。神殿の谷には7つの神殿遺跡があります。谷と言うより丘を上りながら遺跡巡りをする感じです。

ディオスクロイ神殿

上の写真では見えにくいですが、4本の柱になっています。ここからアグリジェントの街が見えるのですが、

反対側の丘に立つ建造物に不思議な気持ちになりました。古代と現代…あちらから眺める古代の姿はどう見えるのでしょうか… 毎日古代を見る生活って😌

コンコルディア神殿(Temple della Concordia)

「平和」「調和」「和解」を象徴する、紀元前450年頃に建造されたドリス式の神殿です。前面に6本、側面には13本の柱が現存して美しい姿です。これ以外の神殿は破壊されたり石を持ち去られたり。上部の三角の部分には芸術的な装飾品がありましたが、今はロンドンの大英博物館に保管?されています🙄

この位置から歩くこと、歩くこと、

ユーノー(ヘラ)神殿(Tempio di Giunone)
じゃーーーん、全体像

この神殿は標高120mの丘の上にあります。紀元前460年頃に建造され、カルタゴの進攻と中世に起きた地震で壊れて、現在は25本の柱が残っています。ユーノーはギリシャ神話の結婚や出産の女神です。当時は結婚の祝宴の場として使用されていたそうです。


ここまで来て、西側の景色を臨むと、

真ん中に遠く見えるのはコンコルディア神殿

コンコルディア神殿からユーノー神殿までよく歩いたのがわかるでしょう?ここからの眺めはとても感動しました。当時は結婚の祝宴で喜びに溢れてこの高台で飲んで踊ってたのでしょうか。妄想にワクワク🥰

イタリアのシチリア島でギリシャ神殿を見物できるとは!歴史の多様性の産物ですね。

さて、イタリア人は陽気なイメージがありますが、シチリアの人々も陽気で人情味あふれる方々でした。クリスマスイブにオーナー家族が夕食に招待してくれました。

リビングの天井も芸術的!
クリスマスディナーのテーブルも素敵💓


家族で、すっかりシチリア大好きになりました!またここに来たいですね。「心の故郷リスト」に追加しましょう😌

すっかりワンちゃんと友達になった娘

参照 「人生を楽しみ尽くすイタリアの言葉と絶景100」(地球の歩き方)

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